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予約不要・管理人不在・無料・フリーサイトのキャンプ場ばかりを使うわけ

一言で言えば『完ソロの確率が高い』からということに尽きる。

私の場合は100%がソロキャンプ。
キャンプの計画はほとんど立てない。行きたくなった日がキャンプする日。
誰にも気兼ねしないで過ごせる完ソロが最も望ましい。
この条件を満たす確率が高いキャンプ場が『予約不要・管理人不在・無料・フリーサイトのキャンプ場』のド平日というわけなのだ。

「雨キャンプが好き」という人もいるけど、ほんとにそうなんだろうか?私には強がっているとしか思えない。
もちろん雨キャンプの経験がないわけでもないし、テントに当たる雨粒の音が心地よいのは共感できる。でも出発時に天気予報サイトを見てずっと雨マークが並んでいるようならばキャンプには出かけない。
キャンプ場で朝起きたら降っていたという場合なら、撤収手順なんかを考えながら半ば諦めムードで雨も楽しもうという気持ちに切り替えるけど、晴れのキャンプの方がいいに決まっている。

1週間程度のスパンでキャンプ場を転々とするときは覚悟の雨キャンプを強行するしかない時もあるけど、明日の撤収も雨かと思うとテンションは確実に下がる。
私の場合はキャンプ道具は車に積みっぱなし、家に帰ってから干すという習慣がまるでないので乾燥撤収が望ましいのだ。

『予約不要』とは言ってみたものの、当日予約可や申請可もその中には含まれる。
予約が必要なキャンプ場も平日ならば電話1本入れれば、もしくは直接管理棟を訪ねたとしても「今日は空いてるから大丈夫ですよ」の答えが返ってくる。少なくとも平日に断られたことはない。
だからキャンプ場の平日利用は完ソロへの第一歩ということになる。
キャンプ場転々ツアーを計画するときも、日曜出発土曜帰宅を基本スケジュールにしている。

ピンでいっぱいなGoogleMap

キャンプ場転々ツアーをするときの手順を書いてみる。
しばらくはなんの予定もない。週間予報を見ても大きく崩れる予報も出ていない。だったら明日出発しよう。

南に行くか北に行くか?
私の住まいは福島県である。南の県境を越えれば関東圏、完ソロを望める安価なキャンプ場は無いに等しく、方角的には北一択になる。
このキャンプ場に行ってみたいという明確な目的地はない。行ったことがない土地で静かな夜を過ごせればそれで良し。

時計回りか反時計回りか?
一応、両方をシュミレートしてみるけど、キャンプ場到着は14~16時、出発は8~10時くらい、基本下道走行、出発日と帰宅日は別として1日の移動距離は100~200km程度が自分ルールだ。

次はPCでGoogleMapとにらめっこ。ちなみになっぷなどの予約サイトは今まで使ったことがない。なにしろ予算は軽くオーバーするし、完ソロは望めそうもないからだ。
移動距離からだいたいの宿泊予定地を決める。
「◯◯町 キャンプ場」で検索したり、Mapを拡大したりしてキャンプ場を探す。

キャンプ場が見つかったら詳細検索。基本設備や申込み方法と料金、口コミ、利用者のブログなどを調べる。
「汲み取りトイレ」「真っ暗で夜は怖い」「ファミリーにはおすすめしない」「駐車場からテントサイトまでが遠い」「熊が出そう」なんてワードはむしろプラスなワードだ。
「ソロ専用サイト有り」はマイナスワードだ。たいていは土地の効率利用、大きなテントを張れないような狭い場所や傾斜地のことが多い。一人で来てるからといって、テントサイトは広く伸び伸びと使いたいのだ。
いくら空いていたとしても地面に張ったロープで区画されたまるで月極駐車場のようなサイトでちまちまとキャンプはしたくない。全面フリーサイトで日没日の出の方向や風向きなどを考慮して、ここぞという場所に設営したいからだ。
「要予約」はさほど気にしない。前述したように、平日ならばほとんど断られることはないからだ。

宿泊キャンプ地が決まったらMapにピンを差しておく。
念の為にそこから50km前後の範囲で第2第3候補も決めてピン差し。
経路上のスーパーやホームセンターや道の駅、日帰り温泉や面白そうな観光地にもピンを差しておく。
ツアー3・4日目に当たりそうな土地のコインランドリーも忘れずにピンを差す。

2日目以降もこの繰り返しで出発から帰宅までのおおまかなスケジュールを決める。
時計回りと反時計回りの2種類の荒いスケジュールが決まったら、天気予報サイトの1週間予報でそれぞれの宿泊地の天気を確認する。
なるべく雨に会わないような回り方に決定する。

荒いスケジュールが決まったらMapをスマホに転送する。
スマホを制限なしに使える人なら不要だろうけど、情けないけど私は最小限のギガ契約、ピンポイントでMapを呼び出して使うしか無いので転送は必至になる。

ただし、この家で立てたスケジュールが寸分の狂いもなく実行されたことは一度もない。
行く先々で得た情報やキャンプ場で新たに知った情報などで変更することは多々ある。それもまたすごく楽しいので、予約サイトなどを使って全日程の予約は入れられないのだ。
キャンプに限らず旅程表にきっちり合わせてする旅よりは、旅の中で旅程を作っていく旅の方が数十倍面白い。というか、そんな旅ばかりしてきた。

出発したら経路を楽しんで、走行中に見つけた看板に惹かれて寄り道したりしながら目的のキャンプ場へ近づき、スーパーで買い出しまで済ませたら駐車場からキャンプ場へ電話を入れる。
「あと1時間くらいで着くんですが、今夜1泊お願いできますか?」
事前調べで予約不要とか申請書を現地ポストに投入とかの場合は直行だ。

キャンプ場には明るい時間に着くことが鉄則だ。
最適のサイトを探したり、薪を探したり製材したり、夕日を愛でる前にすることはたくさんある。いたずらに距離を稼いで闇設営して呑んで寝るだけってのは性に合わないのだ。
早く着いて日没を楽しんで、いっぱい呑んでぐっすり眠って、早起きして朝日を拝んでテントが乾いてからゆっくり出発が理想キャンプなので、1日の移動距離は200km5時間程度がマックスな設定にしている。

蛇足ながら、去年の今頃は紅葉探しに東北を回っていた。その概要を記してみる。

2023年紅葉まみれキャンプ旅

10泊9キャンプ場、7ヶ所が無料キャンプ場、完ソロ7泊
紅葉ど真ん中のシーズンで大満足なツアーができたんだけど、いろいろ思うこともあった。
1泊目の法体園地と10泊目の石蔵山以外は初めて泊まるキャンプ場だった。
どのキャンプ場もきれいに清掃されており、不潔さを感じるキャンプ場はなかった。
薪を収集ができなかったのは祓川と芦野公園と石蔵山くらいなもので、余った薪は積んで移動するし、念の為にホームセンターで買っていった広葉樹1束はほとんど使わずに済んだ。

3泊目のきららか野営場でのリヤカー運搬が想像以上に腰にきて翌日はオートサイト(芦野公園オートキャンプ場)を選んだのだが(オートサイトが10サイト、残りは芝のフリーサイト)たまたまオートサイトが一つ空いてて、そこに車をぶち込んだのが今思えば失敗だった。

芦野公園オートキャンプ場

両隣に人の気配を感じるキャンプはどこよりも緊張した。うるさく騒ぐパリピもいないのに、ドアの開閉音や食器の触れ合う音や話し声など、普通レベルの生活音が気になってしょうがない。完ソロに慣れてしまった故にとんだ変態キャンパーになってしまっているのかも知れない。
夫婦のペアとソロキャンプのおっさんが両サイドで、ちょっと話してみると、どちらも気持ちいい善人なんだけど、テントに籠もってからもちょっとした話し声や気配が気になってしょうがない。
そういえばキャンプはたくさんしてきたけれど、区画サイトで両隣に人がいるキャンプってのはしたことがなかったのである。

区画サイトに一人でやって来て周りに迷惑をかけずひっそりするキャンプをソロキャンプと呼んじゃいけないじゃなかろうか。ソロキャンプにあえて定義を付けるとしたら『周りに一切気を使わなくていいキャンプ』なんじゃないかな。
ラジオを大きな音で聞こうが歌を歌おうが、周囲に気を使わなく過ごせるのがソロキャンプの精神だと思う。だから周りがどう思おうと一切お構いなしに騒ぐパリピキャンパーも精神的にはソロキャンパーなのかも知れない。
差があるとすればモラルを自覚しているかしてないかだけだろうと思う。少なくとも月極駐車場のようなサイトで一人でキャンプしている人はソロキャンパーとは呼びたくない。なんてことを思いながら眠りに落ちた。
まったく厄介なキャンパーに育ってしまったようだ。

鋳釜崎キャンプ場

面白かったのは5泊目6泊目と連泊した高野崎キャンプ場だ。
車で5分の距離に鋳釜崎キャンプ場があり、どちらも甲乙つけがたい絶景でどっちに泊まろうか迷ったのだが、決め手になったのは先住者(2組だけだったけど)がいるかいないかとキャンプ場の広さだった。
どちらも国道沿いで平坦なキャンプ場、どちらも景勝地で観光客の立ち寄りも多い。そしてどちらも予約いらずの無料キャンプ場だ。

高野崎キャンプ場

鋳釜崎は駐車場から柵を越えればすぐに芝サイト、一方高野崎はサイトの選択肢が多く、駐車場近くにも設営可能だが、岬の先端に伸びる遊歩道を外れれば誰も来ないひっそりとしたエリアが独占できる。荷物を運ぶ距離は10倍くらいに伸びるけれど高野崎の北側端っこに設営した。
すぐ側に簡易的ながら水場もあるし浜へ降りる階段もすぐ裏、灯台の光の影響も受けないし地面も平坦、岬全体を歩き回ったけどかなりベストな環境だと思う。
おかげで完ソロ。選択に間違いはなかった、観光客の気配や視線を背中に感じるキャンプは耐えられなかったかも知れないし、次回行ったときも迷わず高野崎に居を構えるつもりだ。

汗を流しながらの荷物搬入も含めてキャンプと思えば苦もない事だ。ただ、それを嫌がる人が多いからキャンプ場の混み具合に差が出るんだろうな。
ちょっとの苦労で満足する環境が選べるならば、これからもちょっとの苦労ならば惜しまないスタンスでキャンプするつもりだ。

2日目の高野崎キャンプ場

しかし翌日、龍飛崎観光から帰ってきたらキャンプ場の様相は一変していた。ツアーに出て6泊目、曜日の感覚は失せていたけど土曜日だった。
駐車場との柵を超えた芝サイトにどーんと大きなタープ、タープを囲んで大きなテントが3張り。観察してみるとどうやら3ファミリーの合同キャンプらしい。
子供は走り回り大人たちも設営や料理の準備で楽しそうだ。
「まいったなー。」とは思ったけれど、メインの遊歩道から外れたこっちの陣地には近寄っても来ない。こっちが発する近寄るなバリアが効いたのか「あっちにいるおっさんはきっと怪しい人だから近寄らないように」とでも親が言い聞かせたのか、静かな夜を過ごせたのは幸いだった。
明るすぎる照明とアハハオホホの嬌声は気にならないといえば嘘になるけど、土曜日だしなー。こんな絶景と平坦なキャンプ場で土曜完ソロを望む方が悪い。

「何週間も前から予約したせっかくのソロキャンプだったのに、子供が区画内に入ってきたり夜まで騒いでいたりで散々でした。」「ソロ専用サイトなのに隣がうるさくて...」といったツブヤキをよく目にするけど、他人のマナー違反とかを憂う以前に自分のキャンプ場選択の失敗を自覚するべきだと思う。
老若男女が苦も無く設営できる車両横付けのサイトでソロキャンプをするアンタが悪いと言いたい。グループやファミリーで来ている人から見れば「一人で来ている人」としか認識されてない。アンタの心情とかアンタが夢見るソロキャンプは、他人から見れば全く関係ないものなんだよ。といつも思っているけど、たちまち総叩きにあいそうなので黙っている。

はやま湖展望台

グループやファミリーと一緒が嫌ならば、彼らが来れないようなキャンプ場やサイトを選ぶべきだ。
平日に休みを取って行くとか、雨の日にあえて出かけるとか、駐車場からヒイヒイ言わなきゃ設営できないキャンプ場を選ぶとか、強風吹き荒れるキャンプ場に行くとか、ボットントイレで不人気のキャンプ場を選ぶとか、夜には灯り一つ無い真っ暗闇でスマホも使えないキャンプ場にするとか、方法はいっぱいある。
一人で来たから思い通りのソロキャンプができると思ったら大間違い、理想のソロキャンプをするんだったらそれなりの苦労と覚悟が伴うと思わなくっちゃだめだ。

ソロキャンプに誇りを持つ自分としては「ソログルキャン」と言うわけがわからん造語も勘弁して欲しい。
安心安全な観光地に集団で集まって食事は大宴会場で楽しんで、だけど眠るときはそれぞれ個室。ソログルキャンと大差のないこの旅をひとり旅と呼んでいいものやら...。少なくとも「ソロ」は外して「グループキャンプ」としか呼べないと思うのだが。

ソロキャンプが大好きで、願わくば完ソロであって欲しいといつも思って出かける私は、これからも『予約不要・管理人不在・無料・フリーサイト』のキャンプ場中心にキャンプを続けていくつもりだ。少なくとも足腰がリカバリ不能の悲鳴を上げるまでは頑張らなきゃ。オートサイトはまだ早い。もっと弱ってからでいい。

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