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剪定
剪定は、作業性や収穫効率を上げるよう樹形を整えるために行います。
冬剪定を落葉期の12〜2月に行う理由は、休眠期で発芽前であり樹への負担を減らすことができるからです。
また、樹勢が強い場合は9月に秋剪定を実施します。
秋剪定は枯れ込みを防ぐため、樹の懐に光が入るよう徒長枝を抜く程度ですが、冬剪定は樹形を全体的に捉えて不要となる枝を見極め、除去や縮伐、枝詰めを行います。
ちなみに、秋剪定は樹勢を弱め冬剪定は樹勢を強めると言われています。
以下に冬剪定についてまとめました。
手順は次の通りです。
①大枝の除去
②立ち枝の除去
③整枝
①大枝の除去
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まず初めに主枝・亜主枝を決定します。
開心自然形は代表的な樹形で2本主枝・3本主枝などがあり、それぞれの主枝に亜主枝を設けます。
亜主枝は反対側の主枝に設けた亜主枝と対象位置になるよう左右交互に置きます。
このようにイメージした主枝・亜主枝に競合する大枝を除去します。(上図参照)
この段階では細かい枝に手はつけません。
②立ち枝の除去
徒長枝とも言われる立ち上がった枝を切ります。
日焼け防止のために2・3芽残す場合は、成長により他枝を暗くしないよう夏季に管理が必要となります。
立ち枝の他に除去すべき枝は以下の通りです。
・主枝の進行方向と逆向きの枝
・重なり枝
・下枝
・低い枝
③整枝
大枝や立ち枝などの除去が終わったら、細かな枝を整えていきます。
たくさんある枝のどれを切ったら良いかわからなくなりますが、決めた主枝の先端が他の枝に負けない形にするのが基本です。
そのため、主枝の先端は一番高くして競合する枝を除去していきます。
まず決定した主枝の先端①を切り詰め、その先端より出る枝③を除去し、先端に勝ちそうな枝④を切り詰めます。
切り詰めた枝先近くに上芽の葉芽②があったら除去します。残しておくと先端の下芽に勝った立ち枝になってしまいます。
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枝を切り詰める場合、必ず下芽の葉芽の先を切ります。
上芽の先を切るとそこから伸びる枝が真上に立ち上がってしまい、花芽だとその先に枝が伸びないので注意しましょう。
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次に側枝の配置を考えながら整枝していきます。
側枝とは、主枝・亜主枝から発生する結果枝を持つ枝です。
主枝の先端に近い側枝ほど小振りにし、車枝にならないように左右交互に配置します。
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結果枝とは、花芽がついて翌年に結実する枝をいいます。
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続いて、結果枝を剪定していきます。
邪魔な結果枝は間引き剪定を行い、伸ばしたい枝や樹勢回復したい枝は切り返し剪定を行います。(原則として中・短果枝は切り返さない)
切り返しの程度は、強い枝は弱く、弱い枝は強く行い、常に若返りを図ります。
主枝・亜主枝以外はなるべく新しい枝になるよう更新していきます。
枝間は短くても15cmはあけましょう。
最終的な目標となる樹形のイメージは下図の通りです。
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