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チェスで世界とつながる|言語の壁を超えて

チェスとの出会いは、『エヴァーグリーン・ゲーム』という小説を読んだことがきっかけだ。この本は、チェスプレイヤーたちの人生を賭けた熱い戦いを描いた作品で、その世界観に引き込まれた。日本におけるチェス文化の位置付け、チェスの奥深さ、そして登場人物たちの挫折と成長が描かれており、私はチェスに魅了されたのである。

⚫︎チェスを始めた動機

チェスを始めた動機には、いくつかの要因がある。

まず、チェスが世界中で親しまれているゲームであることに惹かれた。また、非言語コミュニケーションの手段としても興味深いと感じたのだ。これは、海外旅行の際、言葉が通じなくてもチェスを通じて現地の人々と交流できるのではないかという思惑による。

以前東南アジアに留学していた際、辛いものが好きだということをアピールしていたら自然と食事に誘われる機会が増え、友人ができたという個人的な経験に由来しているかもしれない。

将棋と比べてルールがシンプルなことも、始めやすさの一因であった。将棋ではとった駒が復活する仕組みだが、チェスでは盤上からいなくなった駒が復活することはない。30秒〜10分程度で試合が楽しめるという手軽さも魅力的だ。さらに、AIによる分析が進んでいるため、先生がいなくても上達できる点も魅力的である。

⚫︎チェスの魅力

チェスの魅力は、戦略的思考力を養える点にある。短期的な戦術と長期的な戦略を組み合わせることで、より深い思考力が培われる。

オープニングと呼ばれる序盤戦では「ルイ・ロペス」「イタリアン・ゲーム」と呼ばれる戦略があり、将棋の「居飛車」「穴熊」などより名前がかっこいい。このような戦略を駆使し、序盤から攻めていくのか、守っていくのか個人の性格や趣向が表れるのも面白い。

現在は、chess.comlichessという海外でも有名なチェスアプリを使って対局を楽しんでいる。これらのプラットフォームでは、世界中のプレイヤーと対戦できるだけでなく、自分の棋譜を分析したり、パズルを解いたりすることで、効率的に上達することができるのだ。

⚫︎日本でのチェス普及を願う気持ち

チェス作品を通じてチェスの奥深さと魅力に触れたことで、日本でもチェスが普及することを強く願うようになった。chess.comでは相手の国籍が表示されるのだが、インド人🇮🇳のプレイヤーが多いことに気づく。どうやらインドでは、Netflixのドラマ『クイーンズ・ギャンビット』の影響でチェス人口が爆増したようである。一方で、日本人と対戦する機会がなくて少し寂しさを感じている。

チェスは単なるゲームではなく、戦略的思考力や集中力、忍耐力を養う知的スポーツでもある。欧米では子どもの教育にチェスを取り入れている例もあり、その教育的価値が認められている。

ぜひ、皆さんもチェスの魅力を体験してみてほしい。この文章を読んだ人がチェスに興味を持ち、始めてくれることを願わずにはいられない。チェスを通じて、新たな世界が広がることを期待している。

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