『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』フットボールペアレンツ055
こんにちは。
藍澤誠/Jの先生です。今日もnoteで研究していきます。
本日の動画はこちらです。
周りを見ることが大事――サッカーではとてもよく言われているアドバイスです。
この日、動画内の私(マコト)は、「情報収集」をテーマにしていました。まず最初にボールめがけてダッシュしているのですが、身体の向きとは別に、顔は自陣の様子を見ています。
ゼッケンを着ていない自分のチームは5人いるはずですが、1人欠けてしまい自分を入れて4人。自陣を見て分かったのは、2人が自分より後方で歩いていること(攻める気配がなさそうなこと)。前方ゴール前に誰もいないこと。となるとこの後は1人で突破するか、もう1人の上りを待つしかないことがこの時点でわかります。
そしてボールに追いついたとき、目の前に相手が現れたわけですが、このとき私はその相手ではなく、逆サイドにいると思われる黒い大人の選手の動きに意識を払っていました。その選手の動き方で、私の少し先の一手が決まるからです。シュートに向かうか、パスを使うか。
結局私は、目の前の選手をオートで(無意識に解決策を委ねる形で)抜き去り、黒の選手とアイコンタクトを取った後、タイミングを見計らってスペースにパスを出し、ゴールにつなげています。
ここだけ切り出すと、すごく上手いプレーのように見えますが、このプレーが成功したのには伏線があります。
実はこのプレーの前に私は、ヘディングをしようとボールばかり見てすぐ背後にいる子どもに気づかず、バック走をしながらその子をぶつかって倒すというエラーを起こしてしまいました。その衝突を見ていたハルキは「大けがをしたかも!」と焦ったそうです。
幸いその子にケガがなくて済んだのですが、大人が小さな子どもたちとプレーするとき、周りを見えていなくてはとても危険です。
その危険性についてあまり考えていなかったのですが、強いボールを蹴って顔や目に当ててしまったら大ケガにつながりますし、オフェンスやディフェンス時にスピードをつけたまま身体をぶつけてしまうと、相手が吹っ飛んでしまいます。骨折などの大ケガをさせたら何か月も迷惑をかけてしまいます。
あるいは自分がケガをする場合もあります。つい先日、大人が子どもをかばう形で大けがをするシーンがありました。大人が子どもをかばってケガしたとき、「周りが見えていればそんなことは起きない」という言い方は冷たく感じられますが(大人のケガもとても悲しいので)、実際、周りが見えていれば無防備な形でぶつかったり、大ケガにつながるような共倒れの可能性は低いと思います。
交通ルールにおける歩行者と運転者の関係のように、スピードが出せる、しかも大型の身体を持っている大人は、子どもにはない責任がある。だから周りをしっかり見ておきたい。ゴールも大事だけれど、子どもたちの安全はもっと大事。
ただ「見る」と言っても、以前は「攻めている方向とは逆の、自陣までは見る必要はない」と思っていたのですが、すぐ後ろの思いがけないところに、セオリーを無視した子どもがいることもあることを、後ろにいた小2の子とぶつかって、改めて認識しました。
そのことを私はすごく反省して「今度からは後ろの情報も確認する」と決意した後のプレーが動画のプレーです。音声を聞いてもらうとわかりますが、ダッシュ中の私に対して、
と声がかかっています。
これは私が「今度からめっちゃ周り見る!」と宣言していたためです。
そして周りを見るということはすなわち、意識のリソースをそちらに振るわけで、今、自分がやっているプレーへ払う分の意識が薄くなります。そこで私は思い切って「プレー自体は完全に無意識でやろう」と決めていました(※もちろん、決めたからといって、すぐにできるわけではありません)。
今回の私のプレーにおいては、1対1の場面で、相手の足を出すタイミングを意識的に測ってボールを動かしたのではなく、無意識で身体が反応したから抜けたというのが実際のところです。意識したらこんなにうまくは抜けません(笑)。たまたま上手く無意識になれました。
ん? 待てよ。無意識でできたことを自分のプレーとして喜べるのか?――後からそう思ったりもしたのですが、試合の事前準備として、いろいろなプレーを身体に染み込ませていくこと自体はとても意識的な営みです。
試合でがんばるのではなく無意識で技が出るようにプログラミングしておく。その準備自体をがんばる。そうすることで、相手や味方の配置を理解したり、攻め上がりのための時間的な間を作ったり、複数の解決策を探したりということに意識を向けられると気づきました。
準備と確認を怠らない。
子どもも守るし、味方ともつながれるし、ゴールも奪う。
フットボールを楽しんでいる人たちの参考になると嬉しいです。
◎01~10
01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』
◎11~20
11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』
◎21~30
21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます』
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける』
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』
◎31~40
31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』
◎41~50
41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 『ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!』
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・』
◎51~60
51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
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