プロジェクト ザ・ガーデン-移住編②-
田舎は、なんでもある
確かに田舎は何もない。
でも、都会的なものが何もないだけ。
(人混み、遊ぶ場所、便利な交通網、仕事の種類、お洒落な飲食店、最先端の情報に触れられる場、等)
それ以外は色々沢山ある。
・外灯の全くない山道を夜20時くらいに車で走っていると、突然目の前に出てくる鹿。
・突然の雪で道路が凍り付き、スリル満点の通勤ドライブ。
・朝4時に農道を時速50Kmで 青果卸へと爆走するトラクター。
・クラクションを鳴らしても動じない、道路際の猿
・くそ忙しく仕事をしていると突然かかっくる電話「お宅の畑の雑草、刈ってくれない?」
・風が吹くと倒木が道をふさぎ、大雨が降ると通勤路の崖が崩れてたりする。
・飲酒運転を気にせず、飲み会に車で出かけることができる。(帰りは運転代行というものを使う。タクシーより安価)
・BGMは、山の人が鹿とイノシシを求めて狩りをする発砲音
・大雨の日に、用水路から水が大量にあふれ出て川になる道路
緊張感からアドレナリンが噴き出る毎日です。
教養と教育
田舎で生活していくには、教養と教育が必須であると実感している。
とはいっても、哲学書や芸術を愛好し、日々勉強に勤しむことではない。
“今日行く”場所と“今日用”事があること
これが一番大切だと思う。
田舎に住んでいると、当然都会的なものは一切ない。
家を出ても山と畑と田んぼしかない。人もいない。
田舎で行く場所もなくすべき用事もなければ、退屈に日々真綿で絞殺されそうになる。
田舎は真っ白いキャンバスのようなものだと思う。
仕事の種類が少ない(農業や土木が中心)ので、自分に合った、やりたい仕事は自分で作っていくしかない。自分で行くところと用事を作らなければならない。
田舎に住んでいると、外界の世界で時代が移り変わってきていることを一切感じない。
だから、実は外からビジネスチャンスがやってきていることも、肌感で理解できない。
インバウンドでホテル業界が田舎の価値に気が付き始めたのがよい例だと思う。
田舎では何もかもが昔からそこにあり、当たり前だと思っているので誰も価値に気が付いていないことが多く、そこにチャンスがあると思う。
しかも、挑戦しがいのある面白いことを自分で作っていくことが、都会より低コストでできる。
そうすれば本当に都会で得られた教養と教育が生かされるのだと思う
地域おこし協力隊員始動!
ネットを見ていると、地域おこし協力隊員の失敗談(地元とのトラブル)が多く語られている。(忘れてはならないのは、うまくいっている人は何も語らない。)
雇われ根性のサラリーマン気質(会社がいろいろ仕事や人間関係を準備してくれるでしょ)で来るなら、そうなっちゃうのもしょうがないと思う。
田舎社会は文字通りの“王様”と“奴隷”しかいない社会なのだから。
都会から来たよそ者の平民(サラリーマン)が、すぐにその社会で王様になれるわけはなく、奴隷の身分から出発しなければならなくなる。
田舎の企業経営者・農家の人々は独立独歩で生きている。一人ひとりが王様なのだ。
人の言うことなんか聞きゃしない。
そんな企業環境で平民として生きていこうとするならば、事前の入念な準備が必要となる。
受入れ先の農家や企業にて、自分はその場所でどういうことがしたいのか、どういうスケジュールで活動したいのかを、事前に受け入れ先とネゴっておき、自分が協力隊として参加すると双方にどのようなメリットがあるのかを明確にしておくことが大事だと思う。
これをしないと、受け入れ先や周りの環境に振り回され、コミュニケーション不全を起こして孤立し、失意のうちに帰郷してネットに書き込むことになると思う。
私もこれから先、上手くいくかどうかわからないが、一つだけわかったことがある。
税金美味しいっす。(次号へ)
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