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アイスバスという究極の体験から見えたもの

先月、Human Potential Lab主催のアイス・ブレークスルー研修に参加しました。その体験が、今までの人生で味わったことのないあまりに強烈なものだったので、忘れないうちに記録しておきたい。

アイス・ブレークスルー研修とは、参加者の自己認識力(セルフアウェアネス)を劇的に高め、これまで染み付いていた認知バイアス(思考の檻)から抜け出し、本当のポテンシャルに気づくべく、オランダ生まれのヴィム・ホフ氏が独自に生み出した呼吸&瞑想法を活用したポテンシャル開発プログラムです。

マインドトレーニング、呼吸法、瞑想、寒冷暴露を適切に行うことで、頭脳や身体のパフォーマンス向上・メンタルの向上・集中力の向上等、様々な心身へのメリットが得られることが、科学的に証明されています。海外では、パフォーマンス向上を目的に、トップアスリートや経営者などが実践しているほか、企業向けの研修にも活用されています。(*Wim Hof Method: https://www.wimhofmethod.com/)

今回は6時間のプログラムについて、順を追って報告したいと思います。

ベキ/ベキじゃないと思う場面の書き出しワーク

オリエンテーション

最初に、研修の狙いやゴール、今日1日の流れについて講義を受けた後、自分が「こうあるべき」と思うことと「べきじゃない」と思うことを洗い出すワークから始まった。

私が書き出した内容


書き出すにあたり、周囲の特定の人を思い浮かべて書いたつもりだったが、右の「べきじゃない」に書いたことは自分自身に当てはまるものばかりだと気づいた。(全部ではないけど・・)
自分自身の嫌なところ、窮屈なところ、向き合いたくないことを誰かに投影して拒絶反応を感じていたと気づいた。
一方で、「こうあるべき」に書いたことは、自分にない、または不足していて憧れを抱いている項目たちだと気づいた。
自己を他者に投影して、その反射を感情として認識しているというのは、ある意味世界が反転したような、自己と他者の関係性を再構築するような経験だった。


ヴィムホフメソッド呼吸法

ヴィムホフメソッドに基づく呼吸法

ヴィムホフメソッドについては予備知識ゼロだったが、数十個並べられたスピーカーから流れてくるBGMとトレーナーのレンちゃんの誘導に乗りながら、途中からは呼吸に自分をリードしてもらっている感覚に入った。
さまざまなimageが浮かんだが、やはり自分にとっては出産経験を強く想起させる時間だった。
最高に幸せな根源的な時間を呼び覚まされる感覚だった。
ヴィムホフメソッドでは途中で一定時間息を止めるのだけど、それが本当に苦しくて、「もうだめだ」と思ってから最後のカウントダウンまで持たないことが数回あったので、もっと修行を積みたい。

アイスバス

ランチに美味しいカレーをいただいた後に、いよいよ本日のメインイベント、アイスバス。
ついにこの時間がきてしまった・・という重苦しい空気の中、よりによって肌寒く小雨が降る中で水着になって外に出る参加者の足取りは重かった。

アイスバスを囲んで呼吸法のおさらい。みんな緊張
まずは手だけをアイスバスを浸けるも、想像以上の冷たさに青ざめる参加者
心を落ち着かせる

いよいよ私の番・・・

最初から最後まであまりの寒さに身体が震え歯がカチカチなる音がしていた

想像以上に冷たくて痛くて怖くてパニック寸前だったが、身体の反応を信じて、レンちゃんを信じて、仲間がいる安心感もあって、なんとか2分間逃げずに耐えることができた。
死の恐怖の中で、それでもしっかりと息を吐いて身を「委ねる」という境地に行きたかったけれど、今回はひたすら耐える2分間だった。
氷の固い層をかき分けて入る感覚は、自分の中のブロッカーをブレイクスルーする感覚とアナロジーとしても繋がりを感じた。

完全に冷え切った(凍った)身体に温度を取り戻すためにサウナにでも入りたいところだが、自分の呼吸と大きな筋肉に負荷をかけることで自力でエネルギーを生み出し自分を温めるエクササイズを行った。
アイスバスから上がった直後は、あらゆる脳内ホルモンが大放出するのだとか。唯一放出されないオキシトシンを出すためのペアワークでは、お互いの健闘を讃え合った。
この身体の活性が上がった感覚、多幸感は生まれて初めての感覚だった。
この「私、なんだってできるかも」という全能感は、翌日になっても弱まるどころか1週間ぐらい高まり続けた。

呼吸法とアイスバスを通して、自身のどんなブロッカーと対峙したのか、経験をシェアしあう
脳内ホルモン大放出中。もはや、この日初対面だったとは思えない面々


たった6時間の出来事だったとは思えない、唯一無二の強烈な体験だった。今回の体験を通して、認知の外側の世界は想像することすらできない、飛び込んでみて初めてわかるものだということ、普段いかに小さな認知の世界で自分をがんじがらめにしているかを身をもって体感した。

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