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月が綺麗ですね
情けない話しだが、
「 月が綺麗ですね 」の意味を
理解できていなかった。
たいせつな人が出来て、
はじめて気づいた僕の おマヌケけな話し。
💡中秋の名月
2024年の中秋の名月は、9月17日の火曜日。
「 月が綺麗ですね 」は夏目漱石が、
「 I love you 」を そう訳したと教わった。
中学生の僕には、
この本当の意図が分からなかった。
「 This is a pen 」が、
「 これは1本のペンです 」と
丸暗記したように。
「 I love you 」には、
「 僕は、あなたが好きです 」と
「 月が綺麗ですね 」という
両方の訳が有ると信じていた。
💡かたくなな私
それなりに恋愛もしたし、結婚も離婚もした。
ひとなみにアプローチも受けたが、
どれも これも、
相手のイメージする虚像を演じて
付き合っていたように思う。
本当の自分は、誰にも安心できずにいたのか、
家で ひとりに成ると
【 ほっ 】としたのを覚えている。
💡30も とうに過ぎ
自分から好きだと思える人と出会った。
毎日のように会っていたような気がする。
と言うか、
1日の内にも互いに何度も電話をしていた。
そんな折、駅から家までの帰り道、
ふと見上げた空に、
大きく光々と光る 月 を見た。
気づくと立ち止まり電話していた。
『 今日の月、見た🍀』
そう、それまで気づかなかった。
誰かを好きになると言うことが、
日常の ささいな事でも共有し合いたいと
いう事だと言うことを。
💡漱石やりおるわい
夏目漱石、エエ人やん。(★_★)
「 月が綺麗ですね 」と言う、
たった ひと言で、すべてを語るなんて。
それまで僕の中の夏目漱石は、
見知らぬ土地で、異邦人である自分を
献身的に支えてくれた女性を捨てて
逃げてきた、ろくでもない男という
「 舞姫 」のイメージを凌駕した。
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