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『 先天の気 』『 後天の気 』
東洋医学には興味はあるが、
なんだかミステリアスに感じてしまったり
尻込みしてしまうと言われる方に向けての
予備知識になれば、うれしいです。
💡黄帝内経
東洋医学の教科書とも言える文献
『 黄帝内経(こうてい だいけい)』には、
『 女性は 7 の倍数、
男性は 8 の倍数 』の年齢に節目を迎え、
体に、変化が訪れるという記述があります。
『 黄帝内経 』は、
今から二千年前に書かれた書物で、
伝説上の帝王である黄帝(こうてい)が問い、
医学の師である岐伯(きはく)が、
それに答える形式で、
東洋医学の思想や養生について
説かれた書物です。
💡腎気とは?
黄帝内経には、
人の生命の源『 腎気(じんき)』について、
加齢による変化などが 書かれています。
人の健康は、
腎気(エネルギー)により大きく影響されます。
東洋医学で言うところの『 腎 』は、
西洋医学で言う『 腎臓 』とは 意味が異なり、
たんに老廃物を出す臓器と言うより、
命の根源といった意味合いが大きく、
『 腎 』で精製された命のエネルギーを
『 精気 』『 腎気 』とも言います。
💡『 先天の気 』『 後天の気 』
『 腎気 』には、産まれもった『 先天の気 』と
産まれた後、食事や養生により得られる
『 後天の気 』があります。
『 先天の気 』は、命のロウソクのように
減ることしか出来ませんが、
『 後天の気 』は、
食事 や 静養 などにより
増やすことが出来ると考えられています。
💡永遠の命( 仙人学 )
太古の中国人は、
『 健康で、長生きしたい 』といった、
不老不死への憧(あこが)れから、
なんとか『 先天の気 』を減らさぬように、
なんとか『 後天の気 』を充足させるようにと
発達したのが、
仙人学であり、東洋医学、養生法の始まりです。
『 腎は 精を蔵し、
生殖・生長・発育をつかさどる 』といわれ
腎気には、
身体を健全に大きくするためのエネルギー、
子孫を繋ぐためのエネルギーが、
含み納められていると考えられていました。
また、
『 腎は骨をつかさどり、
髄を生じ、脳に通じる 』とは、
今なら、腎臓の機能低下によって
カルシウムやリンの代謝が乱れ、
骨の健康が損なわれることを
言っているようでも有ります。
それ以外にも
『 腎は耳と二陰に開竅(かいきゅう)し、
その華は髪にある 』や
『 腎は水液をつかさどる 』等
格言 や 諺(ことわざ)にも残っています。
💡人の命は『 先天の気 』と『 後天の気 』の総和
『 先天の気 』を増やす事は出来ませんが、
減らす事を抑制する事は出来るはずです。
・冷えを寄せ付けない。
古来より腎は『 冬 』の『 寒さ 』に
他大な影響をうけるとされます。
現代でも、腎機能に冷えが大きく関わることは
誰もが知ることです。
お勧めは、踝( くるぶし )が隠れるような靴下。
足裏から始まる気の流れるは、
踝( くるぶし )に沢山 存在しています。
床暖房の暖かさは、
足の裏の『 湧泉 』から逃げる気を
防ぐことができます。
年齢を重ねれば重ねるほど、
床や壁からの冷気には、
気をつける必要があるように思います。
💡貝原 益軒
江戸時代の学者、
貝原益軒が著した『 養生訓 』という書物に、
『 接して漏らさず 』こそ
最良の養生法だと説かれています。
色気は最良の活力剤。
性的欲求は、人のホルモンを活発にし、
『 腎気 』を漲(みなぎ)らせます。
しかしながら 射精にまで至ってしまうと、
せっかくの『 腎気 』を台無しにしまいます。
ゆえに養生の立場に立って言うならば、
『 婦人に接するは良いが、射精に至るな 』と
言う行いこそ、究極の養生法といわれています
💡まとめ
なんとなく書き連ねてしまいましたが、
ようは、身体を冷やさない。
塩分をひかえる。
リラックスしたおだやかな心持ちを心掛ける。
じゅうぶんな睡眠を心掛ける等を意識すると、
腎気がたもたれ、
腎気不足を原因とする、腰痛や 頭痛などの
不定愁訴が、
改善するかも知れませんと言うことです。