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金属って あんがい柔らかい

金属は固いという固定概念が有りますが、

実際の製造業では、金属は『 柔らかい 』と

思われている事の方が多いのではないか。

そんな話しを ちょっと書いてみました。


💡樹脂 成型

私達の日常には、
まったく同じ形をした物で満たされています。

それらの多くは 金型 を使った
   樹脂成型により製造されているのです。

金型を用いた樹脂成形は、
      大量生産に適した生産方式です。

そのため、自動車の内装 や 家電製品、
  日用品など様々な製品が作られています。

がしかし、この 金型 は、
     かなりデリケートな存在なのです。

💡銅版画

小学校や中学校の美術の時間に
『 エッチング 』という技法を体験された方も
           おられると思います。

日本語にすると『 銅版画 』は、

銅の板に、金属のペンで傷をつけ、
その傷に刷られたインクを、
          紙に転写する技術です。

このように、金属を傷つける事で、
簡単に絵まで描けちゃうという金属は、
         やっぱり柔らかいのです。

💡精度

樹脂の成形では、綺麗な良品を成形するため、
射出成形機や金型に対して、
 さまざまな条件設定を行う必要があります。

材料となる樹脂にも、
ポリプロピレンやポリカーボネート等、
       さまざまな種類が存在します。

また、樹脂によっても特性が異なるため
「射出成形機の温度」や「金型の温度」
   「射出する速度」などの
       細かな条件設定が必要となり、

その条件によって、
成形品の外観が影響するだけでなく、
その製品の機械特性にも影響を及ぼすために、
生産者の技術や品質の管理が重要となります。

💡すり減る金属?

樹脂成型に使用する金型は、
使用する樹脂の特性によっても影響されます。

例えば、強度を増すために混合される
ガラス繊維等によっても
         摩耗されてしまいますし、

ガラス繊維などを入れていないモノでも、

靴底が自然に減るように、
金型も
使用頻度が重なると 摩耗してしまうのです。

そして摩耗の状態が
 許容される範囲を超えてしまった場合には、

・金型がきちんと作動しなかったり、

・金型が破損したり、

・成形品の形状が変形したりする
       不具合が発生してしまいます。

それにより、せっかくの製品が
       不良品と成ってしまうのです。

一昔前なら
樹脂を原料とする製品には、
          合わせ目のような所に、
線状にデコボコした バリ という物が
           見受けられましたが、
現在、
そのような バリ が残された製品は皆無です。

これも ひとえに
     金型の精度の向上のお陰なのです。

いっけん強固に思える金型が、

本当は、とても繊細な物だということ

そして、それを支えている
 日本の製造業の技術 を知ってもらえると
               嬉しいです。

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