うまれる前から
ふるい青春ドラマみたいに、ケンカをして
今まで以上に、関係が深まったなんてこと
ありますかぁ?
💡河端くん
河端くんは、僕より10歳も歳下の友人だ。
ちょうど離婚をする、しない等と
心身ともにボロボロの時に出会った。
当時の彼は、遅刻魔で、
自己肯定感なども
気にしたことも無かったらしい。
でも、僕から見たら
『 この子は絶対に成長する 』という
確信がもてた。患者さんとの会話も
いい加減そうには見えるんだけど
必ず、患者さんに手を添えているのだ。
コレってポイントで、
意外と、これが出来ている医療人は少ない。
ある時、彼から
『 なにか良い本は有りませんか 』と聞かれ、
一緒にいって選んだ方がはやいと
書店に行った。
彼には、それが衝撃だったらしい。
それから、ずっと慕ってくれている。
私が開業した時に、
スタッフとして入ってもらった時期もある。
その時に、
互いに口論となった時が1度だけある。
だが不思議なことに、
僕は、この男が好きなのだ。
口論しようが『 あぁ、そうか 』
『 コイツに、
そんな事を思わせてしまったのか 』と
相手を思いやれるのだ。
こんな経験は、初めてだった。
今、彼には奥さんと3人の子供もいる。
1年に1度も会えない時もあるが、
あたたかな気持ちで、
いつも懐( ふところ )をかす準備は出来ている
💡マーはん
彼は、僕の患者だった。
どういう訳か、
とても強い繋がりが結ばれていた。
はたから見れば、
恵まれた環境に育ったように見えるが、
彼は、ずっと求め続けて生きてきていた。
誠実に生きれば、
必ず見えるであろう光を信じて。
彼の心の美しさに
息苦しくなる事も多かったが、
二人の縁は、どんどんと結ばれていった。
彼の望みで、
仕事を手伝わせて貰うように成った。
とは言え、
僕自身は 本当に役立っているのか不安で…。
そのうち、
寝食を共にするような日もうまれた時、
気を使いすぎたのか、僕が壊れた。
彼を支えたい気持ちと
自分を守らなければならないという事は、
相反する事だった。
僕は、完全に壊れた。
驚いた彼は、謝罪してくれたが、
僕には、もう出口はなかった。
そんな中、彼が
『 aiwadouさんは、悪くない 』と
うなされたように、かすかな声で
自身に言い聞かせるように、
誰かに説明するかのように連呼し続けた。
なんとも変な感じだ。
それでも、それに たまらなく救われた。
誰にだって、押さえられない気持ちが有る。
善人100% なんて人間は居ないのだ。
その事を自らに言い聞かせているように見え
僕は、傷つきながらも
相手を責める気には成れなかった。
適切な言葉を見つけることは出来ないが、
僕に、何かしらの楔(くさび)が植えつけられた
瞬間だったことは間違いない。
💡運命
僕は、この2人以外に、いさかいの後
信頼が増した人間など居ない。
たとえ血縁だったとしても。