におい硝子を知っていますか
あなたは、匂いガラスを知っていますか?
💡 匂いガラス
海岸線に、どこから打ちあげられたのか、
一片のシーグラスを見つけたことって
誰にでも有りますよね。
波に洗われて、まるみを帯びたシーグラス。
匂いガラスも、
どこかしらに何故か落ちていた時代の破片。
松本零士が「ザ・コクピット」という作品で
取り上げていたり、
1987年に芥川賞をとった 村田喜代子 が、
「街物語」という作品中に、
「匂いガラス」を登場させています。
「 ねえ。あれ、まだ持ってる?」
智子がくすっと笑って聞いた。
「 あれって?」
「 学校の帰りに拾った、あれよ 」
「 宝物にしようと三人で約束したじゃない 」
💡コックピット
匂いガラスは、
第二次世界大戦中の戦闘機の風防の破片だと
言われています。
自身をかえりみず、御国をまもった
飛行機乗り達の欠片( かけら )。
当時の戦闘機のコックピットは、
工業化が実現されたばかりの
アクリル樹脂だと言われています。
日本での、アクリル樹脂が工業化が1938年、
第二次世界大戦の勃発が、
1939年ということは、
戦闘機の風防が、
どれほど貴重なものだったかが伺えます。
💡有機ガラス
またアクリル樹脂を『 有機ガラス 』と
呼んでいた時代でもあります。
ガラスを上回る透明性と
高い耐久性・耐候性を持った特性は、
有機化合物で作られたガラスということで、
そう呼ばれたようです。
💡アクリル樹脂
アクリル樹脂は、
1901年にドイツのオットー・ロームによって
開発されました。
日本でアクリル樹脂の生産が本格化したのは
1950年代
その背景には、
朝鮮戦争があったと言われています。
💡匂いガラスのルーツ
匂いガラスの物語を書いた
・松本零士は、1938年生まれ。
・村田喜代子は、1945年。
・唐十郎、1940年。
・松山巌、1945年。
今から80年も前の話しとなってしまいます。
時の流れの中、
現在のアクリル樹脂に香りは有りませんが、
2020年に、世界を席巻したコロナ感染時に、
我々を守るための遮蔽( しゃへい )に、アクリル板が使われた事は、
記憶に新しいと思います。
2024年の年の瀬、推し活のアクスタへと
アクリル樹脂の活用は、
未来の創造につながっている。
80年前の子供達の宝物だった匂いガラスが。