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【ショートストーリー】      「授業中のお暇日記」


このお話は完全なフィクションとなります。
ふと思いついたものを書いた短いお話です。

10:00 AM
今日も、暇だ。
なで肩が特徴の元ヤン国語教師は今時珍しい竹刀を持ち歩きながら必死に黒板に古文を書いていた。説明をしながら書けばいいのに、同時に二つのことをするが苦手らしく、先生が黒板に何かを書くときは本当に静かになる。
生徒はその間に爆睡をする。隣の席の野球部エースも、窓際の帰宅部だってみんな伏せている。他でもない私も今、瞼を必死に重力から逆らおうと戦っている。

1:00 PM
昼休み。急に騒がしくなる。弁当を食べ始める人、食堂に日替わりカレーを食べに行く人、うわさ話に花を咲かせる人、早弁して部活の自主練に行く人。
私はというとノートにひたすら渦巻きを書いている。
今日も暇だ。

2:30 PM
5限は数学。そして自習。いつもは伊達メガネをした背の高いモデル体型のイケメン数学教師が華麗に数式を教えてくれるのだが、体調を崩し一週間ほど休むらしい。
推しがいない数学の授業など呪文をひたすら唱える拷問のようでしかないので皆問題集を解くその手は進まない。
今日も暇だ。

4:00 PM
授業が終わると一斉にクラスの面々が散り散りになる。部活へ行ったり恋人を迎えに行ったり。私は隣のクラスの幼馴染とダッシュでバス停へ向かう。急いでいる理由は特にない。
バスへ乗ると、大抵今日はどこのファミレスに行くかを話し合う。大事な話をしたいわけではないが、ドリンクバーとつまむものがあると何かと弾むのだ。

総じて今日も暇だ。
そして明日もきっと暇だ。

そう思っている時間が大好きだ。

END


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