天気の子の話
先日新海誠監督作品、「天気の子」を観に行った。グラフィック、出会い、表裏という3つの感想を共有する。
まずはグラフィックについて。前作の「君の名は」に続き、今作もリアルさを追求した圧倒的な美しさ、細やかさであった。特に雨から晴れに変わる際の光の表現には鳥肌が立つほど美しかった。また水たまりに反射する光、歩いたり走ったりする際の細かな水しぶきなど…。書き出すとキリがないほどに拘りを感じた。2019年8月現在、朝の連続テレビ小説で「なつぞら」が放送されていることもあり、戦後のアニメーションから現在のアニメーションに至るまでの変遷を考える人が多いだろう。雨という難しい表現を見事に鮮やかでリアルな作品に仕上げた技術には脱帽する。
次に出会いであるが、今作もまた常人では思いつかないような壮大なファンタジーで描かれている。離島から上京してきた主人公に次々と訪れる仕事や人の出会いに胸が打たれた。たとえ警察に捕まったとしても、世界が滅ぶことになったとしても、愛する人を救うために全てを犠牲にできるほど愛せる人に出会えることを切に願う。
最後は表裏である。私たち生物は食物連鎖から始まり、今でも大なり小なりさまざまな表裏の中で生きている。富裕層がいれば、明日の食べ物すらない貧困層がいて、イケメンがいればブサイクがいる、雨と晴れなど。作中で言うと、雨で悲しむ人がいれば喜ぶ人がいるということだ。少し現実的な話をすると、雨が降らなければ作物は育たず、湖は枯れてしまう。しかし多くの人は雨を嫌う。雨がなければ食べ物が無くなるかもしれないのにだ。つまり人間は自己中心的であるということだ。雨が必要だと理性でわかってはいても、思考を停止させ一時の感情で言葉を発してしまう。これは人同士にもよくあることだが、たとえば感情的になって離婚しよう、と言ったあとではもう遅い。これは極端だが、便利な世の中は思考を停止させる時代への突入とも言える。雨が嫌なら雨を好きになるようなサービスやエンタメを作ればいい。表裏は逆転の発想を可能にするのだ。
映画を見るだけでも多くの吸収することがある。仕事をする上で一つの情報からどれほど多くの情報をキャッチできるか、は大切だ。日常にアンテナを張り巡らすことで、アイデアなんてものは無数にできるのだ。
#天気の子 #Weathering with you #新海誠
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