不意打ち
マット運動で側転が怖くてできない、平均台(高いガチのやつ)の上で怖すぎて足が震える、ソフトボールで空振り連発、体育の成績なんて思い出したくもない、と、ドンくさエピソードには事欠かない私ですが、
実は、
泳げます。(だれも興味ない)
まあ、小学生の頃、スイミングスクールに通っていたからってだけなんだけど、やっぱ通っていただけあって、他の種目は人並み以下な中、水泳だけはそれなりにできた。
そんなもんだから私を見ていた母も「自分もいけるか?」と思ったのか、大人のスイミングスクールに通い始め、兄妹の中で水泳を習っていたのは私だけっていうものあって、たまに、母と2人で市営プールとかに行って泳いだりしていた。
まあなんやかんや泳いでたんだろうけど、すっごく記憶に残っているのは、プール後に食べるご飯。
泳いだ後ってめっちゃお腹が空くから、プール施設のフードコートにある、なんでもない、冷凍を温めて出しました、みたいなピザとかが、すっごくおいしかった記憶がある。(海の家のラーメン的な?)
その延長だったかなんだか忘れたけど、ある時、ガチの25mプールじゃなくて、なんか、リゾート施設みたいな、プールもスパもアトラクション施設みたくなってて楽しめるところ(?で伝わるか?)に母と2人で出かけたことがあった。
広いプールで浮き輪で遊んだり、ウォータースライダーとかがあったりして、たぶん小学校低学年くらいだったからすっごく楽しかったんだけど、記憶にあるのはやはり、泳いだ後のご飯なのだ。
その施設にはプールサイドで水着のまま食べられるフードコートみたいなところがあって、確かロッテリアが入っていた。
何をして遊んだのかとかはぜんっぜん覚えてないけど、母と2人で食べたハンバーガーとポテトがめちゃくちゃおいしかったって記憶だけはある。
うちは昔からファーストフードより手作り!みたいな家で、ピザも母が生地から焼いてくれて宅配なんて頼んだことなかったし、マックもケンタもあんまり買ってくれない家だったから、余計にうれしいってのもあったのかもしれない。(モスは健康志向っぽいからハードル低かった)
だって、小学校高学年くらいになって、お小遣いで友達と遊べるようになって行って食べたロッテリアのハンバーガーは、感動するほどでもない、普通のハンバーガーだった。(おいしかったけどさ)
なんか、でも、その、母と2人でプールに行って、ちょっとジャンクな物を食べるって、子ども心にすっごく特別に感じていたのだ。
兄にも姉にも邪魔されずに母を独り占めできる。
いつもなら買ってもらえないファーストフードを食べられる。
たぶん私にとって、「特別なお出かけ」だったんだ。
で、なんでこんなこと思い出したかと言うと、すっごく久々に泳ぎたい!となって、Googleマップでプール施設を調べていたら、ふと、その施設も表示されて、もう、当時と名前も違うし、ロッテリアもなくなっちゃってるんだけど、ぶわーって、当時のことが蘇った。
そして、あー、もう、母と2人で行くことはないんだなーとか思って、涙が出てきた。
…いやいや、今、母が生きてたって行くはずないんだよ。
完全にファミリー向け施設で、70代女性と30代女性が連れ立って行くようなところじゃないの。笑
だから、何を感傷に浸ってるんだって話なんだけど。
大人になっても「泳ぎたいなー」って思えるのは、母がスイミングスクールに行かせてくれたからなんだよな。
母はもういないけど、残してくれたものはちゃんと自分の中にあるもんなんだな。
とか思ったら、やっぱりまだ涙腺決壊して、浸ってしまうのだ。(不意打ちの思い出し悲哀)(付き合わせてごめんよ)