「大塚国際美術館」は贅沢すぎる空間だった
瀬戸内海ひとり旅の記録
(6日目 大塚国際美術館 編)
引き続き、旅の思い出を綴ります✍️
今回の旅の大きな目的の1つである、
大塚国際美術館へ!念願の場所へ!
大塚国際美術館とは
大塚国際美術館は、世界の美術を体感できる「陶板名画美術館」で、古代から現代までの西洋美術史を代表する名画が展示されている。陶板名画とは、陶器の大きな板に、原画に忠実な色彩と大きさで作品を再現したもの。原寸大で再現されているので、「この絵ってこんなに大きかったんだ~!」、逆に「思ったより小さいなあ」なんて、実際に本物を観ているような臨場感を味わうことができる。
めちゃくちゃ広いことは知っていたが、なんと鑑賞ルートは全長約4㎞!!地下3階から地上2階までの5つのフロアが展示スペースとなっている。こりゃあ、1日で見尽くせるわけがない!!!しかも、見ごたえのある世界の名画ばかり。教科書に載っているような、誰しもが知っている名画が原寸大の迫力で味わえる、とても贅沢な空間でした。
わたしの印象に残った展示をご紹介!
もう、なんといっても広すぎ&1日ではとても回り切れる規模ではなかったので、初訪問かつ、詳しくはないが美術館好き・印象派がとくに好きであるわたしの目線(完全なる主観)で、いくつか作品を紹介したいと思います。
システィーナ・ホール/ミケランジェロ
わたしは、紅白歌合戦で米津玄師さんがこのホールで「Lemon」を歌っているのを見て、大塚国際美術館を知った。そこから、いつか訪れてみたい場所の1つになっていた。
スクロヴェーニ礼拝堂壁画/ジョット
青色で満ちた美しい空間。聖母マリアの青色らしい。この空間がすごく好きで、滞在中に繰り返し見た。
モネの「大睡蓮」/環境展示
「作品を自然光の下でみてほしい」というモネの願いを叶え、なんと屋外に展示してある。
ちょうど読んでいた「ジヴェルニーの食卓」で晩年のモネが白内障を患いながらも、睡蓮装飾画を制作していく経緯が描かれている。パリのオランジュリー美術館は、モネの睡蓮のために作られた自然光の差し込む空間でこの「大睡蓮」を360度鑑賞できるらしい。直島の地中美術館も自然光の降り注ぐ空間だった。そんなモネの思いを、陶板名画だからこそ屋外で展示することで叶えられたのがこれ。本物の絵画じゃできない展示方法で、降り注ぐ光に照らされている作品を見るとモネも喜んでいるような気がした。
印象、日の出/クロード・モネ
「印象派」の名前の由来となった作品。ずっと見てみたいと思っていたから陶板とはいえ、嬉しかった!本やネットで見るよりも色鮮やかだった。なんともいえない朝焼けのグラデーション。一瞬の移ろい、色彩の変化の美しさが切りとられている。
接吻/クリムト
まだ一度も本物のクリムト作品とは出会ったことがない。黄金をちりばめた、ゴージャスな作品たち。いつかこの目で黄金の輝きを目にしたい。
7つのヒマワリ/フィンセント・ファン・ゴッホ
世界に点在しているゴッホの「ヒマワリ」と一度に会える空間。贅沢すぎる!しかも今回知ったのが、終戦直前の空襲で焼失した「幻のヒマワリ」の存在。残っていてほしかった・・・と思う反面、こうやって再現されて蘇っていることがすごいなあと。どのヒマワリ達もエネルギーに満ち溢れていた。
その他のゴッホ作品も。
(別フロアにあるものも)
最後の晩餐/レオナルドダヴィンチ
修復前後の「最後の晩餐」が向かい合って展示されている。ガイドさんの説明によると、当時は卵を混ぜた絵の具を使って描いていた&食堂の壁画だったため、色々な人がその都度上から修正して描いていたり、腐食などダメージが大きかったようで。復元されると全然印象の違う絵だったことが分かったそうだ。
見比べてみると、修復前後で画面の明るさも全然違うし、足まで描かれていたことが分かる。表情もどこか柔らかく見えて、「最後の晩餐」の印象が変わった!わたしは修復前のイメージが強かったのだと思う。
背景を知るとおもしろ~い!
星月夜/エドヴァルト・ムンク
ムンクは「叫び」しか印象になかったから、他にも独特なワールドでいろいろな絵があることを知れて、面白かった。なんとも言えない表情だったり、色使い・筆遣いだったり。
フェルメールギャラリー/ヤン・フェルメール
こちらもゴッホのヒマワリのように、世界各地に点在するフェルメール作品が集まっている贅沢空間。壁紙も素敵。
ここで、初めてちゃんと本物を観たことある(記憶にある)絵と出会い、「あ~やっぱり本物だからこその色彩の鮮やかさ、光の感じ」は陶板にしたら多少は薄れてしまうよな~と、当たり前なのですが実感。
特に「牛乳を注ぐ女」は2016年3月にオランダのアムステルダム国立美術館で見て、2018年12月に上野のフェルメール展で見て、その時の印象がとても強く残っているからこそ、「このミルクの一滴はもっっと光っていたよなあ」なんて過去の記憶と照らし合わせながら作品と対峙しました。陶板名画でもこれだけ感動するのだから、今回出会った作品たちを本物で見たら、さらにたくさんの感動や気づきがあり、エネルギーを受けるのだろうなと感じた。とはいえ、これだけの名画、すべてと出会うことは一生かけても無理だと思うので、本当に貴重で贅沢過ぎると思った。子どもの頃に行っていたら、西洋美術への関心はもっと早くから高まっていたと思う。
わたし流の大塚国際美術館の楽しみ方
今回この振り返り旅行記を書いてみて感じた。2つのパターンに分けられると思う。1つ目は、「これ知ってる!」という作品や画家と出会う楽しさ。そもそも美術に対する興味関心のきっかけは、大学4年生の時の教員採用試験に向けた対策で、有名どころの画家と代表作を丸暗記したこと(笑)カタカナの人名や地名が全く頭に入らないからという理由で、高校時代も世界史ではなく日本史専攻を選んだくらいに私は、世界史に疎かったし苦手意識をもっていた。(今なら絶対世界史を勉強したい・・・)だから、試験勉強中も無理やり画家と作品を頭に叩き込んだだけだったけれど、あそこで少し教養が身に付いたのが原点だと思う。ちなみに、一番丸暗記しにくかったのは・・・
こちら
当時、ひたすら丸暗記した作品ともたくさん出会えた(笑)
2つ目は、全然知らなかった画家や作品を知るきっかけになる、という楽しさ。こちらは、あまり美術に詳しくないからこそなのですが💦正直、知らない画家や見たことない絵もたくさんあったのだけれど、さすが名画ばかりが集められていることもあり、知らない作品も魅力的なものが多くて。とりあえず、気になったのを写真で撮って後で調べたり、「あ~これ大塚国際美術館で見た!」と後で、「世界の名画ベスト100」みたいな本をめくると出てきたりして。確実に私の西洋絵画に対する興味関心の扉は広がったと思う。
美術を嗜むうえでの良いきっかけになる
このままでは、永遠とレポートが続きそうなので、この辺で終わりたいと思いますが。とにかく、1日じゃ足りない!贅沢空間!西洋美術に関する見識が広がる!展示方法もいろいろな工夫があって勉強になる!充実感200%の美術館でした。もっといたい・・・名残惜しい・・・・また来る・・・・と後ろ髪ひかれる思いで、閉館時間となり大塚国際美術館を後にしたのでした。
旅行から帰ってきてから・・・
地元図書館でアートに関する本を借りてきて、余韻に浸りながら、勉強?!とまではいかないけれど、復習をするのが最近楽しいです。
やっぱり宗教画とかも、もう少し知識を得たうえで楽しめるようになりたいなと思ったり。神話の知識とか、キリストや聖母マリア、受胎告知、バベルの塔、ノアの方舟などなど・・・・。ぼんやりと知りたいな~くらいだった気持ちが今回でもっと高まりました。授業中の雑談で少し語れるくらいに、勉強してみたい。
そのほか(建物など)
以上、最後の方は飽和状態になりました(美術館を巡っていても、noteを書いていても笑)(真剣に絵を鑑賞するのって体力いりますよね、ずっと立ちっぱなしだし)
というわけで、最後までお読みいただきありがとうございました!!東北の地からはなかなか行けませんが、近くにあったら何度も何度も足を運んでしまうだろうなと思います。
旅の記録 徳島「大塚国際美術館」編
おしまい。
瀬戸内海ひとり旅の記録 つづく。
(次回は「徳島観光 編」)