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アートの島「直島」で心をたっっぷり働かせる

瀬戸内海ひとり旅の記録
(1、2日目・直島 編)

引き続き、旅の思い出を綴ります✍️
いよいよ、憧れの「直島」へ。

※今回めちゃくちゃ長いです…!「直島」でのいろんな出会いを振り返っていたらすごい長さになってしまいました…!お時間がある時にゆっくり読んでいただけたら嬉しいです♪

現代アートの島として知られている
瀬戸内海の島々。3年に1度、
瀬戸内芸術祭が行われる。(次回は2025年!)

公式サイトより


直島・豊島・犬島を舞台に、ベネッセホールディングスと公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称が「ベネッセアートサイト直島

わたしが目指す、目的地はその中のひとつである地中美術館。「モネの絵」の前へ。

赤かぼちゃとご対面

宮浦港へ着くと草間彌生さんの
南瓜がお出迎えをしてくれた

青空に映える赤!
圧倒的な存在感!
中に入ることもできる

ここでひとつ、昔の思い出を。
7年前の2017年5月、国立新美術館で行われた 草間彌生「わが永遠の魂」へ行った。同じく行われていた「ミュシャ展」のついでに、という気持ちが大きかったが、この時に、草間彌生さんの作品に心を鷲掴みされた記憶がある。あ〜、7年前から繋がっている〜!と、今回直島を調べているうちに、なんだか嬉しくなってカメラロールを振り返った🎃

2017年に出会ったオレンジ南瓜
このとき初めて草間彌生作品を間近で見た。「作品が放つエネルギーに圧倒され、鳥肌が立った」と当時の日記に書いてあった。
この展覧会で購入したマスコットキーホルダー「弥生ちゃん」の存在を思い出し、今回のひとり旅のお供として持っていくことに。
そのマスコットがこちら。
青い空、赤い南瓜、そして彌生ちゃん
なんとも素敵なコントラスト。

わたしはここから幾度となく草間彌生マスコット「彌生ちゃん」を出して、旅の記録を残していくことに。(番外編で記事にしたい笑)

宮浦港からバスに乗り、つつじ荘へ

地中美術館へ行くためのベネッセアートサイトの無料バスを待つまで、「つつじ荘」周辺の海岸を散策。

とても低い鳥居を発見
砂が堆積してこの高さになったらしい。
石を積み上げると、願いが叶うらしい!
(後で調べて知った)
さらに歩いていくと・・・
黄色の南瓜を発見!
草間彌生「南瓜」2022年
赤に引き続き、青空と黄色のコントラストも美しい〜!
2021年の台風9号の時に海に流され、復元されたと知って感慨深い気持ちに。
ベネッセハウスミュージアムの屋外作品と出会う
ニキ・ド・サンファール「猫」1991年
後ろ姿だけど、海を眺めているようで素敵。
よく見ると左奥には、黄色の南瓜も見える
カレル・アペル「かえると猫」1990年
パリッと映えるビビッドカラー!
ニキ・ド・サンファール「腰掛」1989年
ベンチに一緒に腰掛けてみた

さて、バスに乗って、いよいよ

地中美術館へ

地中美術館は事前予約が必須!指定時間になり、モネの庭を模した睡蓮の池の脇を通り美術館へ。

地中美術館の入り口
無機質なコンクリートの建物
光に向かって歩いて行く
建物内、撮影できるのはここまで。
この先に、どんな出会いがあるのかドキドキしながら進んでいった。

地中美術館は「自然と人間との関係を考える場所」として、2004年に設立されました。瀬戸内の美しい景観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設され、館内には、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されています。地下でありながら自然光が降り注ぎ、一日を通して、また四季を通して作品や空間の表情が刻々と変わります。

https://benesse-artsite.jp/art/chichu.html

名前の通りほぼ地面に埋まっている。
美しい瀬戸内の景観を守りつつ、自然と共存して建てられている美術館。

まずは何よりも、「クロード・モネ室」へ。
地下2階の薄暗い空間。スリッパに履き替えていざ、「睡蓮」の前へ。正面、右左、入り口を見て右左、合わせて5枚の睡蓮たちが出迎えてくれた。

全体に白を基調とした空間。自然光で見られる作品たち。5つとも全然異なる「睡蓮」の情景が描かれていて、足を踏み入れた瞬間「わ~✨」と思わず声が漏れる。モネの睡蓮の作品に身体すべてが包まれるようなそんな気分に。近づいたり、離れたり5枚の絵をそれぞれ心ゆくまで堪能した。

 ぽかんと大きな空間。床は小さな白い石のモザイクが埋め込んであり、壁も天井も白。けれど、まぶしい白ではなく、白鳥の羽のようなやわらかな光に包まれた白だ。
 展示室は天上の光に満たされ、その中に<睡蓮>の絵が浮かび上がっている。私は、言葉をなくして、ゆっくりと、強く、静かに―絵の近くへと引き寄せられた。

原田マハ「<あの絵>のまえで」さざなみ より

原田マハさんの表現に感服。何度も読んだ小説の一節が目の前に広がり、感激。絵はもちろんのこと、空間全体の不思議なパワーに身を委ね、時間を忘れて作品を鑑賞することができた。

その後、ウォルター・デ・マリアとジェームズ・タレルの作品もひと通り鑑賞し、地中カフェへ。

モネのお気にいりごはん&瀬戸内レモネード
遅めの昼食をとる
カフェテラスに出ると見られる
美しい瀬戸内の景色。
心ゆくまで絶景を楽しんだ

11:30~14:30まで滞在時間3時間。

昼食の後も、モネの部屋をはじめ繰り返し足を運んだ。時を忘れる空間だった。最後は名残惜しく、再訪を誓って美術館を後にした。

地中美術館は「自然の光」を大切にしている作品が多く、訪れた時間や季節によっても作品の見え方が大きく変わるのだろう。「光」そのものが「アート」であるという感覚を初めて体験した。

この小説が、私を直島まで連れてきてくれた。
念願の地中美術館へ行けて旅のミッションを1つクリア。

ベネッセハウスミュージアムへ

地中美術館からバスに乗り、ベネッセハウスへ。約45分間で、さらっと。
もっとゆっくり見たかった〜!
ブルース・ナウマン「100生きて死ね」1984年
〜生きろ!〜死ね!ネオンが光り、直接的なメッセージが胸にとびこんでくる
これまた建物がおしゃれ。
宿泊できるミュージアム。
次回は絶対に宿泊したい!!!と思った。
日中と夜、どちらも堪能できるなんて贅沢すぎる…✨✨
安田侃「天秘」1996年
この石に寝っ転がって
上を見ると、空。石はひんやりつやッとしていて、寝っ転がると気持ちよかった。

"石そのものを見せるのではなく、その上の空間を感じさせ、天とつながるものにする"というコンセプト。

いろんな作品の形があるんだな〜。

名残惜しかったが
こちらも再訪を誓い、バスに乗り、

宮浦港へ戻る

直島パビリオン
中に入れるアートオブジェ
近くにあったマンホール!
ヤドン!うどん!可愛い!
日が落ちてくると
また違った雰囲気になる南瓜
日の入り方も変わる
青空の時より少し寂し気
自然に溶け込んでいるアートって
その時々で全然違う感じ方になるんだなあ。

直島銭湯「I♥湯」

バスの時間まで〜!と、ふらっと立ち寄った銭湯が予想以上に、とっても面白くて、大のお気に入りに。外観から大インパクトで、これが銭湯!?中はどうなっているの?!と興味津々。

これが銭湯なの~?!
上を見上げると「ゆ」の文字
「ゆ」

中に入ることができるのは、入浴する場合のみとのこと。好奇心に従い、入湯料660円を払って入ることにした。

「入浴しながらアートを楽しむ」というのは、もちろん初めての経験。上には大きな象がいたり、タイルやボタン、浴槽、音楽などなど、とにかくいろいろなものがコラージュされている。カラフルかつ不思議な、とてもワクワクする空間。そんな中で汗を流し、身体全体でアートを楽しんだ。

浴槽はじめ銭湯の中が気になる方は、
ぜひサイトを♨️

ちょうど風呂を一緒に出たおばちゃんに話しかけられ、着替えをしながら雑談。その方は姫路から青春18切符で来て、日帰りで帰るとのこと。登山談義でも盛り上がり、「ぜひ東北の山にも登りに来てください!」なんて、おすすめの山を紹介した。

こういう「何気ない出会い」が、ひとり旅は嬉しい。おばちゃんと仲良くなったことも含めて、「迷ったけれど外観で満足せずに、入浴してよかった~!」と大満足。やっぱり気になったら、飛び込まないと!と、好奇心の赴くまま行動した自分にナイス!と思ったのでした。

バスの時間が微妙だったので、銭湯で汗を流したものの、再び汗をかき(笑)

30分歩いて宿泊先へ

途中で気になったのがこの建物!幼・小・中が隣接の校舎らしい。建物もなんだか現代的!職業柄、全校生何人かな~と調べてみた。直島小は全校生110人だそう。島の小学校の先生か~憧れるな~✨なんて思いながら、目的地を目指す。
敷地内に象がいて思わずパシャリ。
これも何かのアート作品なのかなあと。
身近に溶け込んでいる感じがいいなあ。
本村地区に着くと、
道端にこんなメッセージがあったり
昔ながらの街並み×アートが見られる。
ここもカフェか何かかな?おもしろーい!

楽しみながら歩いていたら、無事到着!

ゲストハウス「路地と灯り」

今回お世話になったのは、「家プロジェクト」が展開されている本村エリアにあるゲストハウス「路地と灯り」

とても素敵な居心地のいい古民家。
はじめてのゲストハウス&ドミトリー部屋は自分以外の3人がみなさん外国人観光客で、少しドキドキしたけれど、簡単な挨拶やアイコンタクトを交わしただけでも伝わってくる、感じのいい素敵な女性達だった。おかげで、リラックスして過ごせた。(あ〜!英語話せるようになりたい!仲良くなりたい!と切実に思った)

カフェ「中奥」

夜ご飯はゲストハウスのオーナーさんがやっているカフェへ。カウンター席で、ゆっくり美味しい食事とお酒をいただき、次の日の計画の相談にも乗っていただき、とても良い夕食だった。

小豆島のクラフトビールと
瀬戸内産真ダコの香りスパイスソテー
ふわトロオムライスの自家製トマトソース
とっっても美味しくて
ペロリと平らげた
直島産の完全天日塩
SOLA SHIOを使った
ソラシオティードッグ

ほろ酔い気分で宿に戻り、前日、寝台列車での寝不足を取り戻すように、夜は、ぐっっすり。

翌朝(2日目):古い民家が残っている本村地区を散歩

旅の朝は、基本早起き。
散歩に出て、海や街並みを楽しんだり、外のベンチに座って読書をしたりして優雅な朝を過ごすことができた。

朝日〜!
穏やかな港
バスも水玉!
これは中が駐輪場になっている
直島港ターミナル
壁に装飾
こんな狭い路地を歩いたり、
地元のおじさんやおばさんと
挨拶を交わしたり、
ゲストハウスの隣の
Hifumiyo Coffeeで朝コーヒーを
いただいたり
お姉さんが淹れてくれた
「フラットホワイト」
とっっっても美味しかった

早起きすると1日が長く感じられるし、その土地土地でしか味わえない「朝の時間」を存分に楽しめるから好き。

家プロジェクト

11時すぎの豊島行きのフェリー時間まで、「家プロジェクト」を鑑賞。

点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化しています。地域に点在する作品は、現在も生活が営まれている本村を散策しながら鑑賞することになります。その過程では、場所の持つ時間の重なりやそこに暮らす人々の営みを感じることでしょう。

https://benesse-artsite.jp/art/arthouse.htm
1つ目:南寺
15分間の貴重すぎる経験。
暗闇の中、目を開いても閉じても真っ暗。宇宙に放り出されたような感覚。
そして徐々に感じる光。入る前にスマホやスマートウォッチは主電源から切ることになる。「光自体がアートです」と事前に説明された意味がわかった。言葉ではうまく表現できないおっっもしろい体験だった。
2つ目:角屋
点滅する数字たち
3つ目:護王神社
ガラスの階段!石室は、安全確保のため入れず、外から見るのみ。残念!
4つ目:碁会所
椿の花は、本物のようで実は彫刻

昨晩マスターに、「3つ以上回れるなら、共通チケットを買った方がいいよ」というアドバイスをもらったので、それに従った。結果、4箇所回ることができた。
家プロジェクトを巡りながら
本村地区を散策
家プロジェクト以外の普通の民家も
アートの一部に見えてくる
庭の置物とか
住民の人たちも楽しんでる!?!
素敵な暖簾もたくさんあった
かわいい
たぬきさん、見っけ


家プロジェクト、暮らしとアートが融合していて、こちらも見応えたっぷり。空き家を利用した作品づくり。活気づく地域。古い景観が守られるという面や地域活性化、地域の魅力再発見・創出という面でも、アートプロジェクトって奥深いなあと思った。

直島で感じたこと

「ベネッセアートサイト直島」のテーマとして、直島に来てから
何かと目にする問いかけ。「よりよく生きる」とは何か。

わたしの中で何か答えが出たわけじゃないけれど、確実に考えるきっかけをもらった。

なによりも、「アート」と「自然」の力ってやっぱり偉大!

自然の中にあることにより、天気や季節、時間帯などその時々で見え方や感じ方が違う。もちろんアート作品を見る時って、自分のコンディションによっても全然感じ方が違うだろう。だからこそおもしろい。

それって頭で考えての感じる面白さというより、心をたっぷり働かせて感じる面白さなんじゃないかなと。

アート鑑賞には正解がない。
心のままに楽しめる。考えるきっかけになる。「同じもの」を見ていても人それぞれ全く違うことを考えているかもしれない。

「よりよく生きるとは」の答えも1つじゃない。人それぞれ、「今」の自分が何を感じているのかを大切に鑑賞し、その答えを考えられるんじゃないかな。

さて、ひとり旅でも全然心細くなかった。それは、みんなこの直島を、アート作品を楽しむためにここにいる「仲間」みたいな感覚で。どこか同じ作品や空間をシェアしている仲間みたいな。そういう意味では、アートは人と人も繋ぐものなのかも。平日ということもあり、外国人観光客がたくさん。美しい!と感じる心やアートを楽しむ心は万国共通なんだなと感じた。

1日ちょっとでは、
全然回りきれなかった直島。

もともとは「地中美術館」へ行ければOK!と思っていたのだけど、モネの作品はもちろん、それ以外にもたくさんのたくさんの作品と自然と出会って、心がめっちゃくちゃ元気になった。心の彩度が高まったというか。上手く言えないけど、心がカラフル!ビタミン摂取!みたいな感じ。この先の人生で元気がなくなったら直島を思い出そう。直島にまた来よう、と心に決めた。

アートと自然と自分と対話をしながら島内を巡る。とっても豊かな時間を過ごせた。


もっと感じたい、もっと知りたい、楽しみたいという思いを持って、次は「豊島(てしま)」へ。

豊島は、「よりよく生きる」「よりよく死ぬ」という生と死について考えることがテーマらしい。さて、どんな出会いが待っているのか。

ワクワクしながら豊島行きのフェリーに乗り込んだのでした。

フェリー乗り場から空を見ていると…
あれ?虹!?
(「彩雲」というらしい)
天気も味方をしてくれているような。
2日目も良い1日になりそうな予感がした。

旅の記録 直島編 
おしまい。

瀬戸内ひとり旅の記録 
つづく。

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