”生きる”って、意外と簡単なはず。宇宙生命体が教えてくれること
生きていると、不安なことや心配なことがたくさん出てきます。
特に大人になると、こうでなければいけないという社会の常識の檻に閉じ込められ、物事の見え方が卑屈になったり漠然とした不安に襲われたり……。”生きる”ということがとても複雑なことのように感じてしまいます。
そんな時は、宇宙生命体”コジコジ”の言葉たちを読み解いていくのはどうでしょうか。
コジコジは、いつも純粋で自分の感じるままに生きています。
地球の常識なんて実はちっぽけな気がしてきて、きっとあなたの”生きる”が軽くなると思います。
さくらももこさんが生み出した名キャラクター「コジコジ」
今回おすすめする本は、『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』(文・絵 さくらももこ、ブルーシープ株式会社)です。
単行本の売上が累計3000万部を超える国民的コミック『ちびまる子ちゃん』でよく知られている、さくらももこさん。
そのさくらももこさんの漫画作品『コジコジ』から、主人公コジコジの名言を抜粋してまとめた本です。
問答形式で、私たちがよく感じる疑問や悩みにコジコジが答えてくれます。
この主人公のコジコジは、メルヘンの国に暮らす自由気ままな宇宙生命体。
可愛らしい見た目をしていますが、年齢も性別も不明です。
性格は「つかみどころがなく、別に良いことも悪いこともしない」という、少し不思議なキャラクター設定。
この、「良いことも悪いこともしない」という性格がこのキャラクターをとても面白くしています。
コジコジは自分が分からないことに疑問を感じ、周りの常識にとらわれず、自分の思っていることを軽々と口にします。もちろん相手の顔色を伺ったりもしません。
ただ、自分の感じるままに生きているだけです。
そんなコジコジの言葉たちはとても単純で、「そんな簡単なことだったんだ」という気持ちにさせてくれるのです。
コジコジの答えはいつもまっすぐ純粋
ここで、コジコジの答えたちを少しみていきましょう。
【問】思い通りになりません。
【コジコジの答え】「ほうほう 悩みはなんでしょう」
たしかに思い通りにいかない時、何に悩んでいるのか分からないことが多い気がします。悩んでもどうしようもないことだったり、そもそも悩んですらいないのに、悩んでいると自分で思い込んでいるのかもしれません。
コジコジはただ純粋に「それで悩みは何なの？」と思っただけかもしれませんが、その純粋さが気づかなかったことを教えてくれるのです。
【問】みんなが見ているのは表の顔で、本当のワタシはとても醜いです。
【コジコジの答え】「別にいつもと同じだと思うけど…」
本当の自分なんてあるのでしょうか？ただシンプルに生きているコジコジにはきっと理解ができなかったのだと思います。
でもこの単純な答えから、本当の自分とは自分自身が作り出してしまう偽物の自分なのかもしれないとさえ感じてしまいます。
【問】もう帰りたいです。
【コジコジの答え】「ああ そう さようなら」
コジコジは綺麗事を言いません。励ましもしません。ただ、自分が思うように生きているだけです。帰りたいなら帰ればいい。
そんな簡単なことが私たちはとても難しいですがコジコジにはまったく難しくありません。
「あれ、たしかにそうだな」と思うとなんだか笑ってしまいます。
【問】心の中をのぞかれて、平気な人なんている？
【コジコジの答え】「うん」(注4
コジコジは、心の中をのぞかれて平気なようです。
良くないとされていることは良くない。そう決めつけてしまいがちですが、実はそんなことないのかもしれません。
コジコジのように心の中を覗かれても平気な人もいれば、嫌な人もいる。それだけのことなのに、「心の中をのぞかれたらみんな嫌に決まってるじゃん」という決めつけをしてしまっていることに気づかされます。
こんな風にコジコジはどんな時もまっすぐ純粋です。
そのまっすぐさで、私たちが生きていく中で身につけてしまった常識という檻を壊していきます。
いつもまっすぐにシンプルな答えが、物事の本質をついてくるのです。
ただ、まっすぐ素直に”生きる”ということ
どうでしょうか、地球の常識なんて実はちっぽけな気がしてきませんか？
この「コジコジにきいてみた。」には、100の問いに対してのコジコジの答えが載っています。かわいいコジコジのイラストも入っています。
コジコジのシンプルな答えたちから自分なりの解釈をしていくのもとても楽しいと思います。あなたの悩みに対する、コジコジの答えも見つかるかもしれません。
コジコジの言葉を読んでいると、悩んでいることがバカらしくなります。”生きる”ということがいかに単純なものだったかを思い出させてくれます。
実は、年齢も性別もどこからきたのかすらも不明という設定のコジコジ。年齢や性別すらも不明にすることで、社会の常識に縛られることが不必要だという作者のメッセージが込められているのかもしれません。
ただ、まっすぐに素直に”生きる”ということ。
大人になり、たくさんのことを経験すればするほど難しくなっていきます。
でも、メルヘンの国で何も深く考えずに生きているコジコジは、とても楽しそうです。そしてとても愛されています。
忙しない日常で、ただ”生きる”ということを大事にできず、忘れてしまいがちな私たち。でも、”生きる”ということは意外と単純で簡単なことだと、宇宙生命体コジコジは教えてくれるのです。
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