#199 “打ち歩詰め” は禁じ手
「禁じ手」(きんじて)という言葉,最近はあまり耳にする機会が減った気がしますがいかがでしょうか?
”使ってはならないとされる手段・方法”
意味としては,”禁止事項”や”規則”などとほぼ同じだと思います.何となく”禁じて”と聞くと,少し仄々(ほのぼの)とした感じがします.たぶん,囲碁・将棋・トランプなど「遊び」に近い分野で使うことが多いからでは?と想像します.ただし,「金融政策における”禁じ手”」などと言うときには,シリアスな場面ですので決していつも仄々とした場面とは限りません.
”打ち歩詰め”?すると負け エッ!!
以前,藤井二冠の将棋の盤面解説を観ていたら,「ここには打ち歩詰めになりますから,打てません.」と解説のプロ棋士がお話しされていました.
(何それ? うちゅうづめ??)と耳を疑いました.恥ずかしながら,私将棋のルールをなんとなく知ったつもりでいたのですが,”打ち歩詰め”という言葉を知りませんでした.最後に歩を打つことで勝負が決まる事を言うようです.これをして勝負に勝つことができず負けになるというのが,将棋のルールだそうです.
”二歩は禁じ手”,というのは当然知っていましたが,”打ち歩”というのは知りませんでした.恥ずかしながら,たぶん私は今まで”打ち歩”というので勝ったことがありません.もしあったとしても,知らずに「勝ったぁーつ!」と無邪気に喜んでいたと思います.相手も知らないので,「くやぁしぃ―!」といっていたのでしょう、きっと.(今から遠い昔の小学生の頃の話です.)もし今まで私と将棋をして,私が知らずに”打ち歩詰め”で勝ったと喜んでいたら,どうもすいません.(たぶん,私は”打ち歩詰め”をされて,「負けたぁ―」と言って悔しがっていた側だと思いますが.)
安全性・公平性のため
たぶん”禁じ手”なるものが誕生するキッカケは,次のことが原因だと思います.
・あまりに簡単に勝負が決まってしまう
・運に左右される割合が高くなりすぎる
・不公平を感じる
・楽しくなくなる
簡単に言えば,「ズルはダメよ」という事です.
”禁じ手”を知るには?
ルールについて,自分で調べたり,いろいろ人に教えてもらうしかないんでしょうね.何もせずにじっとしていれば”禁じ手”を使ってしまい相手を怒らせることもありませんが,そのかわり一緒に楽しむ機会も失います.
人間関係の”禁じ手”
人間関係の”禁じ手”は,その集団ごとにきっと違うと思います.謙虚に真摯に接すれば,たぶん相手は許してくれます.こちらも,寛容さをもって受け入れてあげましょう.ただし,知らないふりをして,いつも初めてのフリをして,相手の善意に甘えるだけなのは,それはやはり”禁じ手”ですね.(これは多くの場合,すぐにわかります.)
それにしても,”打ち歩詰め”は”禁じ手”というのを知らなかったのは,自分でも意外でした.他にも知らない”禁じ手”いろいろある気がします.知らないことがあるかも?という姿勢の大切さを改めて知りました.