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プレイリスト「With Your Trip」を公開しました

1.「With Your Trip」作成まで

こんにちは。PlutoセレクターのAiです。

21年5月5日(水)に新規プレイリスト「With Your Trip」をPlutoで公開しました。

そもそも『”旅行”をテーマにしたプレイリストをPlutoで作りたいな』とおぼろげに考え始めたのは約3ヶ月前でした。時期的には2回目の緊急事態宣言が解除された頃です。徐々にCOVID-19の感染拡大も抑え込まれていき、5月のGW明け頃には夏休みの旅行計画を立てられるのではないかという期待のもとで耳のお供に連れて行ってもらえるプレイリストを作ろうと思ったのです。

しかしその後の社会状況については言わずもがな。この状況下で旅行をテーマにしたプレイリストを作成・公開しても聞いてもらえるのだろうかという悩みもありました。

しかし、こういうときだからこそやがて必ず来るはずの”自由に旅行が楽しめる日常”に期待を込めて「With Your Trip」を作成・公開することにしました。このnoteではこのプレイリストのざっくりとした構成と簡単な選曲理由について紹介します。

2.「With Your Trip」の構成

「With Your Trip」は全40曲、2時間50分のプレイリストです(21年5月5日公開時)。

全体的なテーマは”音楽好きがふらっとでかけた1泊2日の1人旅"。時間の流れと旅の行程を意識しながら大きく5つのパートに分けて構成をしています。

①予定のない休日の早朝、ふと思い立って旅に出発
→土曜の早朝。日曜も予定が特に入っていないことに気がついてせっかくだから贅沢に過ごしてみようと思うことってありますよね。ずっと気になっていたあの街に1泊2日で出かけてみようか。交通手段も宿も歩きながら考えよう。カバンに着替えとヘッドフォンを詰めてとりあえず出発。そんな旅の始まりや電車や車、飛行機や船での移動をイメージした楽曲を選曲しています。

②目的地に到着。ワクワクしながら旅行を楽しむ
→ずっと気になっていた街に到着。宿に荷物を預けて街歩きをするも良し、レンタルサイクルでちょっと足を伸ばして観光するも良し、ワクワクした気持ちで足取りも軽くなります。旅の始まりのワクワクを感じられるような楽曲を中心に選んでいます。

③夕暮れ時、ゆったりとした時間を過ごす
→1人旅って張り切りすぎて夕暮れときにちょっと疲れてしまう瞬間ありますよね。そんなときはふと見つけたカフェに入って休んだり、景色を眺めたりと知らない場所に自分がいるという非日常を楽しみながらゆっくりと流れる時間に身を委ねることも大切。そんな時間に寄り添ってほしい曲を中心に選んでいます。

④夜はふけたけど寝付けず音楽が鳴る場所へ
→なんとなく寝付けない(寝たくない)夜。ネットを検索してその街にあるライブハウスやクラブに足を伸ばし、その地域の音楽カルチャーにふれることも音楽好き1人旅の醍醐味ではないでしょうか。音楽好きの夜遊びをイメージした曲を中心に選んでいます。

⑤明け方、心地よい倦怠感とともに帰宅路へ
→思いのほか盛り上がってしまった夜遊びも気がつけば明け方。体に残ったアルコールと踊り疲れた心地よい倦怠感から翌日の予定を全て取りやめて帰路につくのも1人旅ならでは。徹夜で遊んだあとの帰り道に聞きたいような楽曲を中心に選びました。

3.選曲背景(ざっくりと)

1. くるり / ハイウェイ<Alternative>

くるりが映画「ジョゼと虎と魚たち」のテーマとして2003年にリリースした楽曲。”旅”と言えばこの曲、という人も少なくないのではないでしょうか。理由なんてあってないようなもので思い立ったら旅に出てみればいいのさというメッセージがこのプレイリストの一曲目にぴったりだなと思いました。1人旅を感じさせるロードムービーのようなMVも素敵なのでぜひ見てみて下さい。

2. 小沢健二 / ぼくらが旅に出る理由

タイトルからしてこのプレイリストに入れずにはいられないという小沢健二の代表曲。誰しもがそれぞれ旅に出る理由を持っており、その旅路の幸せを祈る人が必ずいるのだという歌詞は旅の持つ普遍的な関係性を描いているなと思います。軽快なメロディーも旅の始まりにぴったり。旅の始まりはこの曲を口ずさみながら軽い足どりで駅や空港に向かいます。

3. 宇多田ヒカル / traveling

小沢健二同様タイトルから引っ張られた感がある宇多田ヒカルの9thシングル。いつ聞いても新鮮な響きを持っている楽曲ですよね(リリースから20年経っていることにもびっくり)。平家物語を引用した歌詞や三音で区切りながらテンポよくサビヘとつなぐBメロの流れなどギミックも面白いです。「ぼくらが旅に出る理由」からそのままの流れで口ずさみながら少し早歩きをしてみます。

4. OAU / Freight Train

ここからは旅の目的地に向かうまでの移動手段をイメージさせるような曲を並べます。「Freight Train」はOAUの2ndアルバム「New Acoustic Tale」に収録された楽曲。アコースティックギターの躍動感あるカッティングにフィドルとホイッスルの音色が絡み合い、これから始まる旅のワクワクを醸成してくれるナンバーです。電車に乗って車窓を流れる景色を眺めながらこれから始まる旅路に想いを馳せましょう。

5. SPECIAL OTHERS , kj / Sailin'

特に予定を詰めずにゆっくりと流れる時間を楽しめる旅の場合、移動手段は船がオススメです。波の音と鳥の声、潮風の匂いを感じながらゆっくりと目的地に向かう贅沢な時間の使い方は船旅の醍醐味。そんな時に聞きたいのがこの曲。旅を感じさせてくれるインストゥルメンタルジャムバンド・SPECIAL OTHERSがDragon Ashのkjをゲストボーカルに迎えた「Sailin'」です。開拓の野望に燃える船出を彷彿とさせる歌詞、オルガンとギターのアルペジオの心地よい掛け合いを甲板で楽しみながらゆっくりと目的地に向かう、そんな光景が思い浮かびます。

6. YUKI / WAGON

電車、船ときたら車での旅行も忘れてはいけません。ここは"旅"に関する楽曲を多く作っているアーティスト・Caravanが作詞作曲(※)を手掛けてYUKIが歌った「WAGON」を聞きながら揺られましょう。このプレイリストは一人旅を想定してはいますが、この歌で歌われているように誰かに運転してもらいながら助手席で揺られる旅も悪くないですよね。キュートとコケティッシュが同居するYUKIの歌声はいつ聞いても心地よい気分させてくれます。

※作詞はYUKIとCaravnの共作

7. 奥田民生 / 風は西から

奥田民生と旅と言えば「さすらい」を思い浮かべる人が多いと思いますがっここは「風は西から」をオススメさせてください。自動車メーカー・マツダのために書き下ろされたこの曲はハンドルを握って未来に向かって突き進んでいく楽しみを歌った曲です。運転席の窓を開け、車内に吹き込んでくる風を感じつつこの曲を口ずさみながら目的地に向かってドライブを楽しむのも◎。

8. the band apart / higher

荷物をストレージに押し込んで座席に座りシートベルトを締める。徐々に加速していく機体と後ろに引っ張られるような感覚にとらわれながら空に飛びあがり重力から解放される・・・何度乗っても飛行機の離陸の瞬間が大好きです。そんな瞬間を歌っているのがジャンル横断型の4人組ロックバンド・the band apartの「higher」。空に飛びあがり小さな窓から見える鳥の姿や青い空、白い気流を"歌"に例え、そのメロディに包まれて何も考えられなくなる自分の姿を描写した歌詞は美しさを感じます。ギターとドラム、ベースが激しさを増しながら溶け合っていく長めのアウトローは必聴。

9. Lucky Kilimanjaro / 風になる

空をイメージさせてくれる曲をもうひとつ。シンセサイザーを使用した特徴的なメロディーを中心にポップやメロウな楽曲で僕らを躍らせてくれるLucky Kilimanjaroの「風になる」です。余計なものなんて何も持たず、余計なことなんて何も考えずに思い立ったら吉日、風のようにふわっと旅に出かけてみるという気持ちにさせてくれる歌詞と何度も繰り返される爽やかなシンセサイザーのメロディーに目的地までの足取りも軽くなりますね。

10. Galileo Galilei / 老人と海

不仲になってしまった両親を仲直りさせるための宝物を見つけるために犬と家を飛び出した少年が出会う不思議を小説のように描いたGalileo Galileiの名曲「老人と海」。旅先で待っているであろう未知の体験を想像させてくるこの曲は僕の旅のプレイリストには欠かせません。ストーリーが対となっている「くじらの骨」も名曲なのでぜひ聞いてみて下さい(共にアルバム「PORTAL」に収録)。

11. Ryohu / The Moment

旅行の際、世界中に存在する伝統音楽のエッセンスを取り入れた楽曲を聴くと旅行の気分が高揚するってことはないでしょうか。ここからはそういった楽曲たちを集めています。まずはラッパーでありトラックメイカーでもあるRyohuの「The Moment」。21年正月のapple CMでも話題になった楽曲です。ゴスペル隊のクワイアを大胆にサンプリングしたトラックに瞬間瞬間を生き抜く大切さをリズミカルにフローするRyohuのラップが心地よく、空港から外に出た瞬間、新しい土地の第一歩を踏み出す瞬間についかけたくなる楽曲です。

12. 七尾旅人 / Across Africa

独創的な楽曲を発表し続けるSSW・七尾旅人がアフリカの盟友・Nadjaをゲストに迎えて歌い上げた楽曲が「Across Africa」です。モザンビーク内戦がテーマになった歌詞は戦争の悲しさのみならずその中でもたくましく生き抜く人間の強さを感じさせてくれます。そして随所にちりばめられたアフリカンミュージックのフレーズや音色、そして終盤に行われる七尾旅人とNadjaの掛け合いが持つエネルギーが凄まじく、少し浮かない気分の旅路には必ず聞きたい1曲ですね。

13. Phoebe Bridgers / Kyoto

20年のグラミー賞最優秀新人賞ノミネートも記憶に新しいPhoebe Bridgers。そんな彼女が日本滞在時の体験からインスパイアされて作ったのがこの曲。何度訪れても京都って美しさと寂しさが同居した街だなって感じるんですよね。それは変わらずに残り続ける風景がこの街が刻み続けてきた多くの歴史を感じさせてくれるからかもしれません。そんなイメージが伝わったのか、この曲では京都の風景を見た彼女が自分の父親との断ち切れない複雑な関係性に思いを巡らせています。ただただ美しいだけで消費されない京都の魅力を感じさせてくれる楽曲です。

14. passion pit / Lifted Up(1985)

この曲はもう完全に僕自身の思い出に紐づいています。2015年、新婚旅行にヨーロッパへ行きました(ロンドン最高だった・・・)。某大手旅行会社との打合せは半年前から行っていたのですが新宿店に行くと必ず店内でかかっていたのがこの「Lifted Up(1985)」です。冒頭から何度もサンプリングされる雄叫びとダンサブルなビートはどことなく広大な野原に生きる民族の姿を想像させてくれます。そして愛する人がこの世に生まれ、出会えたことの喜びを歌い上げた歌詞も温かい。きっと僕はこれからも旅行に行くたびにこの曲を聴き続けるだろうな。

15. American Authors / Best Day Of My Life

『人生最良の日』。ずっと行きたかった場所へ初めて足を踏み入れた時、旅行先で想像もしていなかった素敵な体験や出会いに恵まれた時、このような思いに身を包まれることがあるのではないでしょうか。バンジョーの軽快なリズムと思わず口ずさみたくなるコーラスを聞きながらこの曲のMVのようにいつもよりも大きな歩幅で踊るように歩いて旅をするのはいかがでしょう。

16. 平賀さち枝とホームカミングス / カントリーロード

”潮風とその海がすべて君の味方をしたの
 都会の街を背に君をカントリーロードまで”

カントリーロードってタイトルが付く楽曲はもれなく名曲で、もれなく旅の持つ楽しさや切なさ、そして青春の1ページのような輝きを持っています。平賀さち枝とホームカミングスが紡ぐカントリーロードは優しい掛け合いで旅立つ友人(恋人)の背中をそっと押すようなメッセージソング。海でも山でも都会から離れた自然豊かな場所への旅行にはぜひ連れていってもらいたい楽曲です。

17.  王舟 / Thailand ・ 18. andymori / Transit in Thailand

偶然にもThailandをテーマにした曲が2曲続いてしまいました(タイは大好きです、ええ)。僕はタイの国中に根付く信仰に対する清廉さと国民が持つエネルギッシュな熱気、そしてどことなく漂っている雨の匂いが大好きです。近くて遠いタイにこそ旅の魅力が詰まっているなぁと感じることが少なくありません。王舟「Thailand」はタイの持つ静かな(そして時にもの悲しい)側面を、andymori「Transit in Thailand」は街から感じられる熱気や野心みたいな側面を感じられるのでプレイリストに入れました。

19. Alex Lahey / Every Day's the weekend

当てもなく観光やショッピングを始めて1時間、楽しくて仕方がないこの時間がずっと続けばいいのになぁという気持ちになってきたらオーストラリア・メルボルン出身のSSW・Alex Laheyの「Everyd day’s the weekend」を再生しましょう。歌詞全体は決してハッピーなものではありませんがガレージロックを彷彿とさせるギターサウンドに合わせて仕事であった嫌なことを思い出しながら”Every Day’s the weekend”と歌えば、また旅行に出れる週末が楽しみになってくるはず。

20. Ed Sheeran / Castle on the hill

目的地に向かう途中に故郷の近くを通ることがあるかもしれません。大好きな実家や家族、大好きな友人たちの顔が浮かびノスタルジーに浸りながら聞きたい楽曲がEd Sheeranの「Castle on the hill」です。誰もが記憶の中に持っている子供時代の甘酸っぱい思い出を振り返りながら故郷への愛を語るこの曲を聞きながら次の帰省の予定をスケジュール帳に書き込んでみましょう。

21. Vampire Weekend / Diane Young

アフロポップの影響を感じさせるグッドサウンドを届けてくれるアメリカ・ニューヨークのインディーロックバンド・Vampire Weekend。音楽もさることながらアートワークがいつもおしゃれなことでも知られる彼ら。この楽曲が収録された「Modern Vampires Of The City」のジャケットは霧に包まれたモノトーンの街並みで遠く異国の地を想像させてくれます。アルバムの中でも特に陽気な彼ら流のロカビリーソングとも言えるこの曲を聞きながらちょっと疲れてきた足に気合を入れてみるのもいいかもしれません。

22. The 1975 / Sincerity Is Scary

夕暮れ時、街中でおしゃれなカフェを見つけて店内へ。テイクアウトしたコーヒーを片手に持ってちょっと歩速を遅めながら街を歩いてみる。そんな時に耳元に流れていて欲しいのが今やイギリスが世界に誇るロックバンドにまで成長したThe 1975の「Sincerity Is Scary」です(アルバム「A Brief Inquiry Into Online Relationships」に収録)。ゆったりとしたBPMのうえで踊るホーンの音に合わせていつもよりも大きな歩幅で歩いてみたくなります。
旅とこの曲というテーマで思い出されるのがブリットアワード2019での彼らのステージ。(おそらく)ロンドンの街並みを背景全体に映し出してこの曲をBGMに街歩きをするような演出が旅行時の街歩きを彷彿とさせてくれ、出先の街で気分が上がるとついつい再生したくなるんですよね。


23. cero / Summer Soul

まさにふと思いついて行く宛なきドライブに出かける様子を歌ったceroの名曲「Summer Soul」。滞在先でのドライブも良し、散歩も良し、BPM95前後くらいのビートとフルートの音色に誘われて横揺れしながらその土地の景色や匂いを楽しみたくなります。

24. Caravan / TRIPPIN' LIFE

Caravanが歌う旅の曲と言えばコレ!という人も少なくないのではないでしょうか。打ち込みのシンプルなビートに乗るアコースティックギターの優しい音色と歌声は夕暮れ時の旅路にぴったり。ちなみにこの曲の歌詞全体を通して冒頭のくるり「ハイウェイ」で問いかけていた”旅をする理由”の答えのひとつが示されているように僕には感じられます。

25. The Lumineers / Ho Hey

どことなく田舎の風景や大自然に匂いを感じさせてくれるアメリカのフォークロックグループ・The Lumineersの代表曲。一人旅の夕暮れ、遠い地にいる大切な人を想う歌詞が身に染みて少し感傷的な気分になりながらホテルへ向かう情景をイメージして選曲しました。

26. Local Natives / Who Knows Who Cares

LAのインディーロックバンド・Locak Nativesの1stアルバム「Gorilla Manor」収録曲。これはThe 1975同様に完全に映像(MV)に引っ張られて僕の中で旅を代表する曲になっています(まずは見てほしい!)。短編のロードムービーのようなエモーショナルな内容じゃないですか?楽曲自体も静かな曲調で始まる前半から少しづつ音数が増えて盛り上がっていき、最後に一気にエネルギーが爆発する後半にかけてが旅の1日の流れを彷彿とさせてくれるので夕暮れと夜の境目くらいにビール片手に聞いてもらいたいな、と思います。

27. JEFF THE BEATS / Da nang

現在の福岡の音楽シーンを面白くしているクリエイターコレクティヴ・BOAT。JEFF THE BEATSはBOATに所属するトラックメイカーです。アジアの都市をテーマに作成されたmix tape「PISAN ZAPRA」の収録曲である「Da nang」はローファイなサウンドが夜の始まりにぴったり。昼間と夜の区切りを感じさせるinterlude的な意味合いも持たせてこの位置に選曲しました。

28. HONNE / Day 1 ◑ ・ 29. MGMT / Kids ・ 30. Disclosure / Latch
31. FKJ / Skyline ・ 32. Avicii / The Nights
・ 33.The xx / On Hold -Jamie xx Remix 

音楽好きが一人旅するときの楽しみに"その地域の音楽カルチャーに触れてみる"ということがありませんか?その地域でどんな音楽が鳴っているのか、音楽好きの中でどういうコミュニティが出来ているのか、それらを体感するためにその土地に根付いたライブハウスやクラブに足を運んで夜を過ごす。
ここから5曲は僕が旅行先のクラブやライブハウスに遊びに行った際に掛かっていてテンションが上がった(上がる)ダンスミュージックを中心にセレクトしました。

新宿や下北沢をテーマにしたプレイリストを発表しているくらい日本が大好きでプライベートでもたびたび足を運んでくれているロンドンのエレクトロデュオ・HONNEからは大切な人を自分にとっての1日目に例えた「Day 1 ◑」、まだまだ遊び足りない21時過ぎにこのイントロがかかったら誰しもが笑顔になって踊りだすMGMT「Kids」、Sam Smithの甘い歌声とミドルテンポのビートに気づけば横揺れしてしまうDisclosure「Latch」、FKJの「Skyline」のメロウな展開に飛行機の窓から見た空と地面の境目の美しさを思い出し、24時が近づくころにはとトライバルなビートと情熱的なアコースティックギターのカッティングが夜を彩るAvicii「The Nights」で踊り疲れてJamie xxがRemixしてダンスミュージックチューンに仕上げた「On Hold」がフロアに鳴り響くころにはもう日を跨ぐ時間帯・・・。

34. サカナクション / 夜の踊り子 -agraph Remix

電気グルーヴのサポートやLAMAのメンバーとしても活躍する牛尾憲輔のソロプロジェクト・agraphのRemixによって生まれ変わったサカナクションの「夜の踊り子」。原曲は後半に向かってどんどん盛り上がっていく展開ですが、このRemixでは若干体温が低めなビートを静かに刻む電子音が包み込み、ちょっと度数を上げたお酒を片手に深夜から明け方にかけて今日1日を思い出しながらチルする時間を過ごすのにぴったりなアレンジ。

35. STUTS / 夜を使いはたして feat.PUNPEE

気が付けばそろそろ明け方も近い時間帯。クロージングに近づくフロアで聴きたいのがこの曲。旅行先に根付く音楽カルチャーにどっぷり浸って夜を使い果たしたあとは少しけだるい体に喝を入れながら扉の外へと向かいましょう。

36. Fleet Foxes / Going-to-the-Sun Road

シアトル出身のフォークロックバンド・Fleet Foxesが2020年にリリースしたアルバム「shore」に収録された楽曲です。冒頭から聞こえてくる伸びやかなホーンの音色と歌声はクラブの扉を開けたときに差し込んできた朝焼けの光を彷彿とさせます。

37. Made in Hepburn / Malibu

JEFF THE BEATSも所属する福岡のクリエイタ―コレクティブ・BOATの主宰でもありメンバーそれぞれが福岡の音楽シーンでキャリアを持つMade in Hepburn。この「Malibu」はイントロの泣きのギターから彼らが拠点とする海から吹き抜ける潮風の匂いを感じ取ることが出来ます。クラブで朝まで遊んだ後、ホテルに戻るまでの間に海沿いをちょっと散歩しながら帰る、そんな光景を思い浮かべながら選んだ曲です。

38. Ásgeir / King and Cross

アイスランド出身、国民の10人に1人が彼のアルバムを持っているという記録を打ち立てたアウスゲイルの1stアルバム「In The Silence」からの選曲です。ホテルに戻って彼の温かみのある歌声を聴きながらインスタントコーヒーを淹れて一息ついたら帰りの準備を始めましょう。

39. 藤井風 / 旅路

楽しかった旅も間もなく終わり。ホテルをチェックアウトしたら電車に飛び乗って帰宅の途につきます。車窓から流れゆく景色と楽しかった思い出を振り返りながら聞きたいのが藤井風の「旅路」。人生良いことも悪いことも色々あるけれど、長い長い旅路の中でそれらを全部懐かしめる思い出にしながら生きていこうというメッセージを聴きながら、ふらっと旅に出る魅力を振り返り、次に行きたい場所に思いを馳せてみます。

40. Ykiki Beat / Forever

このプレイリストを締める最後の1曲にどうしても選びたかったのがYkiki Beatの「Forever」です。一気に有名になりながらもすぐに活動停止になってしまった、まさに一瞬の輝きを記録したようなバンドの代表曲(その意思はDYGLに受け継がれています)。
”時間を戻すことはできない、現実から目を背けずに自らの道を見つけて歩き出そう”という歌詞と楽しい時間や経験を明日を生きるための糧にしようという旅から得られるエネルギーがどことなく重なって聞こえるからです。

* * * * *

いかがだったでしょうか。今回のnoteでは「With Your Trip」の説明をしつつ、普段プレイリストを作成する際に気にしているポイントも記載してみました。

ぜひこのプレイリストを聞きながら旅行の楽しさを思い出してもらいつつ、自由に旅行に行くことができるようになった日には耳のお供に連れて行ってもらえれば嬉しいです。

◆Pluto各アカウント
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