思考のコンパスを片手に‥
過去の記憶や経験、それ自体が現在に与える意味などはない、重要なのはその過去にどういう意味を与えるか なのです。
そうして私の過去の痛みも、時間と私の目的や意味付けを経て、薄れていく。だがしかし、人に寄り添い勇気を与えることが私の目標であり目的だとするなら、それは嬉しいことでもあり同時に悲しいことでもある。
なぜなら私自身を一人の人間として見たとき、過去の精神状態やそのときの行動を科学的に分析することで、自然と他者への理解も深まるからだ。
経験それ自体を共有することはできないが、そのときに起きた心の動きは共有することができる。人は痛みを感じるからこそ他者の痛みを知ることができるのであり、それが心理学の原点だと私は思う。
だからこそ私は、思考のコンパス片手に思考の海に潜る、深く深く、どこまでも潜り続けてそこから痛みのかけらを拾い集める。