近況報告(受託設計室ゴドー)|アイテックソリューション オープン社内報
こんにちは。ゴドーです。
本日は私の近況について軽く紹介いたします。なんでかっていうと、以前オープン社内報の目的について、こんな風に書いたからです。「(オープン社内報では)もっと社内の情報や皆さんの近況、人となりなどが伝わるようにしたい」と。そう、これから皆さんにインタビューなどして記事を書くつもりなら、まずは自分のことを書かなければなりません。というわけで、自分からスタートさせていただきます。
幸い異動したてホヤホヤで職場環境の差をヒシヒシと感じている今だからこそ伝えられる部分もあるんじゃないかな、とも思います。なので今回は職場による仕事内容の違いや、職場が変わったことへの感想なんかを書いていきますので、興味があればご覧くださいまし。
◆ゴドーの会社に入ってからの遍歴
・2015年5月 入社、2ヶ月の研修期間
・2015年7月 家電メーカーの電子レンジ部署で勤務開始
・2022年4月 受託設計室に配属
◆そもそも機構設計とは何ぞや?
社内には機構設計以外のメンバーもいますので、まず機構設計って何?っていうことを軽く説明します。
google先生によれば…
…とのこと。
つまり「こんな製品が欲しいな」っていうイメージを現実のものにしていくのが設計の仕事、その中でも特に製品の形状や構造といった部分を決めていくのが機構設計の仕事っていう感じです。
◆電子レンジ部署での機構設計の業務
では電子レンジにおける機構設計とは?ということですが、電子レンジの開発で一番優先される項目は調理性能を向上させることです。例えば食品をあたためるレンジ機能では、なるべくムラなく温められるようにする、などですね。これを左右するのが、食品をあたためるための電波を拡散するアンテナや庫内の形状になりますが、こういった構造を決めていくのが電子レンジでの機構設計の仕事です。その他にも製品が非常に高温になってしまうというのも特徴で、各部品を冷やすための構造を検討する必要もありますがこれも機構設計のお仕事。もちろん、お客様の目に触れる外観の部分や操作性に関わるボタンやドアの構造も機構設計の仕事です。
このように同じ製品の中でも扱う分野がけっこう違うので一人の機構設計者が全ての業務を一貫してやるというよりは、それぞれが得意な分野においてエキスパート化していき、複数人で仕事をこなしているという感じです。(中には複数の業務を一人でこなせるスーパーマンも存在します。)
業務内容は部品設計や評価試験(実際に性能を出せるかの各種実験)、試作手配などいろいろとありますが、個人的には原因の特定が困難な問題に対する原因究明と対策案の検討っていうのが多かったです。
◆受託設計室での設計案件業務
受託設計室で最初に担当した業務は計測機器の外装部品(樹脂ケース)の設計でした。この案件での機構設計の役割はデザイナーの考える外観イメージを現実のものにすることです。外装部品は製品の外観となる部品ですので、理想はデザイナーが考えるイメージ通りに出来れば良いのですが、実際にはそうもいきません。例えば、デザインの理想で言えば製品の外観には継ぎ目やネジなどない方が良いと思いますが、現実にはケースは1部品では出来ないため各ケースの間には継ぎ目が出るし、ケースを他の部品に固定するためにはネジなども必要になります。こうしたデザインと現実の差がなるべく少なくなるように見栄えや強度、生産性、組立性などを考慮しながら、ケースをどこで分割するか、どういう構造にするかを検討するのが外装部品における機構設計の仕事になります。
この案件ではケースの分割位置や大まかな構造は決まっていたため、より細かい部分を検討する詳細設計を行いました。具体的には、組立しやすいようにケース同士の位置を決めるための形状作成(ボスや穴の作成)、ケース間の繋ぎ目部分の見栄えをよくする形状作成(インロー構造、溝の作成)、ケースの形状を安定させる補強のための構造作成(リブの作成)、各部品を金型で量産できるようにするための形状修正(抜き勾配づけ)などです。
◆各職場の違い
実際に2つの職場での仕事を経験してみて、同じ機構設計でも製品や職場によって結構違いがあるんだなと感じました。
設計の目的
電子レンジでは「調理性能の向上」が目的です。ただコストや部品温度などの制約条件が厳しく、実験を繰り返して制約条件とのバランスを見ながら徐々に性能を上げていくという感じです。数少ない答えを探すイメージ。
樹脂ケースの設計では「デザインを具体化すること」が目的だと感じました。デザインになるべく近い形状で、生産しやすく、組み立てやすい部品を知識と経験を元に作り上げていく感じです。理想にどれだけ近づけるかを追求するイメージ。仕事のスタンス
電子レンジの職場では、性能の向上が優先。それぞれの設計者が独自の手法を持っている感じでした。基本スタンスは「まずは自分でやってみろ」
受託設計室では、納期、スピード感が優先。知識と経験が必要で基本スタンスは「悩むくらいなら人に聞け。」仕事のイメージ
電子レンジの仕事は少し特殊ですが専門性のある技術が身に付き、仕事が出来るようになれば職場から重宝される人材になれる仕事だと感じました。
外装部品の設計は知識や経験を活かしやすく汎用性がある技術が身に付き、やればやるほど他の製品でも通用する人材になれる仕事だと感じました。
◆感想
「実際、職場変わってみてどうよ?」ってことですが、最初はやっぱりしんどい!新しい環境ってのは慣れるまではしんどいもんですね。特に知らないことが多い、仕事の進め方が違うってことには苦労しました。知らないことというのは、例えば樹脂ケースでは部品と部品のつなぎにインローという構造を用いるのですが、その寸法はだいたい何mmくらいなのかとか、部品同士の隙間(ガタつき)は何mmだと大き過ぎるとか、そういうことを全然知らなかったんです。あまり触れる機会がなかったとはいえ、結構基本的なことなので自分の勉強不足を痛感しました。仕事の進め方についても最初は「まずは自分でやってみる」というスタンスだったのですが、知らないことも多かったことと重なりまあ時間がかかる…知識と経験を得るために「とりあえず聞け」と散々言われてようやくできるようになってきた気がします。他にも使用するCADが違うことも慣れるまではなかなかうまくいかないもんでした。
ただ、しんどいですがそれ以上にメリットに感じることも多いです。知識不足や仕事の進め方は自分自身、課題に感じていたことだったのでこれを機に直せる!と思えば良いことですし、新しい考え方に触れるのも良い刺激になります。CADに関しては使える種類が多けりゃ多いほど良いですしね!また、受託設計案件は結果が全てなのでこれまでよりプレッシャーもかかりますが、その分責任感のある仕事をさせていただけるってのもありがたいことです。
というわけで、今も絶賛奮闘中ですがこれを機に一皮むけてやろうと目論んでいるゴドーでした。どこかであったら「頑張れ!」って言ってやってください。
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