書き順ってなんだ?
小学生のころ、
書き順は厳しく、そりゃーもう厳しく教えられましたよね。
というわけで問題です。
「田」の三画目はどちらが正解でしょう?
現在の日本において文部科学省が定めた書き順では上が正解です。
しかし本で調べたところ、中国で習うときには下の書き順で習うようです。
・・・どういうこと??
ってなりますよね。
そりゃーなりますよ、だれでもなりますよ。
あんなに厳しく教えられた書き順はなんだったのかと!
そもそも、書の世界では書き順についてそこまで厳しく言われません。
重要なポイントは、崩したときにパーツが揃っているかと、
他の人が読めるか、のこれにつきます。
(ただこの『ほかの人が読める』というのが曲者なのですが
その話はまた別の機会にします)
書写の時間に文字を書いた時にきれいに書きやすい(と思われる)書き順を
日本の文部科学省が独自に決定して公布しているものが、
一般的に言われる「書き順」です。
私たちのように子供に指導する場合は、
学校での教育に合わせて書き順についても指導しますし、
確かにその書き方が形を整えやすいと感じます。
でも、外で商業書家(めんつゆの筆文字とか書いてる職業の人)の方が
書き順を無視して文字を書いている場合、
子供たちが書き順がおかしいんじゃないか、と教室で聞くわけですよ。
そういうとき、なんて返答するのか結構困りますよねえ。
書写のような文字は楷書の書き方の基礎でありベースで、
書き順というのはその基礎の書き方を学ぶ上で必要な考え方だけど、
中学、高校と大きくなって芸術として表現できるようになったら
書写のように「読みやすさ」だけでなく「美しさ」「空間の取り方」という
芸術の要素が加わってきて、そこで初めて書き順は複数あることを教わる、
という感じでしょう。
でもそんなこと言ったところで子供たちにはわからないかもしれません。
うちの場合は、教室で中学生や高校生も一緒にお稽古をするので
それと合わせると説明しやすいです。
とりあえず中学で行書を習うときに
↑こんな風に書き順が複数あることも習うので
そういう時にみんなに話ができれば良いですよね。