マガジンのカバー画像

蜜と毒

4
世界は、甘くそしてときに毒がある花のよう。 わたしが見えた世界を、そのときの感情に乗せて文章にしています。
運営しているクリエイター

#蜜と毒

自分の芯に触れるとき

自分の芯に触れるとき

真冬の寒空の下で雪がしんしんと降る季節になった。
現実世界から隔離されたような、世界にたったひとり自分しかいないのではないかと錯覚するような、そんな静かで厳かで、まるで自然の牢獄に閉じ込められたような感覚になる真冬の夜に、わたしは自分自身に出逢った。
その時のことを徒然なるままに書き記そうと思う。

息が凍り皮膚に痛みを覚えるほど凍てつく真冬の夜に、わたしは失恋をした。
真冬の寒い夜に別れ話をしな

もっとみる
明日への願い

明日への願い

明日がやってくることは、本来奇跡なのだと思う。

遙か昔、家を作る技術がなかった時代には、動物に食べられたり寒さや暑さで死ぬことがきっとあったのだろう。
怪我をしても治す技術がなかったり、病気や感染症に罹患しても治す技術がなかったりして、生き延びられなかったこともきっとあったのだろう。
詳しくは知らないけれど。

現代でも、風邪をひいて高熱を出して寝込む夜や、嘔吐で苦しんでいる夜や、手術をした日の

もっとみる