一日一句【菜根譚】#73『心体瑩然、不失本真』:誇張と本質の狭間で
『心体瑩然、不失本真』の意味
心体瑩然は、「心身が清らかで澄んでいる様子」を表す四字熟語です。
不失本真は、「本来の純粋な心性を失わないこと」を表します。
つまり、「心体瑩然、不失本真」は、
外見的な装飾に惑わされることなく、内面の純粋さを失わずに生きることを意味しています。
現代社会における重要性
情報化社会と呼ばれる現代において、私たちは常に他人と比較し、承認欲求に駆られやすくなっています。
しかし、「心体瑩然、不失本真」という言葉は、そのような外見や他人の評価ではなく、自分自身の心の声に耳を傾け、自分らしさを大切にして生きていくことの重要性を教えてくれます。
誇大と本質
私たちは皆、人生において何かしら成し遂げたい、認められたいという欲求を抱えています。しかし、その過程で、自身の功績を誇張したり、美文を並べ立てて自分を良く見せようとしてしまうことがあります。
心の美玉
しかし、菜根譚の一節「心体瑩然、不失本真」は、そのような外見的な装飾ではなく、内面の純粋さこそが真の価値であると説いています。私たち一人ひとりの心の中には、まるで美しい宝石のように輝き、善意と純粋さを秘めた「心体」が存在するのです。
功績や文章を超えて
たとえ目立った功績や文章を残せなかったとしても、その心体を失わず、善良で誠実な心で生きることこそが、真に堂々と胸を張れる生き方と言えるでしょう。
現代社会における「心体瑩然」
情報化社会と呼ばれる現代においては、SNSなどを通じて自己表現が容易になりました。しかし、その一方で、他人との比較や承認欲求に駆られ、本来の自分を見失ってしまうことも少なくありません。
自分らしさを大切に
そんな時代だからこそ、私たちは「心体瑩然」という言葉が示すように、外見や他人の評価ではなく、自分自身の心の声に耳を傾け、自分らしさを大切にして生きていくことが重要ではないでしょうか。