排熱発電システムが利用できそうな排熱:ゴミ処理場の排熱
今回は、昔、廃熱発電に関した時の調査メモである。
廃熱発電の利点は、未利用の熱エネルギーを利用価値の高い電気エネルギーに直接変換できること、可動部がないため,変換効率を維持したまま、小型化もしくは大型化が可能であるということ、可動部がないため、無音、振動がなく、メンテナンスフリーで長寿命であること、二酸化炭素が発生せず様々な熱源に対応が可能であることが挙げられる。
このような廃熱発電システムが利用できそうな排熱として考えられるのは、ごみ焼却場における廃熱である。その理由は、全部で以下の四つである。
まず、ゴミ処理場における廃熱は、200℃~300℃[1]であり、排熱の絶対量は、165.5TW[2]であると言われている。
また、設置場所がごみ焼却場でゴミを燃やすためのエネルギーを使うにせよ、燃えたゴミからもエネルギーがでるため、全体のエネルギーに占める廃熱量は、ほぼ100%であると推定される。
そのため、二酸化炭素が発生せず様々な熱源に対応が可能であることも踏まえると、未利用の熱エネルギーを利用価値の高い電気エネルギーに直接変換できるという利点がある。
これが、排熱発電がごみ焼却場で有効であると考えられる一つ目の理由である。
二つ目の理由は、可動部がないため、変換効率を維持したまま、ゴミ処理場の最も効率よく、排熱発電が出来るところに大きさを合わせることができ、設置することができるため有効であると考えられるである。
三つ目の理由は、可動部がないため、無音、振動がなく、ゴミ処理場の現場の作業員に不快な音や振動によるストレスを与えないという利点がある。
四つ目の理由は、メンテナンスフリーで長寿命であるため、ゴミ処理場で、匂いなどにより、メンテナンスが行ないにくいようなところに設置することもできるというのが利点である。
以上の四つの理由から、廃熱発電システムが利用できそうな排熱として考えられるのは、ごみ焼却場における廃熱であると考えた。
参考文献
[1]文部科学省,科学技術政策研究所,科学研究動向センター,
”科学技術動向,レポート2,排熱回収用高効率の熱電変換材料の開発動向”,
”<http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt090j/0809_03_featurearticles/0809fa02/200809_fa02.html#author_rep02.html >”
[2]環境省,”技術資料1 都市環境気候図の作成方法 人口排熱分布図”,
”<http://www.env.go.jp/air/life/heat_island/guideline/mat01-3.pdf >”
http://www.env.go.jp/air/life/heat_island/guideline/mat01-3.pdf
お詫び
今回のレポートは予想以上に、調査が手間取り、提出期限の二週間ほど遅れて、提出することになってしまいました。そのため、ここにお詫びを申し上げます。
講評
熱電発電の利点に注目して、その応用方法を具体的なデータと共にまとめたよいレポートである。現在、ゴミ焼却炉の廃熱はそのまま熱として、例えば温水プールなどで使用されている。ただ、廃熱を熱として利用するよりも、廃熱を電気に変換して利用した方が価値も高くなるため、熱電発電をゴミ焼却炉に使用することが検討されている。
(ここまで)
それにしても・・・火力の廃熱の利用はどこまで進んでいるのだろう?
日本は化石賞に選ばれたくらいなのだから、それくらいの廃熱の利用はできているの・・・だろうか?
と今更ながら思う。
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