見出し画像

235.唐辛子から辛みを最も除ける酒類は何か? 問題

クラッシュカレーを作るときに石臼で叩きたいものの筆頭は、唐辛子である。
うま味と香りを活かしたい。でも、辛くなりすぎるのは困る。
乾燥した鷹の爪を酒で戻すことによって辛みが抜けることはわかった。
そこで、どんな酒類が最適な(最も辛みが抜ける)のかを実験してみることにした。
蒸留酒が良さそうだ、ということはわかっていたが、実際にいろんな酒につけてみなければ納得できない。

今回は、主にコンビニで売っている以下の8種を準備した。

1.    バーボン
2.    ホワイトラム
3.    麦焼酎
4.    梅酒
5.    日本酒
6.    白ワイン
7.    ビール
8.    白ワインビネガー

今回は隔壁を取り除く手間をかけず、胎座と種を取り除き、5グラムずつ、50gのアルコール類につけ、3晩冷蔵庫でキープした。たまたま使うタイミングが延びただけで3日間に意味はない。ひと晩で十分辛みの比較はできる。

味見をしてみると、液体が辛い順(辛味が抜けやすい順)に以下の通りとなった。これは、水野ひとりのテイスティング結果なので、10人、100人でやったら順序は変わるのかもしれない。辛味を表すスコヴィル値が計測できればさらによいのだけれど。

バーボン、ホワイトラム、麦焼酎、梅酒、日本酒、白ワイン、ビール、白ワインビネガー

印象としては、梅酒までが辛く、それ以降はあまり辛くない。
やはり蒸留酒では辛味は抜けやすいが、醸造酒では抜けにくいということになりそうだ。
アルコール度数を調べてみた。

【蒸留酒】
バーボン……グレーン、モルト(アルコール分40%)
ホワイトラム……さとうきび(アルコール分40%)
麦焼酎……焙煎麦、焙煎麦麹(アルコール分25%)
【混成酒】
梅酒……梅、糖類、酒精(アルコール分15%)
【醸造酒】
日本酒……米、米麹(アルコール分14%)
白ワイン……ぶどう/酸化防止剤(アルコール分13%)
ビール……麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ(アルコール分5%)
【醸造酢】
白ワインビネガー……白ワイン/酸化防止剤(酸度7%)

なんと! 辛みを感じた順番は見事に度数の高い順に並んでいたのだ!
自分の味覚もそれほど悪くない、ということなのか、そのくらいアルコール度数によって抜ける辛みが顕著だということなのか。

ともかく、きっちり辛みの抜けた唐辛子を石臼で叩き、おいしいクラッシュカレーを作ることができた。

このクラッシュカレーはバーベキューイベントで焼いたスモーキーなラムの塊肉(の残り)を使ったのだけれど、これについてはまたどこかでレポートできると思う。

唐辛子の辛味はアルコール度数の高い蒸留酒で最も抜ける。辛味を含んだアルコール液体は、カレーを作るときの辛み調整に使える。そういう意味では、沖縄のコーレーグース的に他の料理に応用するのもよさそうだ。

★毎月届く本格カレーのレシピ付きスパイスセット、AIR SPICEはこちらから。http://www.airspice.jp/

いいなと思ったら応援しよう!