小説家チャレンジ39日目〜あたらしい半世紀〜
めでたく50歳になった今日。
半世紀を生きのびた。
過去にうつで自分でじぶんを傷つけようとしたことはあったけど、この年になるまで命にかかわるような大病も大けがもなく、この歳を迎えられたのは奇跡的。
コロナ休職期間も1年がすぎ、援助金で生活している状況なので、派手なお祝いはできないのだが
「ことしの誕生日プレゼントに
ぜったいこれを買う」
と決めていたものがある。
じつは去年の10月、JJの発達障害についての理解と、親としての向きあいかたについて、出雲のサイキック姐さんに相談していた。
彼女は日本在住の、まだ40代の霊能者。不妊のことで10年前に相談したのがキッカケで、人生の節目ごとに相談させてもらっている。
9才の長男タラちゃんも、4才のJJも、彼女のアドバイスのおかげで40代で授かったので、絶対的な信頼をおいてる存在。
JJの相談のあと、アーティストでもある彼女に
「ずっと絵をかきたいと思ってるんだけど、どんな絵具で何を描いたらいいのか、サッパリわからなくてこまってるんだけど、何かおススメありますか」
ときくと、一瞬ポーズがあって
「カラーインクですね。発色がいいんですよ。
それで画用紙に絵具をたらすようにして、宇宙をイメージして描いてみたらどうでしょう」
と、予想もしなかったお告げをいただく。
まず「カラーインク」というものを知らなくて、ネットで使い方を調べ、Amazonで検索。6色でも60ドルくらい、上は100ドルくらいまである。
思ったより高いものだったので、市内のWalmartで安いのを探したけど見つからなかった。
年末年始はお金がいるし、臨時収入があっても生活費に消えてしまうので、とうとう年内には買えず、今年に入っても
「じぶんの趣味のために
100ドル近くお金を使う」
カナダに来てからずっと
生活によゆうがなくて
生活に必要じゃないもの
自分のためだけにお金を使うことに
なれていない
趣味にお金をつかうことに
なぜか抵抗があり、罪悪感さえ感じた
きょうの午後、ひとりでクラフトの専門店に行き
カナダに来てはじめて、絵具のセクションを訪れた。
初めて見るコーナーには、アクリルから油絵具まで、ガラスケースに入った高価な材料がいっぱい並んでいる。そんな場所で1人贅沢なものを選んでいる自分が、なんだか悪いことをしているみたいでなぜかドキドキする。
「50歳のお誕生日なんだもん
このくらいいいよね」
夫にもちゃんとこれを買う、と言ってあるのに
ナゾの罪悪感と戦いながら、カラーインクを探しあてて、ドキドキしながら画用紙のコーナーに向かう。
水彩用のスケッチブックが思ったより高くて、いっしゅん怯むが、思いきって手にとり、そこから罪悪感で帰りそうになる自分を制して、絵筆とパレットをカゴに入れ、レジに向かった。
ぜんぶで80ドルくらいだったが、なぜか悪い気がして、払うとき思わず頬ががカッとあつくなる。
さんざん1人でドラマ展開だったが、アドバイスいただいてから4ヶ月たって、やっと手に入れた画材。
これまで生きるために、ただただ必死だった。
これからの半世紀は、ときどき勇気をだして
好きなこと、私だけの趣味にチャレンジしよう。
せっかく買った画材だけど、使うのにまた緊張しそう。
うまい下手にこだわらず、何のためにでもなくこれからの人生、ずっと書いて、描いていきたい。
命が輝く瞬間を書き、うつくしいものを描きつづけていきたい。