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色           即            是                  空

 「色即是空」という言葉を書いてみた。書道の心衛がないもんだからバランスが悪くなっちまう。真ん中を揃えた方が綺麗というのはわかるんで縦の中心線は意識するんだが、どうもバランスがとれない。
 一文字目の「色」が小さくなっちまうんだな。だから、上詰まりの絵になっちまう。壁にかけようと思うんで間隔は揃えておきてぇのら。だが、何度やってもうまくいかない。折り目をつけたり下書きをしたりもしたが、本番ではそんなのつかいたくねぇっちゃだ。
 そんなこんなで1時間ぐれぇ書いてたのら。うまくいかないと歯痒さが行きも行き詰まって、もういいやって「色」をめっちゃ大きく書いたのら。そしたら案の定、最後の文字が小さくなっていくわけ。書くスペースないんだもの。けれどね、私はこれが好き。さっきまでの色々考えて一文字目小ちゃく書いちゃうやつより勢い余ってバランス崩れてるやつのほうがいいじゃないって。
 「色即是空」って、物事は移ろい続けてあらゆるものと関わり合っているって意味でしょ?それが均等に並んでいるなんてそっちの方が変じゃない?なんて思ったりして。


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