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『大根役者』は『持ち味役者』

大根役者にまつわる、結構有名な名言がある。

人生は芝居の如し。 上手な役者が乞食になることもあれば、大根役者が殿様になることもある。 とかく、あまり人生を重く見ず、捨て身になって何事も一心になすべし。

福沢諭吉(違う人のセリフ説あり?)

下手な役者が主役や目立つ役、身分の高い役を演じたり、上手な役者が脇役や目立たない役、身分の低い役を演じたりするのだから、たとえ自分が不遇な人生を送ったとしても、それはそういう配役にすぎないのだと思って、あまり悲観せず、ただ一生懸命生きて、自分の役を演じ切れば、それでよいのである。というものである。

ぶっちゃけよう。

私はそんな配役は嫌だ。

実際の舞台というのは期間限定だ。
数ヶ月に渡って演じ続けても、24時間365日、そんな役を演じ続けるわけじゃない。

それを、舞台の終わり=人生の終わり
という状況で、『乞食役』なんて、たまったもんじゃない。

だからと言って、みんながみんな、人生において、『殿様役』なんて、無茶があるのも事実である。

そんな私は、こちらの方が、ずっとしっくりくる。

人生は舞台。人はみな大根役者。

シェイクスピア

高倉健と菅原文太は本気で役者になりたくてこの世界に入ったわけじゃない。言わばド素人、持ち味だけで演じた永遠の大根役者です。だから、観客は役柄と本人を同一視して、感情移入できた。一時代を築く大スターになれた。

脚本家/高田宏治

人生、そんな上手に立ち回れなければ、『殿様役』なんて割り振られない大根役者のが多数派ではないか?

だがしかし、だからこそ、もともとの『持ち味』が活きてくる。

いや、『持ち味』以外、使いようがない。


そもそもの、『大根役者』の由来として、いくつかある諸説の中のひとつに、

大根は『どのように食べても腹を壊さない』ので、下手で「当たらない」ことと掛けて、「当たらない役者」として、大根役者となったらしいが、

最強じゃない?

しかも、長〜い時間をかけて味が沁みた大根、

最強じゃない?


人生、酸いも甘いも染み込ませた『大根役者』もとい『持ち味役者』。

そっちの方が、断然、人間らしくないですか?

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