1台のカメラで混雑監視~車体認識AIを活用した交通渋滞の緩和に向けた取り組み~
高知県オープンイノベーションプラットフォームプロジェクトの一環として株式会社オサシ・テクノス様と共同で取り組んでおります、車体認識AIを活用した駐車場の混雑状況お知らせシステムについてご紹介いたします。
本取り組みは、「日本の植物分類学の父」牧野富太郎博士の業績を記念して開設された高知県立牧野植物園の抱える、駐車場の混雑にまつわる課題の解決に向けたものです。
牧野富太郎博士は4月から放送中の連続テレビ小説「らんまん」のモデルにもなっており、今後さらなる観光客の増加が見込まれる中での取り組みになります。
2023年2月17日、「高知県OIPプロジェクト見学ツアー」にて、本取り組みが紹介されました。
牧野植物園の抱える課題
高知県立牧野植物園は高知県高知市にあります標高約250mの五台山の山中にあり、駐車場までの道のりは一方通行の山道となっています。
例年ゴールデンウィークや夏休みなど長期休みに県外からの観光客が非常に増えますが、駐車場が満車になった際に道を引き返すことが出来ず、車が立往生してしまうという課題を抱えていました。
取り組みの内容
駐車場につながる山道の途中にカメラを1台設置し、山道を通る車の行き来を監視することで、現在駐車場に入っている車の台数を把握します。
駐車台数から渋滞が予想される際に、管理者に向け駐車台数の通知メールを送ることで実際に渋滞が発生する前に対処ができるようにします。
監視カメラについてオサシ・テクノス様に協力いただき、カメラの選別、設置をして頂きました。
車体認識について
監視カメラで撮影した画像をクラウドサーバーへ送信し、クラウド上で車体認識を行うことで車の入出数を監視します。
車体認識にはHybridNetsを採用し、認識結果から車の進行方向を分析することで車が駐車場へ入っているのか、出ているのかの識別を行います。
観光バス等の大型車両はその大きさを判定する事で一般車との識別を行います。
駐車台数の監視
Elasticsearch/Kibanaを利用し、各種データの蓄積および可視化を実施しています。
通知設定した台数に応じて、予想駐車台数をもとに管理者へメール送信など通知アラートを発報します。
実地検証の結果
実地検証における本システムの駐車台数カウントの精度は7割強となっており、ピーク時の台数や増減の傾向について概ね実際の台数推移と一致していました。
厳密な台数把握には至りませんでしたが、渋滞対策という観点では現状監視員が目視で確認し通知している混雑状況と近しいタイミングでのアラート通知が実現できました。
今後の展望
現在、より厳密に車の種類(一般車、観光バス、周遊バス、工事車両など)の識別を行い、正確な交通状況の監視が実施できるようAIモデルの改良を実施しています。
また車両台数の通知先として今後はSNSやHP、また電光掲示板との連携についても検討を進める予定です。
今後、本システムを交通渋滞への対策や駐車場の満空監視を実施したいユーザ様に向けてお届けできるよう、サービス化に向けて精度の向上と機能の拡充を実施していく予定です。
株式会社オサシ・テクノス
高知県オープンイノベーションプラットフォーム
Airitech(エアリテック)
Airitech株式会社は、最高のチームワークで、お客様の課題に最高の解決策をご提供いたします。