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石破茂ー令和の田中角栄
石破首相に批判的な人達が、田中角栄の再来だと主張する場面が増えている。
①地方創生と日本列島改造論
地方創生という言葉は安倍内閣の時に出てきたのであるが、安倍内閣の地方創生大臣、つまり初代の担当相は石破茂氏だった。石破氏には『地方創生』という共著もあり、地方創生は氏のキャッチフレーズのようになっている。これは田中角栄といえば日本列島改造論を思い浮かべるようなものだ。
②教育無償化と老人医療無料化
教育無償化は石破氏の政策ではないが、現在、与党と日本維新の会との間で、教育無償化案をめぐって交渉が行われており、話し合いがまとまれば、維新は2025年度予算案に賛成するとみられる。そうなると、教育無償化は石破内閣で実現したことになるが、田中内閣では老人医療無料化が実現した。
国レベルで老人医療無料化が実施される前、大都市部ではすでに無料化されていた。高校無償化も大都市部では実施しているところもあり、これが全国に拡大すれば、似たような経緯を辿っているとも言える。高齢者が少ない時代は老人医療無料化、子供が少ない時代は教育無償化というわけである。
③日中関係改善
現在、習近平来日の準備が行われているが、トランプ政権が日本に無理難題を言ってくることが予想されており、中国カードを持っておきたいという思惑もあるらしい。中国もトランプ政権に備えて日本に接近してきている。
また石破首相とトランプ大統領では相性が悪そうで、日米関係がギクシャクすれば、結果的に日中関係改善が進む可能性もある。
田中首相は日中国交正常化を成し遂げた人物で、石破首相は田中角栄を政治の師匠と仰いでおり、中国も石破氏をくみやすい相手とみているようだ。
④1970年代
今年は大阪万博が開催されるが、1970年にも第一回大阪万博が開催されており、田中内閣は1972年に発足しているので、我々は1970年代初頭のような状況におかれているとも言える。
首相がファンだったというアイドルグループも1970年代に活躍した人達で、石破首相の頭の中は1970年代で止まっているかもしれない。
⑤林芳正官房長官
宏池会の林芳正氏は1970年代に首相になった宏池会の大平正芳氏に似ている。名前も似ているが、田中内閣を外務大臣として支え、日中関係の改善に努めた大平氏と、石破首相を官房長官として支える親中派の人物である林氏には明らかに共通点がある。林氏は次の自民党総裁の本命であり、政界には1970年代のリバイバルが起きているらしい。
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