国民年金法・独自給付等、年金額の調整

国民年金法
第五節 付加年金、寡婦年金及び死亡一時金
第一款 付加年金
第43条(支給要件)
付加年金は、第87条の2第1項(第1号被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、前条第三項に定める額の保険料のほか、400円の保険料を納付する者となることができる。)の規定による保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。

第44条(年金額)
付加年金の額は、200円に第87条の2第1項の規定による保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。

第二款 寡婦年金
第49条(支給要件)
寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が十年以上である夫(保険料納付済期間又は第90条の3第1項(次の各号のいずれかに該当する学生等である被保険者又は学生等であった被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間(学生等である期間又は学生等であった期間に限る)に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を第五条第三項に規定する保険料全額免除期間に算入することができる。)の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間以外の保険料免除期間を有する者に限る)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上子運印関係と同様の事情にある場合を含む)が十年以上継続した六十五歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。
2.第37条の2(遺族の範囲)第3項(被保険者又は被保険者であった者によって生計を維持していたことの認定に関し必要な事項は、政令で定める)の規定は、前項の場合に準由する。この場合において、同条第三項中「被保険者又は被保険者であった者」とあるのは、「夫」と読み替えるものとする。
3.六十歳未満の妻に支給する寡婦年金は、第十八条第一項の規定にかかわらず、妻が六十歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。

第50条(年金額)
寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、第二十七条(老齢基礎年金の額)の規定の例によって計算した額の四分の三に相当する額とする。

第51条(失権)
寡婦年金の受給権は、受給権者が六十五歳に達したとき、又は第四十条第一項各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。

第52条(支給停止)
寡婦年金は、当該夫の死亡について第41条第1項に規定する給付が行われるべきものであるときは、死亡日から六年間、その支給を停止する。(労働基準法の規定による遺族補償)

第三款 死亡一時金
第52条の2(支給要件)
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数が三十六月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。
2.前項の規定にかかわらず、死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
一 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。
二 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であって、当該胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至ったとき。ただし、当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。
3.第一項に規定する死亡した者の子がその者の死亡により遺族基礎年金の受給権を取得した場合(その者の死亡によりその者の配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く)であって、その受給権を取得した当時その子と生計を同じくするその子の父又は母があることにより第四十一条第二項の規定によって当該遺族基礎年金の支給が停止されるものであるときは、前項の規定は適用しない。

第52条の3(遺族の範囲及び順位等)
死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第三項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。
2.死亡一時金(前項ただし書に規定するものを除く)を受けるべき者の順位は、前項に規定する順位による。
3.死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が二人以上いるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。

第52条の4(金額)
死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料四分の一免除期間の月数の四分の三に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の二分の一に相当する月数及び保険料四分の三免除期間の月数の四分の一に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次の表の下欄に定める額とする。
36月以上180月未満・・・120,000円
180月以上240月未満・・・145,000円
240月以上300月未満・・・170,000円
300月以上360月未満・・・220,000円
360月以上420月未満・・・270,000円
420月以上・・・320,000円
2.死亡日の属する月の前月までの第一号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における第87条の2第1項(第一号被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する日以後の各月につき、前条第三項に定める額の保険料のほか、四百円の保険料を納付する者となることができる。)の規定による保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額に8,500円を加算した額とする。

第52条の5
第45条(国民年金基金又は国民年金基金連合会の解散の場合の取扱い)第1項の規定は、死亡一時金について準用する。この場合において、同項中「前二条」とあるのは、「第五十二条の四第二項」と読み替えるものとする。

第52条の6(支給の調整)
第52条の3の規定により死亡一時金の支給を受ける者が、第52条の2第1項に規定する者の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。

第4条(年金額の改定)
この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。

第27条の2(改定率の改定等)
平成十六年度における改定率は、一とする。
2.改定率については、毎年度、第一号に掲げる率(物価変動率)に第二号及び第三号に掲げる率を乗じて得た率(名目手取り賃金変動率)を基準として改定し、当該年度の四月以降の年金たる給付について準用する。
一 当該年度の初日の属する年の前前年の物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数をいう)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率
二 イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の三乗根(n乗するとaになる数、立方根)となる率
イ 当該年度の初日に属する年の五年前の年の四月一日の属する年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額に対する当該年度の前前年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の五年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年における物価指数の比率
三 イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率
イ 0.910から当該年度の初日の属する年の三年前の年の九月一日における厚生年金保険法の規定による保険料率の二分の一に相当する率を控除して得た率
ロ 0.910から当該年度の初日に属する年の四年前の年の九月一日における保険料率の二分の一に相当する率を控除して得た率
3.前項の規定による改定率の改定の措置は、政令で定める。

第27条の3
受給権者が六十五歳に達した日の属する年度の初日の属する年の三年後の年の四月一日の属する年度(基準年度)以後において適用される改定率(基準年度以後改定率)の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率(物価変動率が名目手取り変動率を上回るときは、名目手取り変動率)を基準とする。
2.前項の規定による基準年度以後改定率の改定の措置は、政令で定める。

・付加年金の額については、改定率の改定による自動改定はされない。
・年金給付を受ける権利を裁定する場合又は年金給付の額を改定する場合においては、50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げる。
・調整期間終了後における改定率の改定は、新規裁定者は名目手取り賃金変動率を基準に、既裁定者は物価変動率(ただし物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)を基準に、それぞれ改定される。

第三章 給付
第一節 通則
第15条(給付の種類)
この法律による給付は、次のとおりとする。
一 老齢基礎年金
二 障害基礎年金
三 遺族基礎年金
四 付加年金、寡婦年金及び死亡一時金

第16条(裁定)
給付を受ける権利は、その権利を有する者(受給権者)の請求に基いて、厚生労働大臣が裁定する。

第16条の2(調整期間)
政府は、第四条の三第一項の規定により財政の現況及び見通しを作成するに当たり、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に給付の支給に支障が生じないようにするために必要な積立金(年金特別会計の国民年金勘定の積立金をいう。)を保有しつつ当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる給付(付加年金を除く)の額(給付額)を調整するものとし、政令で、給付額を調整する期間(調整期間という)の開始年度を定めるものとする。
2.財政の現状及び見通しにおいて、前項の調整を行う必要がなくなったと認められるときは、政令で、調整期間の終了年度を定めるものとする。
3.政府は、調整期間において財政の現況及び見通しを作成するときは、調整期間の終了年度の見通しについても作成し、併せて、これを公表しなければならない。

第18条の2(二月期支払の年金の加算)
前条第三項の規定による支払額に一円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。
2.毎年三月から翌年二月までの間において前項の規定により切り捨てた金額の合計額(一円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これを当該二月の支払期月の年金額に加算するものとする。

40.独自給付等
・付加年金は、付加保険料の保険料納付済期間を有する者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給される。

・付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。

・老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合、付加年金は当該申出のあった日の属する月の翌月から支給が開始され、支給額は老齢基礎年金と同じ率で増額される。

41.独自給付等
国民年金法 
第18条(年金の支給期間及び支払期月)
年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。

1.年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。

42.独自給付等
寡婦年金と死亡一時金の両方の受給権を有した場合は、選択受給となる。

43.独自給付等
日本国籍を有しない者が、国民年金、厚生年金(共済組合等を含む)の被保険者(組合員等)資格を喪失して日本を出国した場合、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求できる。2021年(令和3年)4月より、同年4月以降に保険料納付済み期間(国民年金)または被保険者期間(厚生年金)がある場合、月数の上限は60月(5年)に引き上げられた。

国民年金脱退一時金の支給要件
・日本国籍を有していない
・公的年金制度(厚生年金保険又は国民年金)の被保険者でない
・保険料納付済み期間の月数の合計が6月以上ある(国民年金に加入していても、保険料が未納となっている期間は要件に該当しない)
・老齢年金の受給資格期間(厚生年金保険加入期間等を合算して10年間)を満たしていない。
・障害基礎年金などの年金を受ける権利を有したことがない
・日本国内に住所を有していない。
・最後に公的年金制度の被保険者期間を喪失した日から2年以上経過していない(資格喪失日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後に初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以上経過していない)

保険料納付済期間等の月数の合計とは
請求日の前日において、請求日の属する月の前月までの第1号被保険者(任意加入被保険者も含む)としての被保険者期間にかかる次の1~4を合算した月数のことをいう。
1.保険料納付済期間の月数
2.保険料4分の1免除期間の月数×4分の3
3.保険料半額免除期間の月数×2分の1
4.保険料4分の3免除期間の月数×4分の1

国民年金の脱退一時金の計算式
最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額×2分の1×支給額計算に用いる数(保険料納付済期間等の区分に応じて定められている。)

厚生年金保険の脱退一時金の支給額
被保険者であった期間の平均標準報酬額×支給率

44.独自給付等
・特例による任意加入被保険者としての被保険者期間は、死亡一時金の支給要件においては、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされる

・障害基礎年金の受給権を有したことがあるときは、脱退一時金の支給を請求することができない。

・脱退一時金の支給を受けたときは、支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった第1号被保険者としての被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなされる。

45.独自給付等
1.死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数および保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が36月以上であって老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがない者が死亡した場合において、その者に遺族があるときにその遺族に支給する。
2.死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。

46.独自給付等
請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数および保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が6月以上である日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る)が、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、日本国内に住所があるとき、障害基礎年金等の受給権を有したことがあるとき、最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していたものにあっては、同日初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは支給されない。

47.年金額の調整等
1.新規裁定者に係る調整期間終了後の改定率については、毎年度、名目手取り賃金変動率を基準として改定し、当該年度の4月以降の年金たる給付について適用する。
2.既裁定者に係る調整期間終了後の基準年度以後改定率(受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の4月1日の属する年度以後において適用される改定率をいう)の改定については、上記1の規定にかかわらず、物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り変動率)を基準とする。



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