労働基準法・年次有給休暇
37.
・労働義務がない日については、労働日の労働義務を消滅させる効果を持つ年次有給休暇を請求する余地はない。
・業務上負傷しまた疾病にかかり療養のために休業した期間、育児休業期間、介護休業期間、産前産後の休業期間、年次有給休暇を取得した日は、出勤率の計算においては、出勤したものとして取り扱う。
・年次有給休暇の付与日数は、その権利が発生した基準日における1週間の所定労働日数及び所定労働時間数で判断される。週所定労働日数が4日以下で週所定労働時間が30時間未満だと、比例付与の対象となる。
・1箇月の変形労働時間制を採用し各日の所定労働時間が異なる事業場において、就業規則に年次有給休暇中に支払うべき賃金を「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」と定めているときは、使用者は、当該事業場の時間制の労働者が年次有給休暇を取得した日について、年次有給休暇を取得した日の所定労働時間数に応じて計算した賃金を支払わなければならない。時間給の労働者に係る所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金は、時間給の金額にその日の所定労働時間数を乗じた金額とされている。
労働基準法第39条(年次有給休暇)
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
②使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(六箇月経過日)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。
六箇月経過日から起算した継続勤務年数・・・労働日
一年・・・一労働日
二年・・・二労働日
三年・・・四労働日
四年・・・六労働日
五年・・・八営業日
六年以上・・・十労働日
③次に掲げる労働者(一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前二項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(通常の労働者の週所定労働日数)と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数(週所定労働日数・一年間の所定労働日数・雇入れの日から起算した継続勤務期間・6箇月・1年6箇月・2年6箇月・3年6箇月・4年6箇月・5年6箇月・6年6箇月以上、四日、169~216日・7・8・9・10・12・13・15、さん日、121~168日・5・6・8・9・10・12、二日、73~120日・3・4・4・5・6・6・7、一日、48~72日、1・2・2・2・3・3・3・)とする。
一 一週間の所定労働に数が通常の労働者の週所定労働日数(4日)に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
二 週以外の期間によって所定労働日数が定められている労働者については、一年間の所定労働日数(216日)が、前号の厚生労働省令で定める日数に一日を加えた日数を一週間の所定労働日数とする労働者の一年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者
④使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として与えることができる。
一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三 その他厚生労働省令で定める事項(一 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇一日の時間数(一日の所定労働時間数(日によって所定労働時間が異なる場合には、一年間における一日平均所定労働日数)を下らないものとする)二 一時間以外の時間を単位として有給休暇を与えることとする場合には、その時間数(一日の所定労働時間数に満たないものとする)
⑤使用者は、前各号の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
⑥使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定により有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。
⑦使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時期を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
⑧前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。
⑨使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間または第四項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間についてh、それぞれ、健康保険法第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
⑩労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によって休業した期間は、第一項及び第二項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。
38.使用者は、年次有給休暇(その日数が10労働日以上である労働者に係るものに限る)の日数のうち5日については、原則として、基準日(継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。なお、労働者の時季指定又は計画的付与により年次有給休暇を与えた場合においては、当該与えた年次有給休暇の日数(当該日数が5日を超える場合には、5日)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。
39.使用者は、労使協定により、次の1~4に掲げる事項を定めた場合においては、1に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、年次有給休暇の日数のうち2に掲げる日数については、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
1.時間を単位として有給休暇を与えることができるとされる労働者の範囲
2.時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(5日以内に限る)
3.時間を単位として与えることができることとされる有給休暇1日の時間数(1日の所定労働時間数を下回らないものとする。)
4.1時間以外の時間を単位として有給休暇を与えることとする場合には、その時間数(1日の所定労働時間数に満たないものとする。)