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今年、少なくとも3回は「世之介」に会っている気がする

以前、noteの『読書の秋2020』読書感想文コンテストの課題図書のひとつに『横道世之介』が選ばれていることを知って思わず心が動いた話を紹介させて頂きました。

この作品の感想やレビューなどでよく語られている、なにげない日常の愛おしさと、それが当たり前ではないことを知る時の寂しさ。作品に触れた人は解ってもらえると思いますが、まるで自分にも世之介という友人がいて、時々ふとした時に思い出すような感覚。しかしこれが最近、どうも感覚レベルの話ではなくなってきているような気がするのです。

今年2020年の2月5日、Twitterのトレンドに突然「横道世之介」が出てきました。一体何の事かと思ったら、小泉進次郎氏とクリステルさんのお子さんの名前が「道之助くん」と発表されたとのこと。このニュースへの反応で、たくさんの人が横道世之介のことを思い出してツイートしていたことが発端のようでした。

「世之介と出会い過ごした日々の思い出を振り返る」という物語全体の構成の話ではなくて、実際に私たちが暮らしているこの世界で、多くの人が本当に世之介のことを思い出している現実を目の当たりにして、もう世之介は普通にいる昔の友達と変わらないんだなと実感しています。

そして今度は『100日後に死ぬワニ』がブームになって、その読後感の堪らない寂しさに、みんなが世之介のことを思い出して、またツイートで話題になっている…。世之介のことをよく知る友人たちが、各地にもたくさんいるようです。

それにしても『横道世之介』の映画が公開されたのは今から7年前、小説の発表は12年前のことです。小説も映画も、それから毎年たくさんの作品が世に出ているはずなのに、なぜかいつも時を越えて思い出される世之介という男。

そしてnoteの『読書の秋2020』読書感想文コンテストで、またまた世之介を思い出す展開。今年3回目です。両親にさえ年に1回しか連絡取ってないのに。

   

先週ほとんどnote記事を作成出来なかったのは、ちょうど1週間前の日曜日に先輩の送別会にて今年初めてお酒を飲んだせいで、予想通り体調を崩したことが原因だという説が私の中では有力なのですが、かつて映画『横道世之介』のヒロインの祥子さんに惚れ込んで、祥子さん役を演じた吉高由里子さんがCMに出演しているハイボールをたくさん買った挙げ句、3日でギブアップした当時の黒歴史が甦りました。

若い時は人並みには飲めたはずなのですが、飲まないから弱くなったのか、弱いから飲まなくなったのか。どちらにしても、おそらく今年はもう飲みません。そしていつか再び気の迷いでお酒を飲んだ時には、世之介や祥子さんや彼のたくさんの友人たちに、温かな思いを巡らせたいと思います。

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