【じじい放談Ⅲ 第14会 落選投票】

「この人(政党)は当選させたくない!」と思ったときの選挙制度がありました。 「落選投票」の話です。

『オーストラリアの元老院(Senate)選挙では、有権者は候補者リストに順位を記入することで当選者を選出します。この方式は比例代表制に基づいており、以下の手順で当選者が選出されます。
1.候補者リストの作成: 各政党や政治連合は、元老院選挙において立候補する候補者のリストを作成します。このリストには、各政党が選挙区ごとに推薦する候補者の名前が含まれます。
2.有権者の順位付け: 有権者は選挙日に投票所で選挙用紙を受け取り、候補者リストに順位を記入します。有権者は自由に候補者の順位を選ぶことができます。一部の州では、候補者リストに対して完全な順位付けが必要ですが、他の州では選好票(preference voting)として記入することも可能です。
3.第一の議席配分: 選挙管理委員会は、最初の議席配分を行います。この配分は、有権者が選んだ第一の選好票に基づいて行われます。候補者が所定の得票数を超えた場合、その候補者は直接当選します。
4.剰余票の再配分: 当選者が得票数の上限に達しない場合、得票数が最も低い候補者が除外され、その候補者が持っていた剰余票が再配分されます。剰余票は、有権者の選好順位に基づいて、次に最も高い選好票を持つ候補者に再配分されます。
5.議席の埋まりと当選者の選出: 上記の剰余票の再配分が繰り返され、全ての議席が埋まるまで続けられます。最終的な当選者は、得票数が最も多い候補者から順に決定されます。
このように、有権者が候補者リストに順位を記入することで、比例代表制に基づく元老院選挙の当選者が選出されます。順位記入による選挙は、候補者の支持者の選好を反映し、より多様な政治的な意見が元老院に反映され (出典: chatGPT オーストラリアの選挙制度 順位記入)』

『記事の抜粋
どの候補者も政党も決め手に欠ける。どこに投票したらよいのか……。選挙のとき、そんなふうに感じた経験はありませんか? でも、あなたがオーストラリア人ならば、そんな悩みは必要はないかもしれません。なぜなら、「必ずしも1人、1党に絞り込む必要なし」という選挙の仕組みだからです。どの人の投票も「ムダ」になりにくいことから、「世界で最も完璧に近い投票制度」と呼ぶ人もいるこの選挙、いったいどんなものなのか、紹介してみたいと思います。(朝日新聞シドニー支局・小暮哲夫)
得票数が少ないのに……当選!?
 まず、オーストラリア選挙管理委員会が例として挙げている2010年の下院(小選挙区)の例を見てみましょう。
■1回目の集計(有効投票64859、32430票で過半数)
・ウィルキー(無所属)13788
・ジャクソン(労働党)23215
・バーンズ(社会主義者同盟)856
・シンプキンズ(自由党)14688
・クーサー(緑の党)12312
 当選したのは誰だったと思いますか? 
 答えは、ウィルキーさんです。これは「1回目の集計」で、最終的な得票は33217票。2位のジャクソンさんの31642票を上回りました。
(出典: https://withnews.jp/article/f0171016001qq000000000000000W03510101qq000016047A  「世界で最も完璧に近い投票制度」)』

政治家が市民(国民)の意志を考えず、一部市民の支援者の意志で当選し働いています。 低い投票率で強い拘束力を持つ宗教団体が支持する政治家の当選には違和感を持ちます。 適当と思える政治家が居ない場合、候補者を選ぶのが嫌な時など、投票を棄権すれば適当と思わない政治家が当選することになります。 ほとんどの選挙制度は適任者の投票で不適任者の投票では無いからです。
市民が政治に関心を持てば、今の選挙制度でも市民の意志を反映する当選者を選ぶことはできますが、政治に信頼が持てなくなると投票率が下がり、強い支持者の支援を受けた候補者が当選し、支持団体のための政治が横行します。
イギリスで生まれた順位記入式の選挙制度がオーストラリアで改良され、「世界一完璧な選挙制度」と言われる選挙制度に成りました。 候補者に順位をつけることで、最下位の候補者を落選させることができ、当選定員(過半数の得票で当選)まで繰返すことで多数決による死票(しにひょう)を極力防ぎ、市民全体の意志を反映した政治家を選ぶ制度と言われています。 コンピュータの普及で複雑な開票作業が出来るようになった恩恵です。

完全な民主主義は無い事は分るが、考える時間がたっぷりある「じいさん」が「市民(国民)の事を第一に考えてくれる政治(家)」についてボヤきます。

収録 2023-6-15
配信 2023-7-2
ロケ地 龍潭(首里城)@那覇市

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