魚食ラブ
地域がつながる協同販売所「サカナヤマルカマ」 さんが海のじどうかんにやってきました。
鹿児島の阿久根から届く鮮魚には、オジサンやオニカサゴなど鮮やかな色の魚も混ざり、小田原の地魚ではクロダイに花鯛、ホウボウなどが並びます。
ホウボウのヒレを開いたら、孔雀の羽根みたいな美しさにみんなが拍手。
「ちゃんと処理したホウボウは出汁が素晴らしい。アクアパッツァなんかやったら、最高だよ」
アンコウは「ほら、手みたいな形にヒレが進化してるだろ。これで海底を移動するんだよ。海底の砂に潜って、アンテナを水面で揺らして、エサだと思って寄ってきた魚を、丸呑みにしちゃう」なんて説明を聞いては、「おおー!」と、どよめき。
多種多様な魚たちを目の前にしてウエカツさんが美味しい食べかたを伝授するのを、子どもたちは皆 (大人も!) 超集中して聞いていました。
個人的には、あら汁の作り方が目から鱗!
カマを真ん中で半分に割り、中の血合いはブラシできれいに洗い流します。熱湯処理はせず、ごく少量の味噌をといた水(!)に入れて、大根と一緒に煮るのです。
熱湯処理はしないんですか?と聞くと、「中をきれいにしないまま熱湯をかけても、翌日には臭くなっちゃうからね」と。
さらに、具材が煮えた頃、味見の上、ほんの一瞬だけ昆布を入れて、すぐに引き上げ。昆布、いちばんはじめに水から入れるんじゃないんですね?と聞くと、
「昆布には二種類の役割があってね。最初に入れる昆布は、味に深みをつけるため。途中で入れる昆布は、具材すべてのうまみを引き出すため。今回は後者ね」と。
仕上げは好みで、塩か醤油か味噌で味を整えて、ネギをはらりと乗せていただきました。そのお味は、じょ、上品〜
「海や魚が変わりはじめたのは、二十年前くらいから。最近になってその変化が加速している。ブリは北海道でじゃんじゃん揚がるし、アイゴは小田原にもくるようになった。
これまでは、獲れるだけ根こそぎ獲るみたいな、人の都合で海を使ってきたでしょ。これからは逆に、海の都合に人が寄り添っていくしかない。美味しい食べ方を広めながら、海や魚が今どういう状況か伝えるのも大切なことだよね。
消費者には、がんばって売っている人がいる限り、がんばって支えてもらいたい。”安ければいい”ではなく、価値相応の値段で買って食べて支えてほしい。そうすれば、生産者と消費者がお互い支え合う関係に持っていけるんじゃないかな」
価値相応の値段。
ほんとそうだなと思います。
一次産業従事者に正当な対価が支払われる仕組みがなくちゃ、食べ物を作る人がいなくなっちゃう。いわゆるオーガニック&リジェネラティブ=食べ物を育てながら人の健康にも、地球の健康にも貢献しようと動く人のことは、皆で支えなくちゃ。
スタバの新作を飲むのに600円がOKなら、
新鮮ぴちぴちの花鯛が三匹600円って
安すぎるかもしれないなー
楽しいお話とデモンストレーションを見ながらのお買い物で、ツノザメやキビナゴのフライ、すり身揚げや南蛮漬けなどのお惣菜はあっという間に完売!
一方で、丸のままのお魚は少し残りました。皆お魚は大好きだけど、ゼロから調理するのはやっぱりハードルが高いのかな...?
作ってもらったお魚料理はもちろん美味しいけれど、持ち帰って自分でウロコをとり、さばくところから、刺身、塩焼き、唐揚げ、煮付けに変身させる楽しさも子どもたちに少しずつ伝えていけるといいなーと、改めて感じた午後でもありました。
お魚ラブ♡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?