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森と、海と、生態系と
私たちの活動拠点である逗子海岸に面した藪の斜面。
切り立った崖の中に隠れた小さな谷戸(やと)が残っていて、中にはマダケの竹林が広がっています。
放置されて荒れていたこの場所へ、地権者さんとのご縁をいただき、地域の親子で整備に入るようになりました。
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今日は、整備をはじめて6回目。
春に鬱蒼としていた藪は光がさす小さな広場になり、海側には風が抜ける緑の窓ができました。
風と光が通るようになると、短期間でも植生が少し変わります。初期の頃より確実に、いい「気」の抜ける場になっています。
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森は、海の恋人。
気仙沼の牡蠣漁師、畠山さんは、海へと注ぐ川の上流に植樹を続けていました。
「逗子湾で減り続ける魚や貝を増やすにはどうすればいいかな?」
「魚や貝のエサになる植物プランクトンや海藻を増やすしかないよね」
「じゃ、植物プランクトンや海藻を増やすにはどうすればいい?」
「カギはどうやら、森から流れ出る腐葉土にあるみたい」
ということで、
「広葉樹が茂る健康な森から海へと、水が滞りなく流れたら、海は確実に少しずつ元気になる」
という教えを胸に、皆が大好きな逗子海岸に繋がる森の竹藪をきれいにして、木を植えて、腐葉土たっぷりの水を海に還すプロジェクトをはじめました。
これで、少しでも海藻が海に戻ってくれたら...!
という壮大な夢。
一人じゃ無理だけど、皆の力でならもしかしたらと、少しずつ進めています。
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今日の活動に誰よりも早く到着していた4年生の男の子は、ひとりで奥地を探検。念願の夏みかんを嬉しそうにGETしていました。
その母はかっこよく腰ベルトに竹鋸を挿し、皆が倒した竹の残骸を丁寧にきれいにしてくれていて。
とびうおクラブ代表の Takumi Nagai は「入り口が鬱蒼としているのが陰気臭くて嫌だなと思って」と、一人でやったとは信じられないようなすごい範囲をガンガン切り開いていました😂
プロジェクトのリーダーを引き受けてくれたお父さんは淡々と場を開き、今が旬の真竹のタケノコを収集して皆に分配してくれました。
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わたしも皆の仕事に触発されて「もう1本、風と光の抜ける道をつくろう」と奮闘すること3時間。
息子そっちのけで作業した末(笑)、トレイルにもう1つ、光の通り道ができました。ちょうど地元の映画館で映画『杜人』を観たばかりで、気分は完全に現代のナウシカ。
「風のように草を刈り、イノシシのように土を掘る」のに夢中でした…
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▼ご参考:
おすすめ映画『杜人』 https://lingkaranfilms.com/
![](https://assets.st-note.com/img/1654352839926-qdQaXPGX4U.png?width=1200)
あまりに速いスピードで育つ竹。
日本中が「竹害」と呼ばれる課題を抱えているけれど、本来なら竹は木よりも柔軟で強靭で、その成長の速さゆえに重宝されてきた素材です。
新芽から皮まで余すところなく使えるから、資源としてきちんと活用できていた頃はありがたい植物であったはずでした。
人の暮らしが自然から離れ、衣食住のすべてを買うことができるようになった便利さと比例するように、全国の竹林は荒れるようになっていきました。
竹林整備は時間がかかるし、大変だから、しょうがない...?
いやいや!
この時期が旬の真竹のタケノコは、めっちゃ美味しい。孟宗竹のタケノコより小さいけれど、アク抜き要らずというありがたい森の恵みです。
むしろ、どうして今まで放置してしまっていたんだろう😂
サッと下茹でしたら、炒めても炊き込んでも、固いところは細かく刻んでシュウマイにしても美味しい。いくらでも食べれてしまいます。
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楽しく開拓して、美味しくいただいて...
って、もう一度、子育て世代が全国の竹林に楽しみながら入っていけたら、美しい里山風景が戻ってくるんじゃないかなあ。
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森の開拓って、誰もが思わず「ワイルド」に戻ってしまうものです。 動くほどに童心が蘇り、大人もワクワクが止まらない不思議。
地域の生態系を豊かにするのだと念じながら取り組んだら、高揚感もひとしおです。
次回はどこに風を通そうかな!
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