いのちと、家族と、絆――はかなく、愛しいもの
いのちと家族と絆――それは本当に、表面的なことからは大して何もわからない。つかめない。
それぞれの家族やつながり、その存在によって、形や想いは似ているようでいてまったく異なる。
個性的で、そのとき、その場によっても変化する。
はかなくて、奥深くて、味わい深い。
そんな当たり前のことをあらためて感じた2日間。
うまれるシリーズの上映会を開催して
先週末、『家族について話そう~うまれるシリーズ上映会』をアンカー市川と共催した。
このコロナ渦で上映会!?・・・いやいや、なかなか会えない、話せない、分断の深い今だからこそ、安全に配慮し、安心してつながり、話せる場を作りたい。
そんな思いで、小規模開催した今回の上映会。
2日間の午前と午後を通した運営はなかなかヘビーだったけれど、多くのお力添え(と理解ある家族のおかげ)で、何とかやりきった。
結果、やっぱり、やってよかった。
(初日午前中だけ集合写真を撮りそびれてしまった・・・)
ご多忙の中でご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
みんな、表立って口にすることはないけれど、幼くして、いのちを亡くす経験もやっぱり結構ある。妊娠中に産めなかったこと。そして、生まれてから数日で亡くなってしまったこと。
そんなはかないいのちへの想いも相まって、そして、家族とうまくいかない、いかなかった過去も、それぞれが抱えていて、
でも、やっぱり、人は人と生きていく存在なんだと痛感する。
それは何も、必ずしも、家族でなくてもいい。
それでも、家族は、何を置いても、特別な存在。
ある参加者さんが口にした「映画の中で、みんなが『ずっと、一緒だよ』『ずっと一緒にいよう』と何度も言うのは、きっと、ずっと一緒にいられないことを無意識に知っているから」という感想。
映画の中では、家族との限りある時間を、それぞれが精いっぱい過ごそうとする。
でも、私たちは普段、どれだけ意識しているだろうか。
家族と一緒にいられる時間は無限ではないこと。
生まれる存在は、いつか亡くなる存在でもあることを。
はかない。だからこそ、尊い。大切にしてほしい。いのちも、家族も、絆も。
また機会があれば、開催したい。何度でも。
何度観ても、そのときに響く物語がある。
そんな映画を上映できて、ご縁があった参加者の皆さま、協力者とつながることができて、生きているって面白いなぁ、家族って嫌になるときもあるけど、やっぱり良いなぁと深く、深く沁みた8月の週末。
参加者の感想より
以下、参加者からの感想から抜粋した言葉を。※( )は私なりの解釈。
『愛があるから家族になり、幸せになれるのだと思った。「家族」っていいですね。』
(きっとこの方の言う愛は深く、複雑。表面的な「好き」にとどまらない、時に悔しさや悲しさもはらんだ、人生そのものに寄り添う感情を含むのだろう。)
『どの生命も意味があって、生かされているということ。改めてかかわりを、伝えていくこと、会話することを大切にしていきたいと思いました』
(意味を見出せると人は前に進める。それは人の性だと思う。伝える、会話するって、エネルギーがいるんだよなぁ。すごく共感。)
『いろいろな形のいのちのリレーがあって、自分にとって身近であると気づかされました』
『家族の形や血のつながりなど考えさせられるいろいろな家族のストーリーが良かった』
(映画には障害のある子育て、初めての出産に臨む夫婦、死産を体験する夫婦、不妊治療の末に妊娠を断念する女性、ステップファミリー、パートナーを看取る夫――とさまざまな人が登場する。いのちの在り方、家族の絆の紡ぎ方は本当に千差万別。その多様性に刺激される。それぞれの作品を個別に観たことのある人も、機会があれば、ぜひ2本通して観てほしい)
『「うまれる」ことは当たり前でないことをあらためて感じた。今、こうして生きていることが、普通で生きていることが素晴らしいことだと思った』
(誕生学プログラムでもお伝えしているように、いのちは奇跡の連続。生きることは本当に尊い。誕生学とは異なる形で伝えられて嬉しい!)
また、コロナ渦での開催や、会場への感想もいただいた。
『コロナウィルスの中ですが、上映会を企画していただきありがとうございました』
『上映会を継続していくのはすごくいいと思います』
『とてもリラックスした環境で鑑賞することができて良かった』
共催のアンカー市川と、上映会を後押ししてくださった協力者の皆さま、家族にあらためて感謝したい。至らない点が多々あっただろうに、最後まで伴走し、お力添えいただき、本当にありがとうございます。
今週末には、多職種連携で産前産後をサポートする助産宿の『お産のおしゃべり会』を、9月13日(日)には『空気を選ぶ時代~香りの科学の学習会』を予定している。
誰もが安心して、自分らしく輝ける地域社会にするために。できることをできるだけ。またイベントで多くのつながり、気づきが得られるよう、尽力していく。私もたくさんの方に頼りながら、誰もが集える場、頼り、支え合える場をつくっていく。