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子育てと「北風と太陽」

今、私の会社では、CONOTYという子育てママパパをサポートするアプリの開発をしており、この秋のリリースに向けて絶賛開発中です。

Noteを通じてアプリのことやリリースについて紹介できたらと思い、Noteを始めましたが、時々週末はアプリ開発から離れて、子どもと過ごす中で気づいたことなどを徒然に書いていこうかなと思い、Noteを書いてみます。

会社についてはこちらに記載していますので、よかったら読んでみてください。


「北風と対応」のきっかけ

先日、9歳のお姉ちゃんに「北風と太陽」の話を例にして会話をしました。

シーンとしては、6歳の弟くんがやるべきことをやらず、お姉ちゃんが頑張ってやらせようとしたのですが、それでもなかなかやらないので、ついにお姉ちゃんが怒ってしまいました。

やることをやらず、お姉ちゃんの話も聞かない弟くんが悪いですね。

お姉ちゃんは私のところに来て「弟くんがやらない!」とプンプンです。パパからも叱ってほしいという思いが溢れ出ています。

そこで私は弟くんのところに行って、怒るのではなく、会話をしました。

「弟くん、今お話しできる?」から始まり、「今、何をやっているの?」「今は何をしないといけない時間か分かる?」「それは弟くんはできるのかな?できないのかな?」と聞いたり、「それは楽しそうだね。でもこの時間はこれをやってほしいんだよ。なぜパパたちはそれをやってほしいのか」などなど。

時間にして3分くらいでしょうか。

弟くんは「わかった!」とすぐにやってくれました。

お姉ちゃんはちょっと不服です。
「弟くんはパパの言うことはすぐ聞くんだよ」と。

ここで、お姉ちゃんと「北風と太陽」の話をしました。

「人に何かをやってもらいたいとき、相手がそれをやりたいという“気持ち”を作ってあげないといけないんだよ」

「さっき、お姉ちゃんは弟くんに『いい加減にやりなさい!』とか『やらないとお仕置きだよ』って言ってたじゃない?」

「もしお姉ちゃんがそれをパパから言われても、『分かった』ってなりにくいでしょ?」

「きっと『今これやってるのにー』とか『いいところだから終わるまで待ってよ』って思ったりするよね?」

「しかも、怒られるような言い方されたら、お姉ちゃんも嫌な気持ちになって、余計にやりたくなくなるんじゃない?」

お姉ちゃんは「うん、うん」と。

「だからパパは最初、弟くんとお話しして、弟くんの今の気持ちを聞いて、こっちの気持ちも伝えて、どうやったら弟くんがやってくれるかを一緒に考えたんだよ」

「弟くんが『わかった、確かにそれならやらないと』とか『それだったら頑張ってやりたいな』ってなるようなお話をいっぱいしたんだ」

なかなか「北風と太陽」の話が出ませんでしたが、ようやくです。

「『北風と太陽』を知ってるでしょ?北風さんは『脱げ脱げ』ってコートを飛ばそうとしてたけど、コートを脱ぐことはなかったでしょ?だって北風が吹いたらコートを脱ぎたくなくなるもん」

「太陽さんは暖かくしたじゃない?暖かくなったらコートを脱ぎたくなるでしょ?太陽さんは脱がせようとしたんじゃなくて『脱ぎたい』って気持ちを作ってあげたんだよ」

「だから誰かに何かをさせたい時、してもらいたいときは、それをやるように言うんじゃなくて、相手がやりたくなるようにしてあげないといけないんだよ」

お姉ちゃんも「なるほどー」と。お姉ちゃん自身も弟くんの立場になることがあるからでしょうか、すごく納得してくれました。

もちろん、次の機会には「弟くん!しっかりやってよ!」と怒っていたのですが笑

自分なりに整理してみる

お姉ちゃんにこの話をしてから、私自身もこのことについて考える機会が多く、ちょっと整理してみました。

前提として、私の考え方としては、親子という関係の中で絶対的な親の責任、人生をかけて子供を幸せにする、幸せになれる人になるガイドをするんだという想いがありますが、基本は人と人の人間関係だと思っています。

なので、相手に何かをさせたいとき、してもらいたいときに相手が「やりたい」と思えるようにするというのは、対子供だけではなく、仕事関係でも、友人でも同じことです。

ありがたい事に私は20代から仕事で部下を持つ経験をさせてもらい、色々な失敗と反省を繰り返させていただいたので、相手に何かをしてもらうという事についてはたくさんの経験をしてきました。

本人の職務上やらないといけないことはもちろん「あれやって、これやって」でいいのですが、内容によっては「なんで私がこれをやらないといけないの?」となるようなこともあると思います。

その時「いいからやっといて」と相手の気持ちを無視してやらせる「北風」タイプのアプローチされたら余計に嫌な気持ちになりますよね。

やって欲しいのは分かるし、やる意味もわかる
でもやりたい気持ちになってない

これって大人も子供も関係なく、人としてごくごく普通にのことだなって思うのです。

ですので、「北風と太陽」の話は、

やらないといけないとか、やったほうがいいという論理的な話だけではなく、相手がやりたい気持ちになるという感情的な部分も加味された話なんだなと気づきます。

さらに考えてみると、「北風と太陽」の話の延長で考えてみるともう2つポイントがあります。

「北風」になってしまうと、お互い不幸になる

*やって欲しいことをやらない → 自分イライラ
*怒りの感情で怒ってしまう → 怒られて子供もイライラ
*イライラしてるからよりやりたくないし、やらない → 自分さらにイライラ
*より怒ってしまう、もしくはやらないと○○だよと相手にとって嫌な条件を出してしまう → 子供さらにイライラ

結果、二人ともすごい嫌な気持ち
子供は嫌な気持ちのままやらされるから、そのことが嫌な事になる
→長期的にこの繰り返し

「北風」になって「怒る」ほうが楽

大人だって人間ですから、最初は優しく言ってても、あまりに言うこと聞いてくれないと感情的にイライラしてしまうものです。

その感情に任せて口を開けばどうしても怒ってしまいます。

そこから一度感情を落ち着かせて、もしくは感情を抑えて、相手の気持ちを察しながら、相手が「やりたい」という気持ちになるよう導いてあげるというのはなかなか大変な事です。

ましてや朝起きてすぐだったり、出かける準備をしてるときだったり、晩御飯作ってるときなど、時間が決まってたり、手が空いてなかったりするとどうしても心に余裕がありません。

まさに、そうしたほうがいいのは分かってるけど、そうしたいとは思えない状態ですね。

私なりに気を付けていること

これを出来るようにするために、私が気を付けてることを整理してみました。

こっちがイライラする前に先手先手でアプローチする

私も人間ですから、どうしてもイライラしてしまうことがあります。
これ以上先はイライラしてしまうとなる前に、声をかけ会話し、やってもらえるようにしています。
この状態が続くのが理想ですね。

イライラしたら口を開かない

私はそこまで強くはないので、イライラした感情を抑えて、冷静に会話するのは難しいです。最初はできても、ちょっとでも相手の反応が悪いとすぐに怒るような口調になってしまいかねません。
それではどんな内容を伝えても相手は受け取ってもらえませんので、ただお互い嫌な気持ちになる意味がない時間になります。
なので、イライラしたときは口を開かない。感情が落ち着いて冷静になってから会話することを決めています。

そもそもほとんどの人はきちんとやれないし、やりたくないことはやりたくないを受け入れる

それぞれの人がそれぞれの理解や感情があり、能力も違えば考え方も違うのは当たり前で、ほとんどの人は(経験上は全員ですね)、こちらの理想通りには動いてくれないし、なんでって思うくらいこちらからすると無駄なことや意味のないことをやっています。

例えば、朝すぐ起きて、早くご飯を食べ終わり、歯磨き、トイレ、お着替え済ませて、忘れ物チェックして、余裕を持って学校へ行く。

いいことしかないし、やって当たり前と思うかもしれませんが、そんな簡単にさらに毎日きちんとなんて出来ないですね。

大人だって、毎日ちゃんとやれてるかって言ったら、寝坊する時もあるし、食欲ない時もあれば、会社に行きたくないなって準備が進まないことだってあるわけですし。

そもそもこっちが正しいとどんなに自信を持って言えることでも、それを完璧にこなす人なんていないっていう理解から始まらないと何だってイライラしてしまいますよね。

やって当たり前ではなくて、やれないのが当たり前というところからスタートしたほうが、ほとんどの場合事実と合致してますし、こっちの精神的にも余裕ができます。

やるべき、やって欲しいは普段の会話から、そして何度も伝える

個人的にはこれが一番大切かなと思っています。
例えば、なぜ朝は急いで準備しないといけないのかを、朝急いでないという状況になって伝えても、いきなりで分からないんですよね。しかも自分はそもそも悪くないと思ってるのに急に怒られたら余計に受け入れにくいです。

なので、その場面になった時に急に言われても、相手が冷静に理解するのは難しいです。

普段の何気ない会話の中で、例えば絵本を読んでる時でもいいですし、お風呂に入ってる時でもいいかもしれません。伝えられるチャンスが来たら、朝は急いだほうがいい、朝は必要なことだけをやったほうがいい、時間が余ればやりたいことをやればいいというのを会話して、そういう場面で相手と理解を合わせて、合意しておくことが重要です。

本人がそうした方がいい、そうしないとダメだという理解が前提にないと、例えこちらからしたら出来ていない状態でも、本人は出来てないと思っていません。

まずはお互いの理解が同じになっていることが重要で、そのためには普段から何が大切なのか、何を守らないといけないのか、何をやって欲しいのか、やって欲しくないのかを合意しておく必要があります。
ここで大切なのは合意です。一方的な指示や提示ではありません。

さらに、一回言っただけでは出来ないと思った方がいいです。むしろ「一回言ったよね?」はチャンスを逃してます。

伝えたこと、合意したことを失敗した時こそチャンスです。話だけでは理解できてもそもそもそれがどういうタイミングでどう実行するのかまでは理解できていませんので、実際は上手に実行には移せません。
失敗した時「あの時話したのはこういうことだよ」と教えてあげて初めてなるほどとなるのです。

話だけでは抽象的なままなので、失敗した時初めてそれが具体的になるんですね。具体的に経験すれば、また抽象的に話だけで理解が進みます。

そもそも、一回言われただけで全てが身につくなんてことはありません。伝えられる場面があれば、何度でも同じ話をする必要があります。
そうするとだんだん向こうから話を遮って「こういうことでしょ」と出てくるようになります。

それがお互いの約束事になっていき、それができてなかった時に相手も出来てないという理解になるから、こっちのやってほしいややるべきという話に対して、受け入れてもらえるし、やりたい、やらなきゃという気持ちになるんですね。

そこからスタートできれば、そうではない時と比べて大きく差が出て、よりスムーズに相手も動いてくれますし、お互いイライラしなくて済みますので、幸せな時間が続きます。

最後に

普段自分が考えたことなどを自分なりの整理と再確認の意味も込めて書いてみましたが、思った以上に長くなってしまいました。
まだまだ整理が下手ですね。

再度まで読んでくれた方、本当にありがとうございます。

子供と向き合ってく中での気づきなどもこういった形で書き出すことで、私自身の整理にもなりますし、一部でも誰かにとって役立つ情報になれれば幸いです。

ではまた次の記事で。


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