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母が魔法使いだった話
こんにちは、愛音です
今月からお弁当を作って就労移行に通っています。おかずは残り物か冷食にお世話になり、玉子焼きだけは作ってます。
幼稚園の時から母の手作りお弁当が楽しみでした。ただ小学生になるとお弁当を作ってくれるのは運動会や遠足のときだけ。でも兄は塾で食べるお弁当を持って行っていました。
母のお弁当ファンの私としてはそれが面白くなかったです。
お弁当なので食べる時には冷えたご飯と冷えたおかずになります、でも私にとってそれは特別なご飯だったのです。なぜなら幼稚園の時から蓋を開ける瞬間がワクワクドキドキでしたから。今日はあのおかず入ってるかな?海苔で顔は作ってくれたかな?
お兄ちゃんはいっつもお弁当なのに
なんで私はお茶碗のご飯なの!
そうはっきり伝えた記憶はないのですが、心の中では思っていました。母も私が兄へ嫉妬してることは伝わったのでしょう。
今日はお兄ちゃんのおかずが沢山余っちゃったの
だから愛音ちゃんの夜ご飯もお弁当にしてもいいかな?
こうして、時々私は家にいながら母のお弁当を食べていました。母はやっぱり私の母です。兄妹どちらかを特別扱いせず、どちらの気持ちも受け取ってくれる。家で食べるお弁当もやはり特別な味です。
母の玉子焼きは温かい出来立てよりもお弁当に入れて、冷たくなった方が好きでした。冷たくてもふわっと甘い味が広がると自然と笑顔になるくらい。
母のお弁当には笑顔の魔法が詰まっていました。
今でも心残りなのは、母へ一度もお弁当を作ってあげられなかったことです。母から笑顔の魔法を教わっていたのに、私はそれをお弁当箱に詰めることが出来なかった。
入院中の母へお弁当を持っていったらどんな顔をしてくれたのかな?笑顔かな?もしかしてびっくりして泣いたかな?
もう今ではこれは叶えることが出来ないことですが、母が教えてくれたお弁当箱から始まる笑顔の魔法は自分にかけています。
午前中訓練を頑張って、お昼休憩になれば冷えたお弁当が待っている。母から教わった料理はほとんどないのですが、冷えた玉子焼きを食べるとどこかで食べた味がします。
砂糖の量、ほんだしと醤油の加減、なにも教わってないのに毎回玉子焼きは懐かしい味になっている。冷たいのに出来立てよりも美味しいと感じるのも懐かしく不思議な感覚。
もしかしたら母は今でも、私のお弁当へ魔法をかけているのかも。1番好きなおかずである、玉子焼きへそっと魔法をかけて、訓練頑張れたよ!とメッセージを添えてくれているような。
不思議な話ですけど、母ならやってくれそうです。だって私は母のお弁当ファンで母は私の応援隊長ですから。
今も忘れてないよ。
お母さんが魔法をかけてくれた沢山のお弁当のこと。
これからも私がお弁当作る時には手伝ってくれる?
だってお母さんは魔法使いなんだもの!
よろしくお願いしますね♪
*愛音*
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