まあるい臍の緒
悲しい事実と無償の愛。
コロナ禍になって、確実に死産が増えたと思う。
とくに妊娠中期。
コロナにかかってしばらくして
胎動を感じなくなったり、
健診にきて心拍が止まってることを知る。
ウイルスが胎盤を通して
赤ちゃんの心臓まで痛めているのかもしれない。
私は、普段から「死」にご縁があるようで
死産の立ち会いがめっきり多くなった。
つい先日は、まだ若いご夫婦。
悲しみの中でも赤ちゃんへの愛を感じた。
処置の日の前日、
夜なべして手作りのぬいぐるみを作っていた。
お洋服も、靴下も、写真も。
そして声無き出産を経て
我が子を包み込むような優しさと愛で抱擁した。
私は初めていい死産に立ち会った。
〝いい〟はあくまで私の主観。
でも寄り添った手をしっかりと繋いでくれて
棺ごと抱っこしたり、2センチほどの足型をとったり、赤ちゃんとの想い出を教えてくれた。
こんな時、私たちにできることは少ない。
こころを寄せて祈りを捧げる。
臍の緒を集めて丸い円を描いてお渡しする。
この命が巡り巡って
またここに還ってきますようにと願いを込めて。
尊いいのち、生まれてくれてありがとう。
いのちを教えてくれて、ありがとう。
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