異次元の少子化対策─近親婚
最近、Twitterで同性婚が認められるなら、近親婚を認めてもいいのではないか、というツイートをときどき見かけるようになった。
①近親婚で人口が増えた
この作家は、近親婚で人口が増えたという主張をしたことで知られる。これは神話の世界にも、アダムとエヴァやイザナギとイザナミのように近親婚により子孫を増やしたと推察される記述があり、決して異常な主張というわけではない。
②近親婚と王族、皇族
澁澤龍彦は、エジプトの国王の近親結婚は、王族にのみ許容される特権であり、それを敢えて実行したと言っている。もちろん、王族の血を希薄にしないためもあっただろうが、それだけではなかったかもしれない。
日本や中国の皇族の間でも近親婚は行わていたが、これらも特権の行使ということもできる。
ニーチェは「乗馬は貴族的趣味だが、前時代の廃れた習慣を貴族が保存することがある」と述べている。だとすれば、近親婚も前時代の廃れた習慣で、かつては広く行われていた可能性がある。
③奇形
近親婚は先天性の奇形を生じやすいという懸念があることは確かだ。鈴虫でも同じ入れ物で飼っていると、近親交配によって足の本数に異常が出ることがある。だが、着床前診断で産まない選択もできるし、日本と違い、儒教の影響の強い国では、いとこどうしの結婚も禁止されている国もあることを考慮すると、近親婚の禁止は絶対的なものとは言えない。血縁関係がなくても、一度親子になってしまうと結婚できないなどの規定は不要という主張もあり得る。また、自分には子供はいなくても甥や姪はいるというケースは多く、彼らが甥や姪と子供をつくれば少子化対策にもなるであろう。異次元の少子化対策は近親婚の解禁であると言ったら、どのような反応がくるであろうか。