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『贋作 桜の森の満開の下』③

マナコとオオアマとカニ

続けます💁🏻‍♀️
前回は耳男と夜長姫についての解釈を書きましたが、今回は、その他の登場人物について…

まずは、マナコ

耳男の耳👂に対して、マナコは目👁
つまり、耳男は耳から入ってくる匠の名人としての名声を欲しているのに対して、マナコは目に見えるお金や女、物などに執着するいわゆる俗っぽい人間、自ら俗物マナコと名乗っているし、そういう意味では自分自身のことも、世の中の渡り方もよく知っている

そして、もう1人はオオアマ(壬申の乱を起こした大海人皇子)

兄である天智天皇(中大兄皇子)により、一時は皇太子とされていた大海人皇子だったが、天智天皇が嫡男大友皇子を後継者にしようとした為、大海人皇子はそれを受け入れて吉野宮へ下っていた…が、天智天皇の崩御後、今こそ自分が王冠を手にする時と、幼い甥大友皇子を擁する大津近江宮に対して謀反を起こし、大勝利を収めたのが壬申の乱

オオアマは、自身が身を潜めていた吉野から見て丑寅の方角にある飛騨王朝の辺りに、鬼門があると踏んで、鬼門を開き鬼を自身の味方につけるためと、王家が持つ国作りについて書かれた書物”HowTo缶蹴り”(古事記)と”狭き門C’est ma 鬼門”(日本書紀)を手に入れるために、飛騨匠3名人の1人に成りすまし、王家に潜入

早寝姫に近づき、書物を手に入れたら用無しとばかりに暗殺し、飛騨王家を崩壊に導き、耳男もマナコも利用し権力を得ようとする根っからの政治屋

オオアマの謀反の企みがらみで、桜の樹の下の王冠王冠2を誰が手にするか…というシーンがあるのだけど、なぜかそこで急にカニというワードが登場する😯

カニ🦀は横歩きしかできないから、永遠に真ん中の王冠👑には近づけない…という
マナコ自身もカニばさみの手で、耳男や他のカニたちとともに王冠の周りをぐるぐる回っている

最初は、国(クニ)、鬼(オニ)、蟹(カニ)、何(ナニ)という言葉遊びだけかと思ったけど、その割には、それ以降、マナコは”おたずね者”ならぬ”おたずねガニ”として扱われているし、マナコもちょいちょい手をかにばさみの形にしたりしてるので、何か意味があるのかと考えてみた🤔

どうやっても真ん中の王冠には近づけず、周りをぐるぐる回っているだけの存在…つまり、カニとは中央政権には手が届かない、一般庶民のことを指しているのか?
そうして、王冠を睨みながらも、ひたすら横歩きをしていたら日本の輪郭が出来上がっていたというのは、なんか、色紙をカニのはさみでチョキチョキ切りながらぐるっと一周すると、日本の輪郭が出来上がるようなイメージってこと❓…それか、国を形作るのは、中央政権ではなく、地道に生活を営む一般庶民であるっていうこと❓わかったような、わかってないような🙄

すっきりしなくて、カニについても調べちゃったけど、美味しそうな情報しかゲットできなかった🥢😋

結果、オオアマの謀反は成功し、飛鳥浄御原宮に都を作り、天武天皇となるのだけど、本作ではその時に、オオアマが飛騨王朝の存在を歴史の表舞台から抹殺したということになっている

このエピソードの元になっている考察の記述があるのが、安吾さんの著『飛騨・高山の抹殺~新日本地理』だそう

で、それがらみで、あれこれ調べていたら、飛騨地方には、無名の匠たちが残したたくさんの仏像があるそうで、その中に”両面宿儺~リョウメンスクナ”という、2つの顔を持ち、4本ある手には剣と斧を持っている鬼神の像が残されていると…なんか、夜長姫っぽい…🤭

人と鬼の二面性を持ち、エナコの首を切れと耳男に斧を渡したり、それを拒否した耳男の残った片耳を切り落とすためにエナコに母の形見の剣を渡したり…なんか関係あるのかな…🧐

こうやって、ずるずると関連項目を調べているうちに、頭の中がとっ散らかって、何度も脱線しちゃって、なかなか先に進まなかったー😅

でも、そういうのも楽しいよね😉

続きは、次投稿④へ

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