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11月の綿の花
Jean Toomer の詩「 November Cotton Flower 」
1923年出版の『 Cane 』に収められた詩。
もう、ワタハナゾウムシが来る、それに冬の寒さも。
綿の木の茎は錆色になっている、それに時を経た様に。
そして、南では滅多に見ない雪のような、綿は、
消えてしまっている。それに、小川も細り遅くなり、
秋のレールのように用を成さなくなっている。
ものすごく乾いた土が、大地に、すべての水を川から
取らさせてしまった。それで、地下30メートルの井戸の
底に、数羽の死んだ鳥が見つけられた。
それは、花の咲く季節のことだった。
年寄りたちはおののいた、そして、何か意味あることと
極め付けられてしまった。迷信から来る怯えが、それを、
これまで見たことのない何かだと思わせた。
恐がった形跡もない可愛らしい、茶色の瞳。
一年の内のその時期には思いがけない、美しさ。