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冷凍のエビ焼売がもたらした意外なこと


ある日のお昼時、ご飯でも食べようかと冷蔵庫の中をのぞいたら、冷凍のエビ焼売を発見。大好きなエビものを目の前にして閃く。

「 そうだ、今日はこれを、一人で、ぜんぶ、食べよう 」

ルンルンで蒸して、アツアツを食す。フワ〜と湯気立つ焼売たちを夢中で頬張るわたし。それも一人で、ぜんぶなので、たくさんある(笑)無心でホフホフしていたら、

『 あ〜、おいしい。なんて幸せなんだ 』こころの声がして、我に返る。

とっさに、「えっ、ただの冷凍の焼売だよ?」(失礼)と突っ込むと、

『 いいんだって 』と返された。

そして、妙に納得したのだった。


*


レストランの食事は、おいしい。

誰かと食べる食事は、こころが喜ぶ。

食卓では、手作りを大切にしている。

今わたしの頭の中にパッと浮かんだ心を揺さぶるおいしいの定義。失礼ながら、このどれにも当てはまらない(笑) たった一人で食べる冷凍焼売 。(おいしくないとは言ってませんよ)が、この日はおいしさ、喜び、幸せの三拍子をもたらしてくれた。それも、湧き上がるほどの幸せが、確かに、あったのだ。


*


この事実から考えさせられたこと。

わたしも含め、人にはそれぞれ幸せの定義があると思う。何かしら、きっとある。仮に、こうでなければ幸せになれないと思い込んで生きているとしたら、どれほどの損失を生むだろう。また、それがあったとして、本当に本当に、本当にそうなのか。

この日、もしわたしが、自分のつくった定義に従順過ぎたとしたら、もれなく冷凍焼売からもたらされる幸福感は、なかったことになる、かもしれない。おそらく、この時、自分が本当に望むことをただ観る感じることができ、定義は壊れ、真のニーズへと瞬時に辿り着いたのではないか。そして、だからこその充足感。あくまでも仮説だけれども、少なくとも自分を汲み取れるのは自分しかいないことは分かる。そして、それが幸福度にかかわるとすれば、どこを磨けばいいと考えるか。外側か内側か、あるいは。


いい一日だった。冷凍のエビ焼売のおかげで。




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