エピソード#28 患者等搬送事業者の看護師の役割~家族が 吐血・下血したため、通院させたい~
緊急対応のお電話は、介助したことがない方からもいただくことが多いです。
すごく慌てた様子の声で緊急対応依頼のお電話がありました。
「家族が 吐血・下血したため、病院に連れていきたい」との内容。
吐血・下血とのことなので、最悪な状況を考え、「私は 介護タクシーの会社の看護師です。今、意識はありますか?救急車を呼ばなくても大丈夫ですか?」と聞くと 「看護師さんなんですね。今も 話はできますし、着替えも自分でしてます」とのこと。
電話の時点では 吐血・下血は持続はしてなく、腹痛や動悸、めまいなども無し。
ただ、血液をサラサラにする薬も内服しており、ご家族との話の中から吐血・下血量は かなりの量だったと推測。
ご家族には 「病院に電話で状況を伝え、診察してくれる医師がいるかを聞いてください。病院側が救急要請しなさいと指示したら救急要請してください。介護タクシーでも可能なら向かいます」と伝えました。
再度、電話があり。「診察できる医師がいるとのことで◯時までに来て下さいと言われた。おはなさん、来てもらえますか?」との内容。
ご家族には 「吐血・下血で汚染した衣類やタオル等が残ってたら出血がどれくらいあったか 目安になるので 袋にまとめといてください」と伝え、社長とともに向かいました。
訪問して、体調を確認。顔色・唇の色がやや悪かったですが、脈は触れ、身体の中の酸素飽和度の器械をつけても 数値はキープできていたため、車椅子に移乗介助し、吐血で汚染されたものが入っている袋を持って病院へ。
電話で 一報いれていたからか、早めに診察。
点滴、検査となり、結果、入院となり、病棟にはストレッチャーで寝たまま移動されていました。
開業当初、「介護タクシーに看護師ってなにするんですか?」とよく聞かれました。
私も その時は手探りで よくわかりませんでした。
今は、介護タクシー・患者等搬送事業者の会社に看護師がいる意味がわかってきました。
そして、可能性を感じます。