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冬なのに機嫌のいいベルリンの空と私のまゆげ
ここのところのベルリンはとっても機嫌がいい。定期的にくもが晴れて、青い空を見せてくれる。
空が晴れると、私は自分の顔がよく見える。というのは、私がいままでに見てきた限り、ドイツの家は日本ほど明るくない。夜は間接照明で過ごす。この文化が私は好きで、日本にいる時も少し明かりの暗い夜を過ごすようになった。
家に間接照明とか暗めの照明しかないと、困ることが1つある。それは、冬に天気の悪い日が続くと、自分の顔がよく見えないこと。アジアにいた時よりも、自分の顔面のことはあまり気にならなくなった。でも、眉毛は少し気になる。人に会う前には整えておかねばと思う。
今日のベルリンはとても機嫌がいい。朝から日差しが差している。
遅くベッドから出て、寝室の壁に並ぶクローゼットの大きな鏡を見る。私はいつもここで、自分の姿をチェックする。
少し鏡に近づく。あ、眉毛が範囲外のところに生えている。抜こう。と、すぐ横にある私の仕事机から、化粧ポーチを手にとり、ピンセットを取り出す。せっかくなので顔のうぶ毛も剃る。
それで、思い出した。過去に付き合っていた恋人のこと。当時の恋人は、わりと頻繁に鼻毛の出ている人だった。
最初はどうしようかと思っていたけれど、当時の私も彼も営業職、たぶん伝えた方がいいだろうと思うようになり、「鼻毛出てるよ」と伝えていた。
そんなある時、「ほかの人は俺に「鼻毛出てるよ」なんて言わないんだけど。」と言われた。粗探ししてるだろ、わざと見つけてるだろ、みたいな感じで。
いや、そりゃそうだろと思った。他人がわざわざ「鼻毛出てるよ」なんて言うかよと。恋人だから言ってただけだと、今の私が無意味に腹を立てる。むしろいまの恋人なんて、外に出る用事があるたびに「まゆと鼻、チェックして!」とか言ってくるのに。ふむ。まあ、それはいいか。
自分の顔をチェックして、簡単に整えて、窓を開けて換気する。ドイツに暮らすようになって、冬でも定期的に換気するのが習慣になった。ドイツ語学校に通っていたときは、外は1度とかの寒さなのに、なんで休み時間に窓を開ける……?と思っていたけれど、慣れるとその習慣を私もやりたくなる。
私が寝室の窓を開けて、恋人にリビングの窓を頼む。勢いよく風が抜けて、寝室の窓はその勢いでバタンと閉まる。
そんな、金曜日の朝。いや、遅く起きたからもう昼だな。クリスマス前の良い天気を楽しもう。
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