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療育にまつわる「からだ」へのまなざしvol.58
9月のバオバヴカフェにて、「ニューロマイノリティ」(横道誠・青山誠、編著)の第8章を読み終える。日本の「ダイバーシティ&インクルージョンを進める」とは…ということへ、最終的につながる内容だった。なかなか大きな内容だとは思うが、参加者は、保育現場、学童現場での事例をあげ、自身の意見を伝えてくださった。最近のカフェは、この2つの現場に加えて、私自身が関わっている放課後等デイサービスの現場の話も登場する。どの現場も、「ダイバーシティ」は、意識として浸透しつつも、「インクルージョン」の方が浸透していない、難しい…という意見が出た。「個々の違いを受け入れ、認め合い、生かしていくこと」…最後の「生かしていくこと」は、きっと、支援者一人が、どうこうしようとしても、難しいのではないだろうか。
数名で、チームで、あるいはその現場全員の意識が同じ方向を向いていないと、難しい…(でも何が具体的に難しいのか?…と問い続けることも大切にしながら)、「インクルージョン」について、意見を交わすことを諦めないでおこうと思うに至る。
バオバヴカフェの参加者は、試行錯誤しながらも、真摯に現場で子どもたちに向き合っている、だからこそ、このバオバヴカフェにも参加して、少しでも現場の子供達に「幸」を、と活動されている。例えば、もう1つの話題(以下、花沙さんが書いてくださった内容参照)にも出た、子供達へのアプローチ法を探ったり、と、当人に合う方法を諦めずに探していくということは、「インクルージョン」を考えていく際に、ヒントになるところだろうし、大人の側が、選択肢を豊かに携えて考え続ける姿勢を厭わないこと…
などと改めて、確認できた、なかなか示唆の多い第8章だった。
次回は、引き続き、9章を読んでいきます。(10/25、21時より、オンラインにて)
( 以下、文責:花沙)
今回は、武田鉄郎著「発達障害の子どもの『できる』を増やす 提案・交渉型アプローチ 叱らないけど譲らない支援」(Gakken)の概要をシェアしました。
発達特性のある子どもは、既存の学校システムなどにうまく適応できない場合が多いです。このような子ども達は、叱られたり怒られたりすることが多くなりますます学校に行けなくなる・・という負のループに入ってしまう場合も少なくありません。
子どもの心に寄り添うカウンセリング的アプローチも大切、分からないことを教えてあげるティーチング的アプローチも大切、、ですが、発達特性のある子の場合は、さらに数々の工夫したアプローチが必要だと感じています。本書にある「提案・交渉型アプローチ」は、それに当たるのではないかと思います。
既存のシステムに合わないからと放っておいては、その子の持つ課題に本人が向き合うことができません。本書は、子どもが何か課題にぶつかった時は、大人のほうからその子どもにも受け入れられるような選択肢をいくつか考えて提案し、子どもの考えを聞きながら、お互いが受け入れられる妥協点を一緒に考えることの大切さが書かれてあります。子どもには自分で選択した案には、責任をもって取り組んでもらいます。もしうまく行かなくなったら、また対話を重ねて大人はさらに選択肢を考えます。
つまり、とても時間と手間がかかるということです。ただ子どもを叱りつけることは簡単ですが、その後の負の側面を考えると良い策にはなり得ません。大人も全力で子どもと向かい合いながら、粘り強く交渉を続けます。それは大人のほうの尊厳も死守することになるのかも、と思いました。