プログラマーのためのお勧め本
プログラマーの雰囲気を味わえる本をいくつか紹介する。公共図書館などには必ずあると思われる。
『実録!天才プログラマー (アスキー出版局)』
パソコン創世記の天才プログラマー19人のインタビューを取りまとめたもの。本人直筆のプログラム・スケッチや未公開のソースコードの一部も公開されている。天才プログラマーの経歴やモチベーションを知ることができ大いに参考になる。
若き日のビル・ゲイツが、コンピュータ・サイエンス・センターのごみ箱へ行って、オペレーティング・システムのリスティングを探しまくった話などは興味深い。今はネット経由でソースコードの入手は容易になったが、昔は入手に手を尽くした。
プログラマーになろうというモチベーションには役立つ。私は若い頃、この本を読んでプログラマーに転職するきっかけを作った。
『ハッカーズ (工学社)』
この本は私が生まれた頃から大学生ぐらいまでの時代に並行した本。前半は60年代から70年代の汎用コンピュータやミニコンの時代の話。後半はオルテア8800に始まり、IBM PCまでのパソコンの時代(ただし30年前ぐらいまで)である。
とにかく面白い。ハッカーとはどんな人種で、どれほどの可能性が開けるか語られている。Lispの実装や価値、創始者であるマッカーシーの話についても随所にあらわれる。
こういう本を読めば、プログラミングが如何に魅力的な活動であるかを知ることができ、モチベーションが高まる。
『ハッカーと画家 (オーム社)』
天才Lispハッカーでベンチャーを成功させた著者が、もう少し現実的な話を書いている。“富のつくりかた” である。それはスタートアップを起こすか、それに参加することだそうだ。
世界中の富の総量は決まっているのでなく、富は作り出すことができるものということ。プログラマーは製品を頭の中から一行一行紡ぎだすことで、富を作り出すことができるそうだ。
そのほかにも、本の帯にあるように、ものつくりのセンス、成功するビジネスの秘密、発想を刺激するアイデアなどプログラミングについてこれほど機知に富んだ本は少ない。プロになりたいプログラマーには必読書!
これら3冊は座右の書で、いつでも時間があるときには眺めている。