どうぞのいす(小学校低学年男児に読み聞かせた絵本を紹介)No.148
香山美子(著) ひさかたチャイルド
ウサギが作った「どうぞのいす」を巡って行われる、動物たちの温かい交流?を描いた絵本です。
ウサギが作った椅子には「どうぞのいす」という看板が掲げられています。それは、ウサギが「疲れた時にどうぞ休んでください」という意味を込めて看板を掲げたのです。
ある日、ロバがドングリをたくさん拾った帰りに、その椅子の近くを通ります。ロバはドングリ拾いに疲れてしまい、少し休もうと「どうぞのいす」にドングリの籠を置き、自分は近くの木陰で昼寝を始めました。
そこへクマがやってきます。クマは「どうぞのいす」に置かれているドングリを見て、食べて良いんだと考えてドングリを全部食べてしまいます。さすがに全部食べたのは申し訳ないと思ったのか、持っていたハチミツを「どうぞのいす」に置いていきます。
その後も次々に動物たちがやってきて、次々と物のリレーを行うようになります。さて、ロバさんはどうなるのかな?というお話です。
さて、どうなるのでしょう。
最初にクマがやってきて、ドングリを全部食べてしまうところまで読み進めると、子供は絶句したような表情を浮かべていました。これからどうするんだろう…ロバが目を覚ましたらドングリを全部食べられてしまった事にどう思うだろうか、、と子供ながらに考えている様でした。他者の気持ちを類推する、そういった事が徐々に出来てくるのも幼児期~学童期始めの頃なのだなと気が付きました。本を通して子供の成長に気が付く、なかなか面白いなと思いました。